2020-09-19

同僚女子の裏垢を見つけて、そのまま非実在存在に恋してしまった話

ほとんど同時期に入って、入社直後は二人でいることが多くランチとかも普通に二人きりで行ってた女子社員がいた。(以下、Aとする)

背が高くて、顔は池田エライザに似てると言えなくもない感じ。イケメンが出てくるソシャゲ乙女ゲー、2.5次元舞台にはまってると笑って言っていた。

研修が終わってから部署が離れて、お互いに同性社員とつるむようになって、二人きりで話すことは自然と減っていった。

 

ある時、ツイッターでAの下の名前と同じアカウント名で、いやらしい写真動画をあげている裏垢を見つけた。

まさかな、と思いつつなんとなく過去ツイートを見てみると、やっているソシャゲが同じで、身体的な特徴も一致していた。

なにより、先日ゲリラ豪雨に見舞われて職場からでれなくなったというツイートが完全に同時刻にあり、これは本人に間違い無いと特定できてしまった。

それは10年前に作られたアカウントで、かなり遡ってツイートを見ることができた。

AはAではなく、ネット上で別の人格を生きていた。(以下、Bとする)

 

それから、家に帰ってBを眺めるのが日課になってしまった。

いやらしい裸体が拝める優越感もさることながら、彼女過去いじめを受けていたこと、自分を殴るような男ばかり好きになってしまことなど、

普段のAから想像もできない闇を垣間見れる快感で、やみつきになっていった。

いよいよツイッターの日付指定検索コマンドを使って過去画像ツイートを遡っていくようになった。

Bは10年前から裸体を世界中晒していたから、少女だった身体が徐々に大人びていく様を時系列で見ることができた。

これまで女性交際したことは何度かあったが、ここまで異性の心と体の深い部分を垣間見たことはなかった気がした。

 

ふだんは職場で頼られ、どんな時も明るく振舞っているAだったが、ある日、上司に叱られた際に感情を抑え切れずに泣きながら反論したことがあった。

他の同僚が「Aさん、かなりストレス溜まってたのかなぁ」などと言っているなか、自分けが誰にも言えない彼女のBとしてのもろさ、弱さを知っているんだ、と思った。

Bはツイッター上でレトロゲーのイラストを描いて誕生日フォロワーに配るなどもしており、叱られた日はイラストの量も増えたりしていた。

Bなりに自我バランスをとって、Aとしての社会生活をなんとか維持しているのだな、と冷静に分析しつつ、同時に上げられる自慰動画で抜いたりもしていた。

Bは吸盤で床に備え付けた太いディルドの上で、激しい騎乗位を繰り返していた。それが昼間の泣いているAとリンクし、なんとも言えない興奮があった。

 

そのうち自然とAのことが頭から離れなくなり、恋しているとはっきり自覚するまでになった。

次第に裏垢でBとしてのみだらな姿が世界中さらされていることに我慢できなくなってきもした。

そこで自分はAを食事に誘って交際を持ちかけようと考えた。頼れる男がいれば裏垢の更新も止まり、Bは消失する(自分が独占できる)だろうと思えた。

どうやって食事に誘えばいいかについて考えたが。ツイッター上にありとあらゆる彼女の嗜好についての情報が詰まっているので、それをネタにしようと思った。

ジョジョ5部のアバッキオ推しであるとのことで、これで行こうと決めた。

 

ある日、Aと二人きりになれるチャンスがあり、それとなくジョジョネタを振ってみた。だがAは全くそれに食いつかなかった。

一瞬、ジョジョ好きを隠しているのかと思ったが、なんとなくそれとは違う、全くジョジョに触れたことがない感じの返答だった。

もともと乙女ゲーをやってることを公言しているくらいだったから、ジョジョ好きを隠すことはないはずだ。

 

その夜、家に帰ってBのツイートを眺めているうちに、BのアカウントはAとはまったくの別人が運用しているのだとやっと気づいた。

自分でも違和感を持つことがなんどもあったのだが、無意識に考えから排除していた。

「Aは現実では嘘をついており、このBのアカウントにだけ真実が書かれている」という強い思い込みがあり、

現実とズレている点があっても、身バレを避けるためにあえてやっているんだろう、などと考えていた。

本当に自分底なし間抜けだと思った。

 

ーーー 

 

現在だが、自分はいまだにAと、Bの監視を続けている。

だが、Aを食事に誘ったりしようとは思わないし、Bにコンタクトを取ろうとも思わない。

 

なぜなら、自分の中にAでもBでもない、別の人格が完成しており(以下、ABとする)、ABのことが頭から離れなくなってしまっているからだ。

 

ABは自分が求める完全な異性だ。社会生活毅然と守り皆に頼られながら、あまりにも淫靡で幼い一面を併せ持っている。

そのいびつな不完全性が自分にとっての究極の理想で、ABのことを思うと胸が焼けるような気持ちになるし、痛いくらいの勃起が止まらなくなる。

 

だがABは存在しない。ABに近づく方法はない。

こんな状態は不健全だとわかっているが、どうすることもできない。

 

俺は今日も昼間のAと夜のBをかけあわせたABの人格をもてあそんで、いじきたない自慰行為を繰り返している。

自分はどうしたらいいんだ? 

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