https://twitter.com/Lefty_STJ/status/1606356471670661120
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>公金の流れはブロックチェーンで追えるようにするくらいデジタル庁は頑張れよ— れふてぃ (@Lefty_STJ) December 23, 2022
ツイ主がどのような心持でこのような投稿をしたかはわからないが、おそらく行政が運用上の”瑕疵”で文書やデータを紛失したり、まっとうな手続き抜きに内容が変更されたりしたを出来事を観測して憤っているのだろう。
「改ざんはけしからん!そうだブロックチェーンなら改ざん不可なはずだから、大事なデータはブロックチェーンに載せよう!」という氏の気持ちは良くわかる。
現にブロックチェーンが暗号資産以外のケースに応用が利きそうだと発覚した2010年代中盤は、このように行政の文書管理にブロックチェーンを使えば良いのではないかという話も出ていたほどだ。
ただ現実ブロックチェーンを応用した行政のサービスやシステムはまだ出てきていない。実証実験や小さいサービスでは使っているかもしれないが、このような文書管理のようなコア部分はいまだに従来のシステムに依存している。
これはなぜか?ブロックチェーンが未成熟な技術だからか?確かにそうかもしれない。行政が旧態依然のシステムから変えたがっていないからか?それもあるだろう。
しかし、技術が進歩しブロックチェーンが成熟したとしても、デジタル庁が本気の改革に乗り出したとしてもブロックチェーンを上記のようなケースへの応用は難しいのではないかと俺は考えている。
この考えを少し述べたい。はてなでやる内容か?と自問しつつも、誰かの目にとまれば幸いである。
ブロックチェーンは様々な実装が公開されているが、「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」に大別することができる。
この二つの最大の違いはパーミッションレス型か、パーミッション型かという点である。つまり、誰でもネットワークに参加できるのが前者、任意の機関が認証して初めて入れるのが後者である。
行政の監視という点を考えたら、もちろんパブリックチェーンの方がよさそうに思える。みんなで監視できるからだ。
ただ、パブリックチェーンをこのユースケースにあてはめるには課題がある。
一方、プライベートチェーンではどうか。ここも一筋縄じゃいかない。
構築する動機がない: これが一番悩ましい点かもしれない。つまり、行政は自分たちのデータを改ざんできないと困るのだ。改ざんというと言葉が強いが、ちょっとした修正ぐらいも監視されてるなんて溜まったものではない。自分が不便になりそうなものなんて、法律で強制でもしない限り作らないし使わない。
長々と書いてしまったが、とにかく言いたいのは「行政×ブロックチェーンって良いアイデアじゃね?なんで皆やらないんだろう」とTwitterに書き込む前に一旦想像して欲しいのだ。もう考え尽くされたアイデアなのかもしれないと。自分が画期的アイデアの考案者第一号ではないのかもしれないと。
ブロックチェーン自体は素晴らしい技術だがその応用にはみんな苦労してる段階である。行政への画期的なユースケースも今後出てくるかもしれない。それまで暖かく見守ってくれれば幸いである。
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