2021-09-16

声変わりがなくて悩んでいるあなた

私は22歳で声変わりしました。ほとんど全部の二次性徴もこのときに出ています。投薬のおかげです。今では40歳も過ぎ、結婚して2人の子供もいて、幸せ毎日を送っています。同じように悩んでいる人が検索してヒットし、ヒントになればうれしいと思い、これまでの私の記録を残しておきます

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人口数万人の地方都市に生まれました。高校までは公立で、徒歩と自転車で通えるところにいきました。成長が遅いと気づいたのは中学2年生くらいの頃だったと思います小学校に入った頃にはクラスの中でも身長が高い方でしたが、中学卒業の頃には自分より小さな男子は1人か2人でした。それでも学級委員長をしたり、生徒会に入ったりするような子供でした。運動はできなくても勉強はできたので、からかわれる場面は少なかったと思います

病院に行ったのは、大学に進学した直後です。高校卒業までは病院に行くことは思いつきませんでしたが、進学した大学があるところは生活圏にいくつかも総合病院があるような大きな都市だったので、ふと思い立って病院にいくことにしました。どの診療科受診していいかもわからなかったので、窓口でどきどきしながら聞いたことを覚えています。結局、内科に回されて、さら診療してくれた先生は別の先生を紹介してくれ、その先生からさら大学病院先生の紹介を受けました。大学入学の4~5月に長い時間がかかりましたが、結局はその後10年に渡ってお世話になることになり、非常に幸運だったと思います

大学病院でも診断のための検査は、血液検査から始まって、脳のMRIを撮ったり、さら入院して負荷試験を行ったりと、結局は8月まで掛かりました。もう20年も前の話ですし、今は血中の性ホルモンの量も血液検査でわかるようになったはずですので、検査にこんなには掛からいかもしれません。

治療は間欠持続注射というものでした。スマホよりやや小さく、でも分厚くしたようなサイズ装置乾電池注射液が入っていて、おなかにずっと刺しっぱなしの細い注射から90分~2時間に1回、注射薬が打たれるというものです。注射薬で入るのは、脳の視床下部から普通は分泌されるホルモンに似たもので、私の視床下部には出すことができないものです。これを足すことで、精巣を刺激して男性ホルモンが出ます男性ホルモンを出す機能は、私は失ってないようです。診断病名は「視床下部性性腺機能低下症」で、治療薬は「ヒポクライン注射薬」です。あとで書きますが、最近もっと楽な方法もありそうです。日本全体でも患者数はそれほど多くなく、大学病院でも理解のある先生は多くないかもしれません。診療科としては内科特に内分泌を扱う内科ということになります糖尿病成人病の方もこの診療科に来ますので、病院での待ち時間は長くなりがちです。

ただ、大学では運動部に入っていたので、注射針をずっと刺しっぱなしにすることができませんでした。運動前に抜いて、帰宅後にまた刺すんですが、運動部でつかれてそのまま眠ってしまうと、朝にまた刺し直すことになります。実はこれがよくなく、ずっと刺すことで薬が効いて声変わりが始まったのは、4年生で研究室に配属になった後の5~6月頃でした。22歳でしたが、身長10cmほど伸びました。

声変わりがなかったり、精通がなかったり、性器周りの気が生えなかったりで困ったことは、数限りなくあります恋愛不自由したり、アルバイト先の接客で客に笑われたり、運動部の合宿でお風呂に入るのが恥ずかしかったりというのが、すぐに思いつきます

逆に治療中には、治療費が問題になります。一番払ったときには、月に20万円を超える額を払って、高額医療費制度を利用して5万円超くらいまでに抑えました。それでも学生には非常に高価な買い物だったので、成果の出ない時期にはやめてしまおうかとも思ったことがあります。ここ数年で公費申請可能になったため、申請が認められれば月1~2万円程度に抑えられるはずです。いずれの金額も、家庭の収入に依ります。詳しいことはキーワード検索して調べてみてください。公費申請時には、薬が入る前後データ必要になったりするので、治療が始まるできるだけ早い段階でお医者さんに相談することをお勧めします。長期海外留学などで薬が切れてしまうことも問題にはなりましたが、お医者さんに嫌がられながらも4か月分くらいならなんとか薬をたくさん受け取ることはできました。

声変わりして、身長が伸びた後も、果たして自分子供ができるのかは自信が持てませんでした。付き合い始める直前の彼女には説明しましたが、彼女はそれでもいいと言ってくれました。結局、彼女奥さんになって、子供も2人できることになります。お医者さんにも薬にも感謝しています。私が生まれてくるのが20年早ければ、きっと治しようもなかったでしょうから、私は幸運だったと思います

もう子供も2人で十分ですので、治療薬は「テストステロンエナント酸エステル」に変えました。2週間に1回、病院筋肉注射を受けます男性ホルモンを直接的に補充することになりますので、人間としてやや不自然になります子供が欲しいのであれば、お勧めできない(どう影響するかわからない)方法だと、お医者さんには聞いています。ただし、治療負担は1回で1,000円以下と非常に安価になります。ずっとつけてないといけない注射から解放されることもありがたいです。一方で「ヒポクライン注射薬」の間欠持続注射機器を使っている患者も、もう日本で数名しかなく、もし壊れたら機器の予備はないとも聞きました。最近は何か別の治療方法が出てるんでしょうか?

働いていても、妙に声の高い男性の方を見かけることがあります。同じ病気じゃないだろうか、治療すれば治るんじゃないだろうか、と思ってしまます。私が悩んでいた20年前には、インターネットにこの手の情報も載ってませんでしたが、今調べると多くの病院関係者の方が情報提供してくれているようです。もし悩んでいるようでしたら、専門にされているお医者さんか、大学病院のような大きなところで、お話を聞いてみてもらいたいと思います

  • 妙に声の高い男性の方を見かけることがあります。同じ病気じゃないだろうか、治療すれば治るんじゃないだろうか、と思ってしまいます。 多様性を認めない怖い考え方だな 優生思想...

  • 男性ホルモンを直接的に補充すると体が「男性ホルモンは充分ある」と思ってキンタマが男性ホルモン作るのをサボる。 キンタマは働いてないと小さくなっていって精子も作らなくなる...

    • ドーピングしてる格闘家とか実際にこんな症状出るらしいね

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