はてなキーワード: 蝉しぐれとは
この動画を見ていると、なぜかとても懐かしいような気がして、胸が締め付けられる。ある夏休みの日、学校の図書館に本を返しにいくような、永遠に失われてしまった時間がどうしてか今近くにあるような気がする。蝉しぐれ、日差し、水路の流れ。失われた時というやつはいつも夏の顔をしていて、時に知りもしない少女の追憶へと私を追いやる。
ちふゆさんはいったい、何県の何中学校に通っていたのだろう。彼女の部屋はどんなのだったのだろう。好きな小説、お気に入りの音楽はなんだったのだろう。メール友達がいたかもしれない。なぜか千葉や埼玉の郊外に住んでいるような感じもする。どれも知る由もないが、たしかにそこにいて、おそらくは今も、今もどこかで暮らしている人を思うと、どうしてか本当にかなしい気持ちになる。
どうしてか永遠に交わることのない人たちが大勢いるという当たり前の事実を前に、胸が空っぽになる。知らない街、知らない学校、知らない校庭、知らない日々を思うと、得体の知れない喪失感に打ちひしがれる。夢の世界で知らない風景を見て起きた時の、あの忘れゆく記憶を辿るようなもどかしい感じがする。ただ一つ確かなことがある。彼女には逢うことができない、永遠に。
彼が遊びにきた。年下のすごく可愛い、賢い子。
一緒にiPadを見ながら次にデートに行く場所について話していると、「キスしていい?」と彼が顔を寄せてきた。
その日は久々に会えたから、お互いの唇にすごく夢中になった。
ふと見つめ合った時、蝉しぐれが響いていた。
この前ふいに、「あなたが一番愛した人は誰ですか?」と聞かれた。
元彼は、見栄っ張りで不器用で斜に構えてて、そのくせ効率悪くて生活能力が著しく低い、言ってしまえば「カッコ悪い」ヤツだった。
最初は私に対しても斜に構えていたけれど、意地悪なあだ名や不器用なりに私に尽くそうとしてくれるような態度でなんとなく愛を見せてくれるようになった。
すごくピュアで人のことが大好きなんだけど、自分に自信がなくて見栄を張ってしまう彼がどこか放っておけなかった。
でも私が世話を焼くと彼のためにならないし、生活能力の低い彼と長く一緒にいるビジョンが湧かなくてお別れした。
彼は「別れた女とは連絡を取らないって決めてる」と言った。私もそれは守ろうと思って、彼とは一切連絡を取っていない。
もう引っ越したと思うけど、彼が住んでいた築40年のアパートはお墓の近くにあって、夏はものすごい蝉しぐれだった。
だらしなく昼頃に起きて、枕元でパンをかじりながらワイドショーを見て、飽きたなと思った瞬間に見つめあってキスをする、そんな週末をいつも過ごしていた。
そんなだらしなくてダメな私を、目の前の彼は元彼のように許容してくれるだろうか?
目の前の彼は、私にカッコ悪いところやダメなところまで見せてくれるだろうか?
目の前に彼がいて、蝉しぐれがうるさくて、私の心は少しざわめいた。
「大学教師が新入生に薦める100冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」のCSVファイルを重複排除・ソート。出現数3回以上だけを抜き出してみた。記号が統一されていなくて漏れてしまっているのもあるかも知れない。(ゲーデル、エッシャー、バッハ─
の長音風記号はなぜか統一されていて、Amazonでも全く同じ表記)