はてなキーワード: シモ・ヘイヘとは
シモ・ヘイヘは光が反射しないように気を付けてたって話あるしそうなんじゃね?
今回はとなりのヤングジャンプでも読める、シンマンGP2018のエントリー作品。
主人公の秘密は、ストーリーものに慣れている人が警戒して読めばすぐに見当がつくから、前半すぐに明かしたのは割り切ってるなあ、と思った。
プロットとしては、読み切り作品だと定番な「隠された力を持った主人公が、土壇場になって奮起する」みたいな話。
その隠された力が、敵側の力だっていうのも今日び珍しくないかな。
本作はそのことについて前半であっさりと明かされる構成だから、どちらかというと主人公がそのことで葛藤するのと、取り巻く環境(世界観)について楽しむ感じだろうか。
主人公の葛藤については、死が怖いからというよりも、周りからのプレッシャーや、自分の隠された力を使うことで人としては死ねない、といった具合にちゃんと練ってあるのは好印象。
ただ、まあ、話の軸となっているのが主人公の葛藤になっているのは良くも悪くもって感じだなあ。
結果、他の鬼殺隊の活躍する描写が皆無に近くて、妙に設定とか作りこんである分、無駄な情報を羅列された印象を与える。
話の構成上、善戦させたらダメだってのは分かるし、前半で語られた背景と齟齬があるわけでもないけれども。
まあ、批評とかそういうの抜きにして、単純に今回の企画を楽しむ(期待する)上で、エントリー作品のレベルの高さを見せるスタートダッシュとしては申し分ないと思う。
タイトルで察しがつくけれども、いわゆる“ナントカ系女子○○さん(ちゃん)タイプ”の漫画。
常識人の男子と、特定の知識やスキルに特化した非常識な女子が主役ね。
プロットの都合上、絵の動きが少なくなりがちだから、主役の女子に「サバイバル」という要素を付与したのは良い判断。
おかげでアクションシーンを描く理由が出来て、作者が画力をある程度見せることに成功している。
女子が披露するちょっとしたウンチクとか、奇抜な言動によって発生する嬉し恥ずかしのイベントとか、コレ系の漫画の要所は抑えているし。
強いていうなら、主役の鯖井の言動がやや悪目立ち気味かなあ。
作中での主役、目立たせるのは女子のほうってのは分かるんだけれども、男子が紋切り型の巻き込まれ役って感じなのもマイナスポイント。
まあ、全体的な印象としては、作者の力量を見せつつ無難にテーマをこなしたかなあって印象。
うーん、こういうのって判断に困るなあ。
本作がシンマンっていう、「連載権をかけた賞」という土台に乗ってなければ、もっと評価したいんだけれども。
なにせシモ・ヘイヘを題材にした漫画って時点で、話の骨組みとしての面白さ自体は担保されているわけで。
素材が良いから、作者がよほど無能でもない限りは、そりゃ面白いだろうっていう。
本作のストーリーが面白かったとしても、それは作者の手柄だとは言い切れなくなる。
もちろん表現力とか構成力とか、そういったところでの評価は出来るけれども、そこと完全に切り離すのって難しいよね。
題材選びも含めての作家の実力と割り切るなら、まあ面白かったかなあ、と。
絵やコマ割、演出などの表現力の面では小奇麗でもそれだけって感じだし、テーマもそこまで深くないしね。
ただ、感想書くときに改めて読み直してみると、中々にあなどれないとも感じた。
話は主人公とヒロインの学生生活での表面上の関係性と、プライベートでの秘密の関係を対比させつつ描いている。
で、この「プライベートでの秘密の関係」というのも、学生生活とはベクトルが異なるだけで同じく表面上のもの。
けれども、ここに主役同士の対立を軸にすることで、話を展開させつつ関係性が深まる理由付けをしている。
で、合間合間にちゃんと主役二人の設定や現状を説明しつつ、自分自身のポリシーや、互いのことをどう思っているか、というのも描いている。
そして最後には、二人の関係が初めの頃とは違い、少しだけだが確実に深まったことが分かる描写で終わる。
正直、ラストまでの展開は予定調和気味というか尻すぼみではあるけれども。
キャラクターの関係性に説得力を持たせる上で必要なドラマを丁寧に描いている構成力は、特筆して褒めるような作家の個性ではないにしろ、ここをしっかりこなしたことは個人的には評価に値すると思う。