はてなキーワード: 親馬鹿とは
女って、なんでAGE嬢みたいなのに憧れるんだろう。
もっさりつけまつげして
服はまさしく風俗嬢そのまんま。
本職ならそれはそれで別に気にしないんだけど
でもまあ、別に好きでやってんだからどうでもいいや
って他人事みたいに思ってた。
ちなみに嫁もそういうのが嫌いなタイプ。
が
俺、娘がいるんだ。
そういう家の子は幼稚園児でもブリーチしたりパーマかけたりしている。
運動会とかで実際に目の当たりにしたりしていた。
休日に近くのショッピングセンターでばったり会うと子供が化粧してたりして
ありえねぇ…って思ってた。
でも、それだって他人事だ。
嫁は子供がかわいそうだって言ってるけど、仕方ないだろって思ってた。
他人事だったんだ。
娘がXXちゃんみたいな可愛い格好したい!って言い出すまで。
一重で、ぱっちりした黒目がちの瞳で
黒くてまっすぐな長い髪。
それが、嫌だと言い出した。
遅かれ早かれ、こういう出来事は来るんだろうと思う。
娘の説得は嫁に任せてあるし、今の所はおかしな格好をしていない。
けれど、何時か娘も自分のしたいお洒落を通す時期がくるんだと思う。
だから、なんで女(というか女向けのトレンド)は
風俗っぽいのが多いんだ、と思ってしまう。
他人がどんな格好をしていても構わないけど
身内は、しかも自分の娘は絶対に嫌だ。
だからといって、お父さんはそういう女の人を色々見てきたんだぞ
そういうのと同じ格好はやめてくれ
…ともいえないジレンマ。
娘を持った父親はどうやってこの気持ちと戦ってきたんだろう。
どっちも嫌なんだぜ…。
http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/suzukinao/status/5699705145
つったらさ、動画に検索用メタ情報をリアルタイムで付け加えるって話になるんだと思うけど、、、
至難の業だよな。つっか人力にせざるを得ないっていう?
想像してみ。「今人気(高視聴率)のタイムチャンネル」とか「出演者情報」以外でなんかメタ情報出せる?
画像解析?今そんな進んでんの?
「昨日のジャーマンスープエイプスホールドが見たい」→「o月x日 ジャーマンスープエイプスホールド」→出る気がしねえ。
ジャリもデジタルネイティブ(って言われてる。そういう世代に落とし込んで儲けの種に利用しようとされている。親馬鹿(褒めてないよ)でもいいんだけど)なんだけどやっぱお脳の方もジャリだから検索したい言葉を想定できないはず。
「『あれ』が見たい」だよな。
そこなんとかなんねえかな。
ノンテキストネイティブ、とでもしとこか。「アレ」で表現できる世代に落としこんどこかーね。
いやそんなのいつの時代も「ワカモノ」なり「オヤジ」つってさんざんぱら言われてるか。
んなこたねーだろ。
地域社会が今よりまともに機能していたころは、若者に何らかの仕事を振れていたし、技術が未発達だったために「必要とされる能力」のハードルが低かった(ごく普通の能力さえあれば畑仕事くらいはできるもんな)。
横だが、「必要とされる」の意味が食い違っているように思う。
この前の増田と二個前の増田が言ってる「必要とされる」は、二個前の増田がこういってるように
馬鹿みたいに人が溢れてる街で、他の人ではなく、あえて、あなたを選ぶ理由って何ですか?
他の人にはできなくて、あなたならできることって、ありますか?
ないなら、どうしてあなたが必要とされるのですか?
「他の誰でもなく「あなたが」必要とされているか」といった意味での「必要とされる」であり
お前が言ってる「必要とされる」は「歯車の一つとして必要」的な意味での「必要とされる」。
後者ならば、別に今の若者でも、いくらでも「ごく普通の能力さえあれば畑仕事くらいはできるもんな」的な、バイトはいくらでもある。
俺の考えとしては、
昔は人権という概念も無かったし、できてからも根付きが甘かった。
だから「別にお前じゃなくてもいい」「歯車的」な「必要」であってもそれは当然の話であった。だから悩むこともなかった(いや、悩んでた奴もいたのかもしれんが)。
今は逆で、人権の思想を学んだり「歯車なんかになるな」なんていわれたり、それぞれの個性とか言われたり親からも昔から比べると親馬鹿気味に育てられる(それが悪いとかでなく)。が、社会に出てみると現実はその理想の思想にまだ伴っていない。ということでギャップが生まれる。悩みが出てくる。
その上、今の若者はそういったことにたいして(いい意味で)青臭い反論や、運動をすることを「カッコワルイ」と思ってる節がある。実際、若者が「歯車じゃなくて俺・私を俺・私として認めて欲しい!」とか言えば、「ハァ?なに甘いこと言ってんだよ」「大人になるってのはそういうことだ」「全く最近の若者はうんたらこうたら」「ゆとり教育が招いたあれでしょうか…若者は仕事をどうこう…」とかマスコミを代表とする「大人」にめっためたに叩かれる。そもそも大人たちがそう言う教育をしてきたこと・まだ若いということには言及しないまま「甘い」というレッテルをただ貼って終わる。動こうとしても大人という世間はすぐそうやって若者バッシングをして終わらせようとする。(といって、「だから動けない」といえば、それはそれで「若者ならこんなバッシングを乗り越えろ」とか「このくらいでダメになるようじゃ、どうせ何やったってダメ」と勝手なことばかり言う。全くどちらが大人気ないのやら)そりゃまあ、「何やっても無駄」感が出るわな。歯車は嫌だけど、それを嫌だといっても大人にバッシングされる。だったらもう刹那的に快楽を求めようとなる。
若者話をするとき忘れてはいけないのは、どんな若者が生まれても、それを生み出した・そういう教育をしたのは大人達ということだ。すぐ若者批判をする大人達は自分たちには微塵の責任も無い、若者が今の若者になったのは若者だけの責任だと思っている節がある。それが最もいけない。責任は寧ろ大人にある(若者に皆無とは言わんが)。人は勝手に育つ訳じゃない。
http://amebabbs.ameba.jp/thread/SQEgDpGiF8lN9RWvNISoK5/
現代の若者だけじゃなくて、そこそこいい年した大人とか、子供いる主婦とかも使ってる人見る。で、読みにくいって言ったら、主婦に小文字位でガタガタ言ってる人って、くだらないし、心の狭い小さい人だよねと言われた…ちなみに私は高校生。
ああいうのがテレビやネットで子どもの名前とか写真名前晒せる馬鹿親になるんだろうか(注・「親馬鹿」に非ず)
それはともかく、先日も(ネットの表記に関して)すごくきちんとした高校生を見たので、「中高生=読みづらい文字」でひとくくりにしちゃいかんなと思った今日この頃。
うん、子育て中だが(今は3歳になった)、外出に誘われたら必ず「子供付きでOK?」と聞くな。子連れでできることってあまりに限られるし、移動するにせよ何にせよいちいち時間がかかるし、その上何が起きるかわからない(2ヶ月くらいならまだかわいいほう。歩き出したら四六時中追っかけ回してろくに会話も楽しめない)から、相手にも覚悟してもらわないと。
一方で親馬鹿的に、見せて回りたいって気持ちがあるのは確か。2ヶ月だとまだそのへんのバランスが取れてなかったのかもね。特に初めての子供で、かつ親など子育てを知ってる人と同居してない場合、最初の数ヶ月は生活がしっちゃかめっちゃかになってて冷静な判断ができない。ひとまずは浮かれてるんだなあと思って眺めておいて、ちょっと落ち着いた頃を見計らってそれとなく伝えるといいかもね。あと親馬鹿ビームが出ている状態の時に何を言われても真面目に取っちゃだめだよ。あれは脳内快感物質が出まくってラリってる状態なのだから、聞き流しておくのが一番。
小学生のころ→「あいつ完全に名前負けしてねぇ?wププwwwwww名前に顔が追いついてないwwwwまどか(仮)だって笑えるwwwwwそんな可愛くないしwwwwwww豚子でよくねwwwwww」
中学生のころ→「なんであいついるの?w」「ちょwおい皆ー!キモい豚がいるぞー!w」(弁解するようだが、私は太ってはいないはずである。ブスだが。)
給食当番時、白い帽子に前髪を全部いれていたら(本当はそうしなくてはいけないのだが、他の女子は皆前髪入れるとオシャレじゃないと、それを嫌がり前髪をキレイに出していたのでそうしているのは自分くらいのものだった)「だっせぇwwww」「ありえなくねwww」「ブッサイクがますますブッサイクになるからwwwやめてwwwwほんとwwww」「つーかさーお前なんで生きてんの?」「あー、○○さん!今日もキモいねぇ!^^」<クラスの皆がいる前でやけにハツラツと
その言葉を無視すると「何wこいつwいっちょまえに無視ですかwwwwwww」「ていうか豚だから人間の言葉が聞こえてないんだろw」
「ハイハイ……」と返事すると「ハイハイwwwwだってwwwwwwキモwwww」と何がそんなにおかしいのか、若いものは箸がころげても笑うって本当だなという勢いで笑っていた
そして高校生のころ→初めてまともに話してくれる男子が現れた。同じ委員会に所属している人であった。話すといっても業務上のことしか話していないのだが、唯一「その本図書館で借りたの?」「あ、うん。さっき休み時間に」「へぇー。図書館って俺行ったことないんだよね。人いる?」「そこそこいるよ」という会話をした。生まれて初めてまともに男子と雑談なるものをした瞬間であった。(っていってもこの4語だけだが)
そしてその男子にあるとき呼び出された。昼休みに行ってみるとその男子に告白された。嬉しいとかなんとかいう以前にただただ驚き、また同時に心のどこかで「ていうか、これ嘘じゃね?」と冷静に考えている自分がいた。結果から言うとやはりネタであり、私はからかわれただけであった。すぐに他の男子たちが横から出てきて「よくがんばったお前ww」とその男子を慰め、私には「あごめんね○○さんこれ罰ゲームだったんだわwwww今の嘘だから忘れてやってwwwww」と言った。進学校の高校生だけあって、中学時よりはまだ罵倒ぶりがマシである。一応ごめんねと言われているし、それ以上絡まれることもなかったし、ある程度「嘘じゃね」と覚悟していたのもあり、その日一日ちょいと落ち込む程度で済んだ。あの男子を好きになっていなくてよかったなと思った。
小中高と常に、先生の「じゃあ適当に二人組になってー」とか「遠足・修学旅行のグループ、とりあえず適当に好きなもん同士集まってみろー」というのはとても苦しかった。適当にって。好きなもん同士って先生よ。先生、あんたも私くらいの年齢だったころがあったろうに、何故「好きなもん同士」がいない人間の気まずさが分からんのだ……無いとは思うが万一私が先生になったらば、必ずこう言おう、「グループは先生が番号順で決める」と……と決心したりもした。そして当然あぶれ、男子からは「あいつまた余ってるwはずかしw」と言われたりしていた。
何故こんなにブスに生まれてきたのだろうなあと世界を嘆いてみたり、自殺したらどうなるかと考えたりもしたが、数秒後に必ず「いや痛いのは無理。下痢の痛みが私の耐えられるピークだわ」と自己完結していたため全くリスカなどしたことはなかった。大体「何故ブスに生まれたのか」なんつっても「偶然です」としか言い様がないし、ブスに生まれたというより、私のこの顔の造形を「ブス」「劣ったもの」「醜いもの」と見なす社会・時代にたまたま生まれたといった方が近いのではないか……と妙に冷静に考えていたため、「どうしてブスに生んだの!」と親に当たることもできず、ただただ陰湿に自室で、集合写真の自分の顔部分だけをカッターでギタギタにしてみたり、マジックで塗りつぶしてみたりしただけであった。親に一度その光景を発見されてしまい、カンカンに怒られてしまった。「なんでこんなことするのか」「こんなことしたら将来自分の小さい時の写真がなくて後悔する」と言われたがその時には将来の自分が写真を見て懐かしむことを考える余裕はなかった。「なぜこんなことをするのか」は幾度となく親に聞かれたが、ちょっと待って欲しい、親に面と向かって「自分の顔がブサイクすぎるのが嫌でこうしました」などとどうして言えようか……情けないわ恥ずかしいわ、親は傷つくだろうわ……とても言えやしない。それでもちょっとだけ言ってみたこともあるのだが、その時は「あんたは全然ブスじゃない。可愛いよ!私の子なんだから!」とか恥ずかしげもなくあけすけに言ってくるので、色んな意味で恥ずかしくいたたまれずとてももう言う気にはなれなかった。世間からズレた親馬鹿ぶりを子が受け止めるのは難しい。「お母さんはそう言うけど残念ながら私はどう考えてもブスの範疇っすよ……親としてそう言ってくれるっていう気持ちはありがたく受け取りますけどそんな目輝かせて言われても……純粋な平和主義者みたいな目をして言われても困る……実際問題現実はそうじゃないわけで、申し訳ないが『全然活躍していないのにやけに運動会で張り切ってビデオをまわす親』を30倍にしたような恥ずかしさがあるよ……いたたまれねぇ……」「可愛いよ!」「(ひぃいやめてくれ、もうわかったわかったから)」どうも娘がブサイクについて悩んでいるという事実を彼らは正面から受け止めることを嫌がっていたように今は思う。だからキレイな建前論で押し通したのだろう。
そして大学生になった。流石に低レベルないじめ?のようなものは減った。やはり中高と違いクラス的な概念がほとんどないためなのだろう、一人でいる学生も多い。私が孤独でもあまり人は気にしていないようだった。それでもすれ違いざまに「ブース」などと言われることは週に一度程度あったが、「おぉ…今月は多めだな。これで6度目だ」と思えるくらいには冷静に対処できるようになっていた。別に傷ついていないわけではないのだが。
昼は一人だ。今更昼を一人で食べることに何の寂しさも感じない。大学ではそんな人はいっぱいいるので楽勝も楽勝だ。小学生の時最後まで残しておいた冷凍みかんを男子に勝手に食べられる、スープに牛乳を入れられる、食事中「きめぇwなんか豚が豚食ってるw共食いw」と言ってくる、机を私のだけくっつけさせてくれない(班で食べなきゃいけないのに)、給食セットのセンスを散々バカにされる、等の被害を考えると「たかが10倍の重力など俺には何も感じない…」というベジータのような心境になれた。
大学生になって二度ほど、「こんだけブスなんだからヤらせてくれるだろ」といった感じの男子に声をかけられたが、私がヤらせないということが分かると「何ブスの癖に調子のってんの?w」「お前の下半身って守るほどの価値ないだろきめーな」等という捨て台詞を吐き、彼らは去っていった。確かに客観的に見れば価値は無いだろうが、私からすればあるのである。ほとんど全ての男性が私には価値など見出さないであろうからこそ私くらい価値を見出してやらねば可愛そうではないか。こんなのでも一応毎月血を流しているのである。せっせとありもしない子作りのため私の身体はDNA通りに頑張っちゃっているのである。健気である。脳内で擬人化すると結構萌えられた。
とある知人の女性に、私が「恋愛とか結婚とかもう第二次性徴期が始まる前に自然と諦めてたお」と思っている事を見抜かれ、説教されてしまった。諦めちゃダメ!せっかく女性に生まれてきたんだから恋を楽しまないと。子供だって産みたいでしょ?いい男性を探さないと!と背中を叩かれた。うーん。別に「私の劣悪な遺伝子を残したくない」とかいうわけじゃないが、特に子供産みたくないし、恋愛も、とくにしたくないのだがなぁ。これを言うと「全ての男性がそうではない、そんな事言うな」と言われちゃいそうだが、正直男性に何の希望も抱いていないのである……まともな男性というのが存在するのなら、これは誠に失礼な物言いなのだが……如何せん私が会ってきた男性というのは上のような人たちばかりなために、いくら人から「そうじゃない人もいるよ!ポロリもあるよ!」と言われても、「でもどうせ君達に優しいその男性たちも、私を見ると「ブースw」ってなるんちゃうかねぇ…」としか思えないのだ。知人の女性は「どうしてそんな哀れな思考しかできないの」と言う。まあ確かにそうなんだろうけどね。困ったね。はぁ。
フーッ。
話が全然まとまってないけど吐けてよかった。増田は何でもかけていいね。
追記。
そういえば、小中と先生は全く助けてくれなかったのを思い出した。あれはほぼイジメだったと思うし、数々の罵倒は先生の目の前で、教室で行われていた為、先生は知っていたはずである。男子の声は大きかったし。それでも先生は必死に窓の外を見たり給食を一生懸命食べてるから、わかんないよ的なポーズをとって見知らぬフリをしていた。目が合ったこともあったのだが。
一度「キモいとか色々言われる」ということを小学六年生くらいのとき先生に言ったことがあったのだが、その時に「このくらいの男子はそういうものだ。いちいち傷つくあなたもどうか。あんなものは流せばいいだけ。大体、他の女子はそんなこと言ってこない。あなただけそんなに言われるということは、あなたにも何かそういわれるようなことをしているのではないのか」「…でも、言われるっていっても、ブスとか、キモいとかなんですけど……言われるような事をしてるっていってもいるだけでキモいというなら私はどうすればいいんでしょうか?」「そんなの先生に言われても分からない。そんなことは自分で考えなさい。すぐに人を頼るな」「死ねってことでしょうか?」「どうしてすぐそういうことを言うのか。極端だね。だから、男子にバカにされるんじゃないの?」「……」
というやりとりで終了したため先生というものに基本的に期待を抱いていなかった。私にとって先生というのは、時間になったら黒板の前で指導書か何かの要点を書きそれを生徒に書き写させるという書記マシーン以上の何者でもなかった。全く効率の悪い授業もバカらしかった。教科書に書いてある事をそのまんま読んだり書いたりして何になるのか……とこれは本題からズレてしまうが。
私が家族を持つことにしたきっかけは会社の先輩が見せてくれた自分の子供の写真と「子供はかわいいぞ」の一言だったと思います。十数年前の彼への賛同と感謝は今も変わりません。
「気持ちいいことしただけの奴が偉そうな顔するな!」
昨日の晩、娘がそう叫んだとしてもやはり。
張り上げたきれいな声で流れるように放ったその一言は前々から準備され機会を狙っていたのでしょう。適切なタイミングで完璧なアクションを伴っていました。娘はテーブルに手を叩きつけ立ったまま私を睨んでいます。彼女が誇らしい気持ちでいっぱいでしたが、父親としての役割を思い出し、その感情を胸に秘めたまま口ではこういいました。
「気持ちいいことの結果としてお前がここにいるんじゃない」
そろそろ彼女も次のステップに進んでいいと思い、さらに続けました。
「気持ちいいも何も、父さんは童貞だ」
「なっ」
意味するものは知っていたようですが、反応に若干タイムラグがありました。どうやら日常的に使われている言葉ではないようです。安心しました。
「馬鹿いってんじゃねーよ!おか……くそばばあがいるじゃねーか!」
根はいい子なんです。
「お母さんをそういう風に呼ぶんじゃない。お母さんとしてわざわざ派遣会社から来ていただいてるんだ。お前には共働きと言っていたがお母さんにはプライベートの家庭がある」
「いやですよお父さん。プライベートの方は5年も前に破綻して、今は契約家庭をダブルヘッダーです」
「え……」
絶句した娘から母親に視線を移すと、いつも適切に微笑んでいる彼女の目が笑っていませんでした。まずかったかなという顔を私はしていたのでしょう。口の形だけで「あとで」と言われました。
「ふざけんな!じゃあお母さんの親戚は何なんだよ。睦月おばさんは?!」
本当に頭の回転が速い子だと思うのですが親馬鹿といわれるでしょうか。
「睦月さんは人権保護NPOの方だ。具体的にはお前が虐待されてないか、私を監視する役割の人だ。だいたいお母さんのほうの関係者は派遣会社かNPOの人たちだな」
「新潟のおじいちゃんおばあちゃんは祖父母派遣サービスですけどね」
「じゃああたしはどっから来たんだよ」
「いまさら血のつながりだとかDNAだとかに意味はないだろう。お前は私の子だ。あえて言うならカモノハシがつれてきて……」
娘は椅子を蹴倒して自室にこもってしまいました。
「まずかったかな」
私は恐る恐るお母さんのほうを見ました。
「時期としてはそろそろだと思ってましたけどね。タイミングは最悪に近いですね」
「すみません」
「あの子のフォローはできる限りさせていただきますが、こういうことは本社のカウンセラーを通していただかないと」
「わかりました。ところでお母さん」
「はい?」
「5年前、何で私は夫婦契約を申し出たりしなかったんだろう?」
「されましたけどお断りしました」
「そうでした」
昔と比べて今は家族形態も随分フレキシブルになりました。私が子供の自慢をしたときの先輩を含む周囲の反応は今でも強く印象に残っています。唯一の理解者であった同僚は今では派遣業界のトップにたちました。
娘は今朝、口もきいてくれませんでした。
翌朝狼狽する家族を尻目に何食わぬ顔で起きてきたまではいいものの、
なぜか俺の持っているものは何でも「食べ物」だと認識するらしく、
俺が投げる雪をことごとくたいらげ、夜中に下痢&お漏らしで大騒ぎ。
しなもん会長と同じ犬種だったから超短足で、雪が降った日にはよく埋もれていた。
一度、記録的な大雪(と言っても雪国ではないからせいぜい1Mくらいなのだけれど)の時に
完全に埋もれて行方不明になった。10時間後に除雪車に乗って帰ってきた。
自分を犬だと思っておらず、他の犬が来ても挨拶をしようともしなかった。
でかいドーベルマンをずっとシカトしてたら向こうがキレて、首根っこかじられたまま
思いっきり振り回されたこともある。さすがにその時はビビった。
犬とは仲良くできないくせに、なぜかベランダのカラスとは仲良くなっていた。
「カー」「うわぅ」みたいな会話をしていたのを覚えている。
祖父と地震を何よりも恐れていて、祖父が来るのが分かると(祖父は足が悪いので足音で分かる)
真っ先に自分の寝床に戻って寝たふりをした。祖父がいなくなるとリビングに出てくる。
地震が起こるとパニックを起こし、必ずと言っていいほどおかんのベッドの中に逃げ込んだ。
その度におかんの布団を毛だらけにして怒られていた。
夢を見ることも多いらしく、よく寝言を言っていた。ひどい時は寝ながら足をバタバタさせて
キャンキャン鳴いていた。何に追われていたんだろう。
俺が帰ると必ず2階の階段から顔を出して「お帰りなさい」をした。
「遊ぼうか?」と言うとボールを咥えてきた。
「散歩?」と言うとロープを咥えてきた。
そう、全然「馬鹿」じゃない。俺の親馬鹿かもしれないけど、むしろ賢い部類に入ると思う。
よほどのことがない限り実家から連絡は来ないので、何事かと思って慌てて電話に出てみると
母親が掠れた声で「愛犬の死」を伝えてきた。
原因は「地震にびっくりして階段から落ちたこと」だそうだ。その時に頭を打ったらしい。
直後は何もなくピンピンしていたのだが、少しずつ脳から出血していたらしく、翌朝母親が
起きた頃にはもう虫の息だったそうだ。
幸か不幸か、弟二人もたまたま実家にいて、俺以外の家族全員に見守られながら静かに逝ったらしい。
この報を聞いた瞬間、悲しみよりも前に「ああ、うちの愛犬らしい間抜けな最期だな。」と思った。
うちの愛犬は馬鹿だった。物凄く馬鹿だった。「地震に驚いて階段から落ちて死ぬ」なんて、
今時お笑いのオチにもなりゃしない、物凄く「馬鹿な死に方」をした。
あいつは俺と出会った瞬間からその最期まで、一度だって俺を悲しませることはなかった。最期の最期まで。
■2013.6.22