あれこれ忙しく、どこかに書かずにはいられなくなってしまったので増田に。
昨日の朝、一緒に住んでいる恋人が早朝からおなかがいたいと言った。
もともと良性の腫瘍があり、年に2回ほど経過観察のため病院に行っていた。痛みの位置的にも腫瘍がわるさをしている可能性が高く、はやめに診てもらったほうがいいと考えてかかっていた病院の救急外来へ電話。
当直の先生へ病状を伝えたところ、やはり腫瘍が原因になっている可能性が高いとのこと。いつ来てもいいと言われ、簡単に支度をしてタクシーで病院へ。
診察前に熱をはかりにきた看護師さんにお友達ですか? と聞かれてパートナーですと答えた。家を出る前に関係を聞かれたらなんて言えばいいの? なんて話していたのが役立つ瞬間だった。
診察中は待合室のベンチで待機。MRIをすませた段階で、痛み止めの点滴を打たれている恋人のところに通してもらえる。パートナーと伝えていたのがよかったらしく、全体通して家族扱いしてもらえていた。外科の先生がきて、病状の説明。やはり問題の腫瘍が原因とわかる。
今日手術してしまうのがよいそうで、そのまま手術の説明をうける。日曜に手術、水曜まで入院の三泊四日の予定だそうだ。また、コロナ禍のために面会ができなくなっているとのこと。腹腔鏡手術担当の先生は説明がていねいで感じがよく、好印象だった。入院の準備と手術の準備をするのでと言われ、そのまま二人でしばらく待機。朝からなにも食べていなくていいかげんおなかがすいたので、長丁場になったときのために持ってきていた焼き菓子を食べた。おいしい。
その間に恋人は家族に連絡していた。コロナ禍のこともあってわたしはまだ恋人のご両親にお会いしたことがなかったけれど、恋人伝いでお母さまとLINEを交換し、はじめて直接連絡をとる。優しい言葉が返ってきて一安心…。
手術に関する書類はわたしだけ窓口に呼ばれて記入をした。無料の病室の都合がつかないらしく、室料がかかると言われて同意書を書くよう案内される。インターネットでつけた知識をもとに、病院都合の部屋の変更は料金がかからないと聞いたことがあると思うんですが…と話すと、無料のお部屋をご本人も強くご希望ということですね? と念押しされてしまった。こわい。窓口のかたが先生に確認しますと下がっている間に恋人にこういうことになってますと連絡。正直、手術をしてもらう時点でこちらは命を握られているに近いわけで、軽い気持ちのネゴシエーションがおおごとっぽくなると入院中の待遇がわるくなったらどうしよう、などと心配になってしまう…(とはいえ病院の方は皆さんとても親切でていねいでした)。
戻ってきた窓口のかたによると、火曜までは有料の部屋が無料で使えるが、最後の一泊については無料の部屋があかない場合交渉が必要とのこと。わたしは仕事があり、面会もできないのでおそらく入院患者本人に交渉しろということだろう。入院の必要な人間にそんなめんどうなことをさせるのか…? というきもちでいっぱいだったけれど、これ以上めんどうを起こしたくなく、その条件をのんでしまった。窓口のかたが室料についての新しい同意書を持ってきたので、それにサインする。文言が変わっていて、系列の病院に移動させられても文句を言いませんみたいな内容になっていた。すごく不安だったけれどサインをしてしまう。
恋人のもとにもどって、室料の件をかんたんに話した。退院するまで部屋の件は不安だしよくないことが起こらないといいなと思っている…。べつにお金に困っているわけではないんだし、払ってしまったほうがよかったのかなあ。
しばらく待って、病棟に移動することになる。待ち時間、恋人はすこし寝ていた。わたしも気疲れしてしまってベッドの柵にもたれて目を閉じていた。
移動までの間、面会できないので、ナースステーションまでですと念を押された。恋人が病室へ連れていかれてしまうのを見送って、ナースステーション横のソファで待つ。すこし前におなじようなかんじで手術と入院をした友人に役に立った持ちものを聞いたり、自分でもあれこれ体験記を読んだりしてこのあとの荷造りのことを考えていた。
看護師さんが来て、もうすぐ手術ができるがいまはまだ時間がわからないこと、もう面会ができないので帰ったほうがよいことを伝えに来た。うすうすわかっていたけれど、もう退院まで恋人の顔を見ることはできないらしい。ここでお別れです、という時間を1分でもつくってもらえたら最後に手を握ったりなんか話したりできたのにな、というきもち。病棟へ移動した際に預かったままになっていた恋人の荷物を看護師さんに渡して、荷造り&買い物のために病院を出る。
恋人の通っていた病院は、比較的家からも通いやすいところで、今回それが助かったなとおもいながらユニクロと無印良品、成城石井、マツキヨに行く。途中おなかがすいてしまってたまごサンドを買って食べた。
あってよかったものリスト、いろいろ見ているとジャムやふりかけがあげられていることがおおかった。恋人はお菓子やジャムをふだん食べないので、いろいろ迷ったけれど三島食品の紅鮭菜飯を買う。
ちょこちょこ連絡事項をやり取りしていた恋人に手術内容について聞かれて、返信しながら恋人もいろいろそれどころじゃないのかも、とあらためておもった。わたしが同席していられてよかった。
買い物でスマホから目を離している一瞬のうちに恋人は手術室にはいってしまったようだった。買い物をすすめながら、わたしは手術が完了したあと連絡をもらえるのだろうか、と急に不安になる。そもそも手術って家族が手術室の前で祈りながら待つようなイメージだった。今回は面会ができないのでそれができないことはまあわかっているし、荷物を持ってくるためには帰ってこないと電車もなくなってしまうから、一度帰宅する必要はあった。ここでようやく腹腔鏡手術の所要時間を調べる。持ちもののことばかり考えていた。
買い物をすませて家に帰り、iPhoneの着信音を最大にする。
荷物を準備していると、ちょうど手術開始から2時間弱のタイミングで電話が鳴った。手術は無事終了、とくに合併症などもなく予定通りに終わったとのこと。恋人は麻酔で寝ていて、連絡がつくまでまだかかるそうだ。電話を終えて、恋人のお母さまにも連絡する。はじめ恋人はお母さまに、わたしへ連絡先を教えておいてと言われたときに電話番号を伝えてくれようとしたのだけれど、LINEにしておいてよかったとおもった。既読がすぐについて、しばらくして返信がある。とても安心したことや、わたしや病院の先生へのお礼など。
わたしはいまたしかに恋人と生活をしていて、おたがいがおたがいのいちばんの関係者だとおもっている。籍を入れることはできないけれど、指輪の交換もした。けれど、わたしという存在によって、恋人のお母さまは手術の結果をいちばんに聞くことができなくなってしまったんだ、とおもうと、わたしが恋人をとってしまったような気がした。
荷造りをすませてふたたび病院に向かうころには、通常の面会時間はすでに終了していた。守衛さんに伝えて手続きをおこない、ふたたびナースステーションへ向かう。
看護師さんに荷物を渡すと、荷物を渡しがてらとくに持って帰ってもらうものはないか恋人に聞いてもらえた。わたしはそこですでに恋人が目を覚ましていたことを知ることになる。恋人の病室はナースステーションからいちばんちかいのに、恋人の病室に出入りする看護師さんを黙って見ることしかできない。毎日一緒に寝起きしているのに、いまは恋人が起きているかどうかも他人に聞くまでわからないのがむしょうに悲しくて、泣きながら病院を出た。
最寄り駅にふたたび帰り着くころにはすでに22時をまわっていて、どうしようか迷ったけれど松屋で夕食をとって23時には寝た。わたしは寝付きがいいほうではないので一人寝はかえってねむれるかも、とおもっていたけれどねむりは浅く、病院に行く夢や恋人と過ごす夢ばかり見た。
日付変わって今日、恋人はまだ具合がよいとはいえない状態のようだけれど、連絡はとれている。このままなにごともなく病院を出て、しばらくはつらいだろうけれど、ゆっくり回復できればいいなとおもっている。
不安なのかさみしいのかわからないけれど、誰かに話したくてしょうがないし、けれどおなじ温度感で問題を共有できそうなひとがいないのがしんどい。昨日から泣いてばかりいる。
恋人にはさみしくて毎日泥酔しているかも、なんて軽口をたたいたけれど、いまは夜ごはんになにを食べたらいいかよくわからない。
大変だったね。無事退院できるよう祈っとく
お疲れ様。いろいろあって判断するのも疲れてると思うから、晩御飯は機械的に松屋、とかにしておくのがいいよ。 食べたいものを考える気持ちの余力が出てきたら好きなものを食べた...
LGBT?
ホモかな
LGBT関連団体がギャーギャー騒いでなければ、僕はこのエントリーを綺麗な目で見ることができただろう。 僕の心は汚れてしまった。
最初から汚れてるくせに 人の所為にすることばかり考える
生半な知識しか身に付けられないなかったんだね。
相手に引きずられずに強くなれると良いな
それで緊急増田しちゃったのか
だよな
おかゆを買ってきて温めて食べるといいよ。 胃に負担がかからないし、脳をたくさん使ったから糖分補給。 そして胃を温めると興奮が少し治るよ。少しでもいいからちゃんと寝てね。 ...
お疲れ様 恋人さんの健康はもちろんだけど気苦労が重なると体調悪くするから増田もお大事にね
LGBTとか聞いてるバカが多いけど、そこは本質じゃないから。十分察せる内容なのにわざわざ聞くのは差別的でもある。
王様の耳はロバの耳! ・・・って言うの、今の世では差別的な発言にされそうだよね。。。
なぜ恋人ですと言わないの
結婚した夫婦と同等の関係性だと表すための言葉だから。 恋人だと、入院関係の手続きや同意書へのサインをさせて貰えないので他の家族を呼ばなければ何も出来ない。 パートナーと名...
なるほど勉強になる 教えてくれてありがとう
「パートナー」と曖昧に言えば相手が勝手に解釈してくれる
anond:20201019144445 のブコメで 病院都合の部屋の変更について事前に調べていたり,用意周到で創作みたいに感じる とか言ってる奴いて草
とても読みやすい。普段から読ませる文を書いているのでしょうね。恋人さん、早く良くなるといいね。あなたも、休める時には休もう。