2016-03-05

青年協議会がすごい

福島のかわいそうなわんちゃん猫ちゃんのためにご寄付をおねがいします」という訴えを、東京近辺に住んでいる人なら駅前等で聞いたことがあるだろう。あれは、青年協議会という熊本NPOが行っている事業だ。すこし調べてみたが、巧妙に仕組みを作っているNPOだったので共有したい。情報は彼らのホームページおよび内閣府で開示されている彼らの公式情報による。

かれらの目的青年の育成で、動物保護ではない

NPO法人目的を定める、定款という書類がある。彼らの定款にも、9項目にわたり幅広い項目が目的として入っているが、動物犬猫に関するものはない。そもそも、なぜ「青年協議会」が犬猫保護に対する寄付を求めているのか?事業報告書に答えがある

ニート引きこもり法務省からの紹介者などを積極的雇用し、地域の清掃活動や街頭募金活動を通じて感謝の心を学ぶことにより豊かな人格形成を図る

そもそも募金を行うことそのもの目的で、募金犬猫を救うことが目的ではないのだ。募金を訴えている人たちはニート引きこもりで、給与をもらいながら働いているのだ。NPO目的を達成するためのなんと上手な戦略か。私みたいなニート雇用するために寄付をください、と言っても誰も寄付してくれないから戦略的寄付対象を選んだ結果が福島犬猫なのだろう。

企業家精神を持った青年を育成している

公式サイトスタッフの誓いというものがある。さすがニート教育のための誓いだけあってよくできている。

http://seinen-kyougikai.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/stuff_tikai.pdf

私たちは、義務を果たした後に権利を求めます

私たちは、助け合い精神大事にし、みんなで青年協議会を作ります

このあたりをきちんと理解すれば、社会ブラック企業に当たったとしても耐えられるだけの心の強さが身につくだろう。

私たちは、全員が企業家としての意識を持ちます

今日も一日、名前も知らない誰かのために名前も知らない誰かに頭を下げ、東北復興の窓口に自分がなるために、街頭募金活動を頑張ります

上記の組み合わせは実に味わい深い。街頭募金活動企業家として意識を持って行わなければならないのだ。

その企業家精神実践しているのが青年協議会だ。少し詳しく見てみよう。

青年協議会企業家精神実践している その1

企業家たるもの資本有効活用は必ず意識しなければならない。寄付されたお金をそのまま使うなんてもってのほかだ。寄付されたお金は、さらに増やしてから使わなければならない。彼らは、NPOしかできないやり方で、企業家精神実践している。それを図解したのが以下のURLにある。

http://seinen-kyougikai.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/tikai.pdf

彼らは、いったん受け取ったお金アルバイトを雇い、そのアルバイトさら寄付を求めることで、寄付されたお金を3倍に増やしている。その結果多くのお金を使う効果的な社会貢献ができているのだ。なんと巧妙な仕組みなのか。

青年協議会企業家精神実践している その2

2015年事業報告書によると、彼らの収入の6567万円のなかで、NPO事業支出に使っているのは3440万円で最大だ。ただ、詳細は明らかにしないことにしたらしく、監督省庁から「内訳(支払機付近であれば支払先も)を提出するように依頼するも、提出なし」との注記を受けている。企業家たるもの自らの企業秘密を明かすわけにはいかないので、お上圧力に負けず秘密保持を徹底するその態度は素晴らしい。

ただ、2014年度の事業報告では、圧力をかわしきれなかったのか、寄付金の内訳が事業報告書に添付してある。そのなかで最も多い441万円の寄付が「助成金コンサル事業」に使われている。他の寄付金の宛先が「相馬会(福島)」「猫のマリア」等であるのと対照的だ。助成金コンサル事業が何を示しているのかは秘密保護を徹底している以上当然明らかではないが、企業家精神実践する青年協議会がただ単純にコンサルのために貴重な寄付金を払うこともあるまい。

ここは筆者の完全な憶測になるが、寄付金を払っているNPOに対して、助成金コンサル抱き合わせで紹介しているのではないか。そのコンサルにかかる費用についても寄付で賄えば、NPOにとっては無料コンサルを受けることができてハッピーで、青年協議会は、関係するコンサルへの支払いが寄付金会計上計上できてハッピーという、みんなが喜ぶ仕組みを構築していると考えるとしっくりくる。NPO法人は、2/3以上の役員役員報酬を受け取ってはならない、という制約があり、せっかく稼いだ寄付金をそのまま役員報酬として支払うことができないのだ。もちろん、役員かつ常勤職員として雇用することはできるが、その場合タイムシートだとか兼業禁止だとかうるさいことを言われる。その点、コンサルタントであれば柔軟な支払が可能だ。頭の固い役人理解のない第三者いちゃもんをつけられないよう、念のため2015年では寄付金の内訳を公開しないことにしたのではないか。もちろん、まったく違うより巧妙な仕組みを考えている可能性もある。増田諸賢のトラックバックを待ちたい。

まとめ

素直に寄付金事業に使うご普通NPO圧倒的多数の中、青年協議会クリエイティブでイノベーティブな社会貢献は、「福島のかわいそうなわんちゃん猫ちゃんのためにご寄付をおねがいします」という言葉想像されるものよりずっと幅広く豊かなものであった。彼らの革新性が、それにふさわしい社会認知を得ることを望みたい。

参考資料

事業報告書およびNPO情報

https://www.npo-homepage.go.jp/Portal/corpDetail!show.action?no=043000212

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