なぜ(元)なのかと言うと、今、自分ではどういう関係性なのかよくわかっていないからだ。
彼とは結婚を考えてた。
10年色んな事があった。
楽しいことのほうが多いと思っている。
まぁ、でも、よく喧嘩もした。
主には、よく見聞きするカップルのように、私が感情的になり、気持ちが落ち着いて、誤って仲直り。
そんな感じ。
理由は決まって「私のことを理解してくれてない。」「気持ちをわかってくれてない。」
喧嘩のお終いには「もう、続けていくのは無理だと思うから別れる。」
で2,3日後には「感情的になりすぎた。」と言って
もとさや。
そんな繰り返し。
半ば強引に、彼を急かして、会う算段をつけた。
でも、いざ、2日後に会う。となった日に、彼から「母親が会えないと言ってきた。理由は…、あまり言いたくないけど、言わないのも違うと思うから伝える。『その娘の家柄とウチはあわないし、私はうまくやっていける自信がないから。会いたくない。あなたもその娘の事が本当にいいのか考え直したほうがいい。まだ結婚だってしなくたっていい。』と言われたから、会えなくなった。」と、言われた。
もう3,4年も前のことで、正確になんて言われたのかは覚えていないけど、傷ついた。
元々、私は、自己肯定感が低くて、自信がないタイプの、おそらく世間的にはめんどくさい女だ。
それを差し引いても、なかなか心にくるご意見だった。このご時世に「お家柄」と来たか。
もう、全てが闇に包まれた気がした。
まぁ、わかってた。
私=海外育ちのハーフ、片親、父(自営)海外在住の派遣介護士、当時27歳
だとしても…
1回ぐらい会ってくれてもいいじゃないか。
会った事もない人をつかまえてよくそんな事が言えるな。しかも、元教師なのに。
と、当時は思ったが、会った事もないからこそ言えたし、会ってしまうと何も言えなくなってしまうかもしれないから、会う前に叩きのめされたのだろう。と今では思う。
それでも、強行突破会いに来るほどふたりの気持ちは強いの?と、試されていたのかもしれない。
(いや、本意はどうあれそう思わないとやってられない。悲しい。悔しい。侘しい。家柄とか、私の育った環境とか、私にはどうすることもできなかった事で拒否されてしまっては…、私は、打つ手だてゼロだし。自分だって育ってきた環境、親、境遇にさんざん悩んでるのに、そこを攻められてしまっては意気消沈だ。)
そんな、幸せな結婚を思い描いていたふたり(主に私)の鼻っぱしらは折られ、人生で親に反抗したことのなかった彼は呆然としてしまい、その呆然としている彼に私は頼りなさと薄情さを感じてしまい、私から「結婚の話はここでお終いにしよう。」「ふたりの恋人という関係性もお終いにしよう。」と提案した。
この時、はじめてと言っていいぐらい、彼も感情的になって喧嘩した。気がする。
でも、引き止められはしなかったと思う。
彼は自閉症スペクトラムがちだと言うことが、その頃わかった。
私が、よく彼に対して感じていた「私のことを全然わかってくれない。」という気持ちは「わかってくれない」ではなく「わかれない」のだと言う事が判明した。
言葉を真正面から受け止めてしまうこと、自分のペースを乱されるの事に不快感を感じること、相手の気持ち(空気)を察するのが苦手なこと。今までぶつかってきた原因の殆どが、彼の特性からくるものだった事がわかった。
そんな彼は、当日私がどれほどの思いだったか、知る由もないだろう。
距離を置くだの、置かないだの、と私がひとりでわーわー喚いていたが、時間がたつにつれて、日々そんな話をするのに疲れていまい、なんだか男女関係、結婚、出産、そう言った肩書き通りの「女の幸せ」というものが、どーでもよくなった。タイミング良くかまってくれて、困ってる時に助けてくれて、定期的にSEXができれば何でもいいや。と思うようになった。
そんな破滅的な私に、彼は「ちょうどいい人」になった。
彼の特性も判明して、気持ちを理解してくれていないのではなく、理解できないのだから仕方がない。と思えるようになったし、彼氏ではなくなったから、そこまで嫉妬することもなくなった。「理想の彼女」でいる必要もなくなった。結婚を考えて計画的にいろんな事を考える必要もなくなった。
共通の趣味はそのまま続けられて楽しいし、食の好みや映画の好みもわかるし、頻度は劇的に減ったもののスキンシップを求めれば拒否もされず、ムードが作れればSEXもできる。
金銭面で困れば、何かと理由をつけてはお互い納得したうえで援助もしてくれる。
こんな楽なことはない。
Win-Winな関係であるかは、彼の気持ちを確かめたことがないからわからないけど、彼から変化を求めてこないとこを見ると、彼もこの関係に納得しているんだろうと思う。
LINEの既読スルーに文句が言えない。とか、いつどこで何をしてるのか詳細に把握できなくなった。とか、突然の予定変更があってものむしかなくなった。とか、今までは言えてた文句が言えなくなったりして、我慢することもでてきた。
でも、それは、今までの関係が密すぎただけだったように思う。
夜寝る前は必ず通話する(話してるうちに2時間とかフツーにすぎる。)とか、週末は必ず会うとか、平日も1日は会うとか、むしろ男女関係としては今の方が健全なんじゃないかと思う。
彼に何かしらの出会いがあったら?彼がこの関係に突然違和感を感じて離れていってしまったら?そんな事を考える。
そうして、彼のいなくなる未来を予想しては、結局、自分の中で「ちょうどいい人」と言う看板に付けかえただけで、実際は何もかわってなくて、彼の人の良さにつけ込んで私がただ寄生してるだけのように思えてくる。
彼にとってこんなのがぶら下がっていると迷惑なのでは?
いつか、それが重荷になってふいに放り捨てられるのでは?
そんな気持ちになる。
そうなると、「彼の特性で理解してもらえていない」と言う事実を忘れてしまい、だいたいそういう時は、仕事や私生活でなにかしら支障があったり体調をくずしはじめていたりする時で、『私は、今、こんなに落ち込んでいるのに、寄り添ってくれない。きっと私に愛想が尽きだしているんだ。』と言う気持ちになってくる。
そして、彼から切られるのが怖くて、言われる前に自分から絶とうという気になり「もうあなたとの関係を辞めにします。」と唐突に言ってしまう。
そんな繰り返し。
彼のことは、多分好きだ。
多分て言うのは、これが長年の情からくるものなのか、純粋な気持ちなのかが、わからないからだけど。
離れようとすると心がざわつく。
頭の回転が早いとこ、文章力があるところ、笑いのセンス、優しさ、冷静さ、物事に対する考え方、そんなところが好きだ。
ただ、特性からくるものとはいえ、絶望的なまでに自分本位というか、相手の立場にたてない、コミュニケーションがはかれない部分が、私の心の余裕が試される部分で、ネックだ。
残念ながら、彼の実家に入ると言う前提であるなら、(あっていない人のことをとやかく言う点では同類になってしまうが、)あんな親のいるところには嫁げないと思ってしまっているので、彼が家を出て、私は親(になる人)と距離をとってもいいと言う条件でなければ、結婚はできない。
こんな寄生虫のような不健全な関わり方は辞めなければと思うが、依存度が高すぎて離れられないし、捨てられる覚悟もできてない。
彼との繋がり大事にしたいし、彼のことを好きだとおもう。