2019-12-22

自カプ界隈が苦しかった愚痴

これはあくま個人愚痴だ。だから別に読まなくても良いし、途中で読むのをやめても良い。読んだ後はさっさと忘れてしまって良い。他人愚痴に心を煩わせることなんてない。きっと言うまでもないことなのだろうけれど。

本当はチラシの裏にでも書いておけば良いようなものだが、一度完全に自分の外に出してしまわなければ、私はいつまでもこのことを引きずり続けるのだろう。なのでこうして場所をお借りすることにした。

自カプのことをここではABと記すことにする。もちろん、私はAB界隈全域を俯瞰出来ていた訳でもないので、あくまで私に見えていた範囲の界隈の話である

元々、合わない界隈だとは感じていた。TLの話題の傾向だとか、敷衍している価値観だとか、そういったもの違和感が多々あった。

自分発言内容を理由に18歳未満のフォロー禁止するなら、まずは自分が鍵を掛けるべきではないかと思っていたし(フォローの有無に関わらずツイートは見えるし、ツイッターには13歳以上18歳未満が存在するのだから)、腐ネタエロ妄想を呟くなら作品名キャラ名を伏せるか、鍵を掛けて絶対に開けないようにすべきだろうとも思っていた(呟く際に鍵を掛けていてもその後に鍵を開ければ検索に出てしまうので)。

他にも色々思うところはあった。

そうした諸々で募っていた違和感が、決定的な嫌悪に転じたのが、2018年3月出来事だ。

2018年3月両国公式イベントが開催された。アニメ版メインキャストの方々が揃って登壇するトークイベントだ。その際に公式ファンからの花を受け付けてくれたので、関係企業声優ファンクラブから寄せられたものと並んで、作品ファンからフラワースタンドが会場ロビーに飾られた。

原作者関係者ご一同宛のもの作品主人公キャラを模した造形のもの

そして、ABをイメージした二基セットのもの

見た瞬間に、これは駄目だろうと思った。一基はAをイメージした白いフラワースタンドで、A宛である旨のメッセージ付き。もう一基はBをイメージした黒いフラワースタンドで、B宛である旨のメッセージ付き。総勢20余名による力作だ。確かに出来は良かった。だけど、重ねて言うが、一目でこれは駄目だと思った。

だってその日はAB2人のトークイベントではない、オールキャライベントだったのだ。舞台の上には2人以外にもたくさんのキャスト達が揃っている。その彼らの前で、仮にも作品ファンを名乗る集団が、2人だけをピックアップして他の全員を蔑ろにしたのだ。

勿論、人には好みがある。好きな作品といえど、全てのキャラを等しく好きな訳ではない。好きなキャラがあり、あまり好きでない、或いは苦手なキャラもある。当然だ。だけどそれを公式イベントで、キャスト本人の目に触れる場所で表明する必要が何故あるのか。作品ファンであるなら、その作品に関わり、支えてくれる人に対して、払うべき礼儀があるのではないのか。

TLにはそのフラワースタンド写真が溢れた。関わった20余名が写真を撮って流し、彼女らのフォロワー達や同カプ同ジャンル界隈のクラスタ達がリツイート拡散していた。見える範囲の皆がこぞって賞賛を口にする一方、異議や批判は一つも見つけられなかった。

私も、何も言わなかった。否定を口にすればこの場にいられなくなると、咄嗟にそう思ったからだ。原作が好きで、カプが好きで、読みたい二次作品があり買いたい同人誌があり、書きたい話があった。まだこの界隈に居たいと思い、その為にこの雰囲気迎合して口を噤んだ。

そうやって口を噤んだ時点で、私も彼女達と同罪だった。

言葉を飲み込み留まった界隈は、当たり前だが、苦しかった。考えるまでもない。あのフラスタに、フラスタの贈り主達に、それを賞賛したTLに、日を追うごとに嫌悪が募った。

同じくらい、あの場で口を噤んだ自分が腹立たしく忌々しかった。けれど一度口を噤んでしまった私は、既に流れ去った話題を引き戻して問題提起する覚悟を持てず、結局そのまま口を噤み続けた。

今更でも、疎まれても、言えば良かったと今なら思う。言うべきことは言ったと胸を張っていられたなら、それで誰にどれだけ嫌われようと、きっとその後の一年半はもう少しましなものであっただろう。

私は口を噤んで界隈に留まり二次作品を読み同人誌を買い、自分でも書いて本を出しイベントに参加した。好きなジャンルで、好きなカプだ。好きなものに触れているのだから楽しいはずだった。

だけど二次作品を読んでいる時、或いは原作に触れている時にさえ、ともすればフラスタのことが頭を過った。あのフラスタについてきっと今後も一切問題意識を持たないままであろう界隈のこと。あのまま口を噤み続けている自分のこと。

以前にも増して交流消極的になった。自分からほとんど話し掛けず、TLへの浮上も減った。ジャンルのことを呟かなくなった。大半のフォロイーをミュートした。別ジャンルフォロワーとばかり話すようになった。別ジャンルの友人に会う度弱音を吐いていた。

そうやって一年半を過ごした頃、とある別の作品に触れる機会を持った。

しかった。何を煩うことも無く、ただ無心で作品に向き合えた。その際に別の、好ましくない何かを想起することも無く。

ああそうだ、楽しいとはこういうことだった、そう思った。楽しくて、楽しくて、同時に悲しくなった。楽しくなかったのだと、諦めるようにそう思った。

原作が好きで、キャラが好きでカプが好きで、好きな二次作品があり好きな書き手が居て、書きたいものを書いていて。好きなものに触れているのだから楽しいはずだと信じて、言い聞かせて、そのつもりで振る舞って、だけど本当はもうずっと私は楽しくなかったのだ。楽しいと思えることが一つも無かった訳はない、だけどそれを押し潰すくらい、どうしたって苦しかった。

ジャンルから目を背けるようにして新しいジャンルに傾倒した。その作品のことを考え、呟き、話を綴った。楽しかった。とても楽しかった。元ジャンルに未練はあったが、楽しくなかった、苦しかったのだと認めてしまった今、その苦しさの中で元ジャンルに向き合う気持ちを私は持てなかった。

そうやって過ごしていたある日、ずっと弱音を聞いてくれていた友人から最近楽しそうで安心した」と言われた。

もうやめよう、と思った。友人に心配を掛けてまで、苦しい場所に踏み止まり続けるのは不毛だ。誰と繋がらなくたって、好きな気持ちは嘘になんてならない。一人だからといって原作を愛することに支障など無い。付き合いなど無くたって作品は読めるし同人誌は買える。書きたいものをただ書くことに他の誰かは必要無い。だからもう、一人で良い。

決めてしまえば気持ちは一気に楽になった。

そうして別のある日、上記事情を何も知らない別の友人にも「最近楽しそうだ」と言われた。結局傍目にも楽しそうではなかったのだなと、やはり諦めるようにそう思って、もうやめようともう一度思った。

あの界隈とは完全に手を切ろう。そして一人で、まっさらな心で最終回を見届けよう。一連の出来事について考えるのも、この雑記最後だ。



願わくば、次は意を曲げて口を噤むことのないように。

好きな作品好きな人が何かを間違えたと思ったなら、それは間違いだとちゃんと諫められるように。

言うべきことは言ったと胸を張って、愛するもの大事に愛していけるように。

口を噤み続けた一年半は、私を幸せにはしなかったのだから

私の愚痴はこれで終わりだ。我ながら随分と独りよがり放言になったものである

ここまで読んで下さった方がもしもいるなら、きっとさぞ退屈だったことだろう。

この後はどうか、楽しいことをして下さい。楽しいと思える何かを大切にして下さい。

あなたがこれから過ごす日々が、どうかあなたにとって幸せものでありますように。

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