2015-06-04

殿堂入りストーリー面白い

 現在公開中の映画ビリギャル」は、もともとstorys.jpというサイト投稿された話だそうです。話題作で評判も高いということで、映画好きの僕も早速見に行きました。率直な感想は、全く感動することもなく、途中何度もつまらなすぎてしんどかったです。

 改めて、storys.jpというサイト投稿された元の話を読んでみました。まずタイトルを見て、合格体験記の1つと分かりました。ただ、いくつか「?」もありました。

「何でこんなに長く大げさなタイトルなんだろう?」

慶應って私立トップなの?」

 とりあえず、読んでみました。

 「いきなり志望校を決めるんだ。でも、目標最初に設定するのは重要かな」

 「1年半で67万人以上をごぼう抜き?う~ん、僕だったら、まず志望校過去問見てみるけど。それから、単に合格に求められる一定水準の学力を身に付けるためにこつこつ受験勉強するんじゃないかな。そんな数字のこと考えるかな?慶應って67万人も受験してたっけ?」

 冒頭から立て続けに疑問がわいてくる。大学受験の話なのに色々と長い。要は大変だったってだけでしょ。とりあえず、最後まで読むことにしよう。

 すぐに、ひっかかった。

 “普通人間は、変な先入観というか、中途半端な小賢しさというか、まぁ一言で言えば頭悪いんですけど・・・

 彼女が素直だったということを説明する冒頭。「普通人間って頭悪いんだ。へえー」

 “中学入ってから今までの5年半、全く何もしてない”

 →「塾に来たのは高2の夏じゃなかったっけ。高3の10月、受験直前に来たの?」

 “東西南北が分からない”

 →「何で、妹が小6で書いた地図が出てくるの?彼女の話じゃないじゃん」

 “「一度死んだらいいよ」と、真顔で答えておきました。”

 →「校長先生から人間のクズだと言われたても、キラキラと輝くダイヤモンドの原石にしか見えなかたのに、そういうこと言う?」

 “彼女には、「学校勉強はみんなのための授業。だから、君は君の勉強をしなさい」と指示しました。”“学校の授業って、「学校側の都合でプログラムが作られている」訳なので、それに合わせるのもおかしな話です。”

 →「僕がおかしいんだろうか。塾の先生発言根本的に間違っているとしか思えなかった」

 とりあえず読み終わった。なんかすごくあっさりしてるな、と思いました。要は、勉強頑張って大学受かりました、ということ。何も特別なことじゃないし、だから特に感動とかありませんでした。今まで遊んでたから高い目標を設定した分だけ苦労したっていう自己責任の話でしょ。普通にこつこつ真面目に頑張っている受験生の方が僕には感動的に思えるけど、どうなんだろう。


 サイトで他の人の話も読みました。“殿堂入り”って銘打っているのがまず面白かったです。前提知識なく読んでみました。

①5年でハイリスク妊娠中絶離婚再婚出産経験した私が伝えたい4つの

→う~ん、大変な妊娠だったんだな。ただ、周りでも聞く話だな。伝えたいことの初めの2つは、ハイリスク妊娠に関わることだけど、言われなくても分かることかな。3つ目は他人に伝えることじゃないでしょ。4つ目は、ニュースに対するただの個人的感想になってるんじゃ。

 あと、ところどころ赤文字だったり会話形式にしているけど、深刻な話が何だか軽く見える気がしました。

②急に旦那死ぬことになった!その時の私の心情と行動のまとめ

→急に旦那さんが死ぬことになり、実際お亡くなりになって大変だと思う。普通なら気が動転してしまいそうだけど、ここまで冷静に事細かく覚えていて書き記せるのはすごいなと思ってしまった。

 ただ、死という深刻な話を扱う中で、会話形式の本人と旦那に使ってる写真会話内容が少しふざけてるのかと思えてしまったのが残念でした。あと、言葉かいが少し幼稚に見えました。

 この話も、ところどころ太字にしていたり色文字にしていたり、読みやすく工夫しているんだろうけど、なぜか言葉使いと併せて軽く見えてしまいました。

 だけど、本人曰く、暗く嫌な話で、今思い出しても涙が出てくるのに、清々しいくらいさばさばと書いているのは感心しました。(笑)の多用とか。僕だったら、悲しくてこんな風にライトタッチで書けません。

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

タイトルにあるカタカナ3文字で、僕が決して触れることのない世界だと分からせてくれて良かったです。

 ただ、根本的に僕は受け付けない話でした。

 人生を教わる相手が間違っているし、教わっている内容は人生じゃない。

 “充実感のある仕事”。そんなこと、言われなくても分かってる。それに、言ってる人間が間違っている。説得力が微塵もない。よく真に受けれたなと感心しました。

 この人、何の仕事してるんだろ。詳しく書いてくれたらいいのに。

 

電車に轢かれて脚を丸ごと一本切断したサラリーマンが、半年義足職場復帰した話

→今週の読んでよかったランキングというのがあり、その1位も読んでみました。

 どうして電車に轢かれたのか、何で書いていないのかが良く分かりませんでした。事故などで障害になり、それを克服することは素晴らしいことだと思います。けれど、もしもこの人がお酒に酔って転落した、などというのであれば、悪いけど、自業自得でしょ。ちょっと違うんじゃないかな。なぜか24時間テレビを思い出しました。

○総じての感想

 確かに1つ1つのストーリ自体一見して“感動的”に映りました。けれど、なぜだろう、書き手読み手、そして双方を含めたサイト全体が、結果としてその感動を軽く扱ってしまっている気がしました。タイトルや文中で使われるカラーの文字や太字などが話しを誇張気味に書いているように見せて、途中の会話形式の使用や、まるで決められた設定のように最後に教訓めいたまとめを必ず書いているところ。何よりも、話の中の重要事実の背景が省略されていたり説明不足だったりするところが読んでいて不思議でした。冷静に読んで色々と考えてしまう僕が変なのかもしれません。もっと軽い気持ちで読むと軽い感動が味わえるのかもしれません。そう思いました。

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