2016-10-23

http://anond.hatelabo.jp/20161017210031

乗っかって、自分語り。許して。

 

さいころはピンクとかリボンとかスカートとか大好きだったのが、小学生になって自分がブスだと気づいてしまい、以来スカートワンピースリボンピンク等々は封印していた小中時代小学校高学年でオタク発症したのもそれに拍車をかけていた。高校遠足修学旅行私服がいやだった。というより困った。高校の友人の中には、髪を染めてみたりピアスを開けてみたりマクドナルドアルバイトしたり体育祭では男子と手を繋いでお姫様抱っこをしてもらうようなダンスをしたりするようないわゆる「フツウの女子高生」な子もいたので、遠足前にはそのような子と一緒に買い物に行くこともしたけれど、ブスダサオタクはそもそも服が似合わないのだから何の意味もないのだった。

 

ボーボーの眉毛、一重の厚ぼったいまぶた、たらこのような唇、ぱんぱんのほっぺた。

伸ばしっぱなしの真っ黒剛毛、所狭しとはびこる無駄毛、ニキビだらけの顔。

ごわごわの肌、地黒の肌、へたくそ笑顔

プリクラで盛られないレベルのブス。(当時のプリクラはおよそ今のそれほど盛り盛りではなかったし、ほぼ写真に近かったけれどそれでも多少は可愛く写るものだ)

下校途中、他校の男子高校生にすれ違いざまに「うわブス!」と言われるレベルのブス。驚かせてごめんよ。

 

私の場合、「ブスダサオタクからおしゃれしちゃいけない」という強迫観念よりは「どーせブスダサオタクだしセンスもないし、つまりもし仮に多少は可愛くなれるとしても限度はあっという間に来る上に人並み以上に努力する必要があるわけでしょ、やってられっかめんどい」という、人になる努力<ブスでいる楽さを選んでいた節はある。-100を努力で0にしたところで0は0だし、そもそも普通の人は10努力10が手に入るんだからずるい。やだ。めんどくさい。というわけだ。

諦めというか、言い訳がましい。

それでも、そんな時間より漫画を描いたり読んだりする時間のほうが圧倒的に大事だった。平面に在る美しさが美だった。

 

転機がどこだったかは、はっきりとは覚えていない。多分、男性アイドルにはまって、コンサートに行くようになって、三次元の美しさ・可愛さを見るようになったせいだと思う。アイドルは総じて可愛いしかっこよかった。ちょっとおへちゃだったりぶさいくだったりするところも含めてだ。そこでおそらくは、私の中の美に対する概念が変わったのだ。

あと、アイドルを見る女の子たちも可愛かった。

コンサートへ行くにはおしゃれをするのが通例らしいと知り、別のアイドル好きな大学の友人に連れられて好きなメンバーカラーワンピースを買ってみた。褒められたし、その色がとても似合うと言われた。基本的単細胞なので、それに気を良くしてコンサートのたびにその色の服を新調した(これが紫だったので今思えば大変扱いにくい色の服ばかりよく集めたなそして着ていたな!と思うがそのあたりはアイドルオタクの性なので何も言えない。もっと扱いやすい色の人を好きになればよかったのに、なぜよりによって紫だったのだろう…)。その色を着慣れると、今度は「そうか君は濃い色が似合うんだね」と言われ、そうかと気をよくして赤だの青だのいきなりビビッドな色を取り入れ始めた。おしゃれし慣れていない人間ビビッドファッションなど、今思い出してもおぞましいけれど、とにかく「似合う(らしい)色」を言ってもらえて楽しくなって、せっかくならいい感じに着こなしたいと思ってファッション雑誌に手を出した。

With2007年2月号。なんとまだとってある。

ファッション誌には、服だけでなく、化粧品メイク方法特集も載っていたからそれに乗せられ、大学に入って2年ほどしたところでやっと毎日のお化粧もするようになった。派手色趣味と一重コンプレックス反動が相まって、カラーシャドウと極太アイラインでギラギラだった(当時アイプチはそこまで流行していなかったように思う)。できあがったのは、勘違い派手派手オタクブスだった。それでも、楽しかった。今思い出しても、恐ろしいけどおぞましくはない。楽しかった。

 

それから紆余曲折を経て、一重コンプレックスは根強くいまだにアイメイクは濃いものの、気づけばダイエットもなしに高校時代から10kgほど痩せ、メイクファッションビビッドカラーの使い方はある程度覚え、職場では一応人間の扱いを受けている。

新しいコスメ用品を買うのは楽しい。新しいお洋服を買うのも楽しい。お風呂上りにパックをするのが楽しいすっぴんから化粧を施して、いまだに一番慣れなくて苦手でへたくそヘアスタリングちょちょいとやって(でも頑張るとたまに褒められてまた嬉しくなる)、昨日買ってきたお洋服なんかに腕を通すのは、とても楽しい

痩せた分容姿をほめられることは増えたけれど、心の中では「いや目が覚めるほどのブスなんで」と思っている。周囲にあんまりイタリアンな感じの人が男女問わずいから、たまに勘違いして「私結構いけてるのかも??」なんて思っちゃいそうになるときもあるけれど、結局毎朝鏡を見ては「…おう、目が覚めるほどのブスとはこのことだな……」と思いながら顔を洗っているので勘違いしきれない。残念。

それでも、楽しい

人生のどの時間を切り取っても総じてオタクなので、いわゆる世間の可愛くて綺麗でセンスもよくておしゃれなフツウの女性とはまったく別の生き物なのは分かっているのだけれど、自分可愛いと思ったものを買って、身につけて、それを誰かが可愛いと言ってくれて(もちろんその「物」を)、言ってくれなくてもまあ別に私が可愛いと思って買ったんだしちょっと変でもまあいっかー劇的に変だったら誰か何か言ってくれるだろうで済ませて、それで働いてまた自分可愛いと思ったものを買う。可愛いと思ったものを少しでも可愛く身につけるために、パックしたりマッサージしたりする。楽しいんだな、これが。JKがおばちゃんに次ぐ強キャラなのは認めるけれど、私は明らかにJKより今が楽しいです。よく「人になる努力<ブスでいる楽さ」な精神が首をもたげるけれど、

今はブスでいる楽さよりも、人になる努力のほうが楽しいので、必要最低限の、苦にならない程度の「人になる努力」はしていこうと思える。-100を0にする作業も悪くない。深海から水面に上がってくる感動は、きっと空を飛ぶより大きい。

果たして0になれているのか、水面まで上がれているのかは分からないけれど。(多分なれていないし、上がれていない)

記事への反応 -
  • 残念ながらブスに生まれ、さらに小学生にしてオタク。 5年生のとき、当時の自分の中で精一杯のオシャレだったヘアピンを「似合ってない」「調子こいてる」「きもい」とクラスで馬...

    • 乗っかって、自分語り。許して。   小さいころはピンクとかリボンとかスカートとか大好きだったのが、小学生になって自分がブスだと気づいてしまい、以来スカートワンピースリボ...

    • オサレする前の小中高と痴漢されやすかったりしない?路上で変質者に遭うとかも含めて。 どういうわけかオサレすると痴漢遭遇率が有意に減るらしいんだわ(知人女性調べ)

    • どんなおしゃれしてもいいんだけど、社会人になってもピンクというのは。。いやまあ別にいいが

      • 女物の服のピンクにはいろいろあるよ。くすんだのとか淡いのとか、派手すぎなければオフィスとかでも全然ありだよ。

    • 小5の時のは好きな子いじめでからかったとかじゃね? 真性ブスなら痩せてもブスだよ

    • わかるよー ブスでもブスなりに小奇麗にしてるとさ、だいぶ生きやすくなるよね 私もそういうのがわかんなかったんだけど、やっぱそういうのって大事なんだなと思った

    • 20代のころ、リア充と呼ばれる野郎連中と遊んでいた時期がある。 彼らと遊んでて、楽しかったこと、得たものはたくさんあったけれども、しんどいかったこともあった。 彼らはときど...

    • 後は自分のことをブスって言わなくていい って思えれば完璧

    • いいね。もう文章だけでかわいい。 後は笑顔の練習かな。 顔面も筋肉の塊なので、鍛えないとなかなか ガッキーみたいに半月状のクチは作れない。 ブスだってにっこり笑えばカワイイ...

    • あなた、素敵ですよ

    • 自分が書いたのかと思った…! 増田さんが、ご自身で呪いを解き始めていて読んでいて泣きそうになってしまった。ちょっとだけ自分語りさせておくれ。 小学生の頃ストレートパーマ...

    • 乗っかって、自分語り。   小さいころはピンクとかリボンとかスカートとか大好きだったのが、小学生になって自分がブスだと気づいてしまい、以来スカートワンピースリボンピンク...

    • 自分用まとめ。増田文学と個人的な体験談を中心に。 俺的増田大賞2016は、「議事録を作る仕事をしていました」と「母親が入院したんで父親とふたりきり!」シリーズに進呈。 01/19 ...

      • 自分用まとめ。今年は医療増田が充実していたので、別立てとした。 俺的増田大賞2017は、「骨髄提供をしてみた」「骨髄移植させて頂いた」の組み合わせに進呈。 02/14 1人で初ラブホ...

      • 自分用まとめ。今年は力作が多かったけど、飛び抜けてヘンテコな増田は少なかった印象。 俺的増田大賞2018は、「妹のゴミ部屋を掃除した」に進呈。 01/31 さようなら時天空 anond:2018013...

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    • 完全に上から目線だけど、 私は「可愛い」「お洒落」を飽きる程言われる人種なんだけど、一見ダサそうな人の格好に少しでもこだわりを見つけられた時は褒めちぎるようにしてる。 ...

      • 普遍的ってなんだよ 文章からやばいくらい頭の悪さがにじみ出てるわ

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