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2022-03-25

一人の女性人生をめちゃくちゃにしたかもしれない話

大学生ときホストバイトをしてた。理由留学資金が欲しかたから。大学上京させてもらったが、留学資金までは頼れない。長期留学奨学金は高倍率だし採用されるかどうかわからない。というわけで大学にも慣れ、実験演習などのハード講義が終わり、成人したタイミングホストを始めた。未知の世界だったが、先輩たちはとにかく優しかった。よく漫画とかドキュメンタリーで見る新人ホストがしばかれるのはヴィジュアル全盛期だった昔の頃の話。今は人材確保のためにどこのホストお客様よりプレイヤーを何より大事にする。

お店は歌舞伎町スーツスジ盛りではなくマッシュヘアに私服みたいな感じでチームに別れて接客する。最初は同じチームのリーダーや先輩のヘルプについて仕事を覚えるのだが、すぐに慣れた。先輩やお客様の話に相槌を打ちながらお酒をつくり、水滴のついたグラスを三角おしぼりでふき、先輩に振られた話題で話をしてお酒を飲む。酒は弱かったがうちの店では内勤に「もう無理」と伝えるとそれが共有されてそれ以上飲ませないというふうになっていたため続けられた。さすがに睡眠時間の確保と授業との両立はずっと課題だった。

初回の女の子バンバン入ってくる店だったため、その子から指名を貰えるように交代でついて盛り上げる。外でのキャッチナンパの代わりにマッチングアプリを使ってた。あとインスタにファッション自撮り投稿して、DMをくれた子と仲良くなる。その中で出会ったのがタイトルの子。目が大きい大人しい子だった。地方女子校から女子大に入り一人暮らしをしていた。親と高校が厳しく高校時代彼氏もいなかったそう。すぐに仲良くなって付き合い始めた。自分ホストをしていることは話していた。理由は「家が貧乏仕送りしながら学費も払っている」と盛っていた。リーダーに教えられた通り彼女の家に歯ブラシ、充電器、整髪料と徐々に自分私物を増やしていった。最初普通にデートしていたが、会うのは休日だけ→仕事前にコメダで話すだけ→仕事前に御苑散歩だけ、と段々会う時間や頻度を減らした。彼女文句を言った時には「仕方ねえだろ!うるせえな!」とキレた。良心が傷んだ。

結局彼女は俺に会うため店に来てくれるようになった。そして仕事帰りに一緒に帰るためにたくさんシャンパンをいれ、他のお客様と俺がアフターに行かないようにしてくれた。仕送りはかなり貰っていたが、一番安いシャンパンで5万円からなので当然すぐに足りなくなる。ガールズバーピンサロデリヘル避妊なしのソープ大学中退となるのは一瞬だった。彼女風俗に来る客と外で会って裏引きもしていた。一年半で彼女が使ってくれたのは総額2000万円くらい。正直うちの店ではたいした金額じゃない。先輩には一回で700万を超すブランデーをいれるお客様もいたし、俺にももっと使ってくれるエース別にいた。元アイドルのその女の子はたくさんのパパを囲っており、ファンからは「この子は何をしているんだろう」と心配されているのだが、彼女イベントでも躊躇う金額をその子は「ええよ~」と掛けなしで払った。

大学卒業が決まったタイミングホストを辞めたが、このタイミングで振られた。彼女には別の店にも担当ホストがおり「ホストじゃなくなった俺に魅力ない」とのことだった。ホスト生活友達ほとんどおらず留学準備もせず、卒業までの期間をぼーっと過ごして卒業した。その後コロナ禍となり、準備すらしていなかったが留学はなくなった。俺は歌舞伎町喧騒から静かな生活というギャップ半年くらい実家で抜け殻のように過ごし、再び上京して今の会社就職した。仕事は充実しているし、同僚たちとも仲良くやれている。

なぜこれを書こうと思ったかというと、ついこの間歌舞伎町彼女と久々に会ったから。風林会館の前で脱ぎやすい安物ワンピースに不釣り合いなブランドバッグという風俗スタイルで泣きながら電話して歩いていた。電話相手は多分ホストスカウト無視しようと思ったが、バレた。彼女から「久しぶり」と言われた。適当に返事を返し話していたが、スマホを持つ彼女の腕にえぐったようなリスカ跡を見つけてしまい、気分が悪くなって無理やり解散した。その後昔の先輩がホストを辞めて開いたバーで飲んだ。コロナで売上は悪いらしい。先輩にそのことを話すと「お前が最初ホストだったからそれくらいで済んだんだよ。他のホストに捕まってたら死んでるか捕まってるよ。まあそう思って気にするな」と言われた。今更できることはないので、そう思うよりほかない。

 
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