2016-01-09

二次創作とかそこら辺のもにゃもにゃ

中のひとです。

つっても「K社(仮)で本出してる原作者」なんで社内のひとじゃないけど、まあ、二次創作サイト利害関係者ではあります

別のかみつくつもりも否定するつもりもなく、どちらかというと考えの材料になるようにいくつか視点提供に来たよ!

まず、「いろんなもの一枚岩じゃない」っていう大前提は頭の片隅に置いておくべきだと思うんだよ。

二次創作にあたって、その原作者意識なんて、みんなも判ってると思うけど一枚岩じゃない。自分は「BLだろうがヘイト創作だろうが何でも来い」だけど、そうじゃない原作者の方だってたくさんいる。図書館に本が所蔵される、ということだって、いろんなスタンスがあるのは、ニュースを見てればみんなもご存知の通りだよ。

そして企業内部であっても、というか、そうだからこそ、全く一枚岩じゃないというのは多分覚えておいていいと思う。それは編集者AさんとBさんでは二次創作に対する好悪が違うという個人の趣味的な問題というレベルももちろん存在しうるんだけれど、もっと上のレイヤの、編集部方針問題かいう部分でも意見対立はあるんだ。

K社(仮)(という風にふんわり書いて話を続行する)の二次創作サイトなんてのは、社長直下の、社内のかなり高い場所から上位指令として企画が始まったわけだけど、かといって、企画遂行者や協力編集部ひとつ理念で固く結ばれているなんてことはなく、もっと社内の立場であるとか、政治的損得勘定であるとか、ぶっちゃけ派閥駆動してるよ。

(そうでもなければ似たようなライト文芸レーベル連続立ち上げでつぶしあうとか、サイトのものも似たコンセプトでバッティングとか、何やってんだあれって話だ。ああいうのも「要するに手柄を奪い合ってるのね」って理解のほうが正しい)

もちろん、企画遂行者の井上氏とかにインタビューすれば、それなりに理念的なコメントは出て来ると思う(確かそういうのもどこかで発表されてたはずだ)。でも、それが「K社(仮)の堅持すべき法や理念」ではないし、その証拠に、数年でうまく利益が回転しなければ、消滅や縮小するよ。利益を得るのが企業の使命なんだから、そういう意味では当たり前だよね。今目の前のチームを駆動するときに、ディレクションとしては理念必要から設定した、に近い。

しろ、あの種の二次創作を囲い込もうっていう動きは「小説家になろう」みたいなサイトが十分にマネタイズできる、っていう発見のほうが、大きな影響を与えていると思うよ。

以上が、(自分なりに出来るだけ)自分自身意見を脱色した「K社(仮)の中の人に聞きたい」に対する精いっぱいの誠実な回答です。つまり「そこまで確固とした理念なんてないし、参加者によって考えてることバラバラっすよ……そんな買いかぶりすぎっすよ……」というもの

次は個人的増田に対するレス。もちろんこれもまた、原作者一名のレスであって、代表するものではない。けれど、現場意見ひとつとして届けたい。

本家を超えることはないだろうし、これは本家を超えた!とか言われたらむしろ戦争が起きる。

戦争とかはそうかもしれないけれど、「本家越える」とか、普通にあるよ。

本家より面白い二次創作なんて、ざらにある。

これは自戒を込めて言うけれど、自分を含めた多くのプロが、プロになれたのは、そりゃアマチュアの多くよりは、そこそこマシな作品を作れるから、ではあるけれど、アマチュアと隔絶したぶっちぎりの差をつけた天与の作品を作れるから、ではないよ。

プロと(少なくとも作品を作る才能ある)アマチュアの間に「作る作品レベル」に、そこまで大きな差はない。

思うに、プロになるには、作品を作る才能以外に、プロになる才能(っていうか無鉄砲さ?)みたいなもの運命みたいなもの必要なんだよ。

と入ってもここでいう運とか運命は、出版社スカウトが見つけてくれるかどうか? とかコネ持ってるかどうかみたいな、夢見がちな話では一切なくて、もっと人生とか家庭環境の話でさ。

だって正直言って、マンガ家しろ作家しろ絵描きしろ、みんな堅気の仕事はいえないよね。「キミ来月原稿もってきてよ、デビューできるかも」っていわれて、実際最初印税が発生するまで、半年一年はかかるし、しかもそれで印税貰えたからって、一生生活が安泰になるなんてのは、夢のまた夢でしょう? 控えめに言ってもそれは将来の選択であって、賭けに負ければ、履歴書に空白が数年発生する。いくら本人やる気や才能があったって、初期段階では、家族とか、友人とかに(生活面とか理解とか)迷惑かけざるを得ないんだよ。チャンスが訪れた時にそれに乗っかることができるか? ってのは、そういう部分が大きい。家庭の事情プロを断念するなんてざらに訊く話だ。

まり、世の中には、描く作品面白さはそこらのプロ以上だけど、いろんな事情プロではない人――ってのがたくさんいるんだよ。もっともそれは10年前よりはずっと状況が改善してて、サラリーマンをする傍ら書き溜めた原稿が、Web人気経由で単行本化! みたいなケースが増えてきた。昔よりは、才能があるのに事情で埋もれる、は少なくなったと思う。でも、やっぱり、確率論的に「強いアマチュア」ってのは絶対にいる。

そして、そういうハイレベル二次創作をする場合キャラ世界設定が固まってるっていうのは、思ったよりも作品クオリティに対してアドバンテージをもたらさない。つまり二次創作でも別に敷居低くない」んだよ。

お話を作るうえで一番難易度が高いのは、エピソードを作って物語駆動する部分で、キャラ設定世界観設定って、大事じゃないとは言わないけれど、最難関じゃない。

(もちろんキャラを並べてエピソードは別作品から移植して、あるいはいきなりベッドシーンとなればそれはまた別の話だけど)

上記の視点で見る「この人なんで二次やってんだ? とっとと商業書けばいいのに」みたいなアマチュアの人って、結構いる。たぶんそういう人にとって、二次をやるのは本当に愛情なんだと思う。

まりここでいいたいのは「増田が思うほどプロアドバンテージって絶対じゃないよ」ってこと。もちろん手塚治虫とかレジェンドクラスの人はまた別だけど、いま現代でいえば、いろんなプロの人がいるから、いっしょくたに神格化はできないよ。

二次創作のことは好きですか。二次創作大事ものは、何だと思いますか。

物語のことは好きですか。物語必要ものは、何だと思いますか。

最後になるけれど、いま、ものすごい数のマンガが出てラノベが出て深夜アニメもやってて、百花繚乱だ。飽和状態にさえ、見えると思う。

でも、個人的には、全く足りてない。

何が足りてないって、市場規模や読者が足りてないんだけど、でもそれって送り手とワンセットなんだよ。

二次創作物語の一形態だと思う。物語が好きで、二次創作が好きだ。物語を作るのに必要ものは、物語りたい気持ちだ。物語りたい気持ちは、読む経験しか培われないと思う。つまり、優秀な物語製作者は、過去、優秀な読者だったはずだ。

日本には創作者も読者もまだまだ足りてない。どんどん増やすべき。だって個人的にそういう世界の方が好きだから。だからみんなでバンバン読んでバンバン書けばいい。

業界としてもゼロサムゲーム作品Aの読者が増えたら作品Bの読者が減る)なんて感覚は、さらさらない。もちろん自分自身にもない。むしろ、人気作品が増えてジャンルが盛り上がったほうが、みんなが幸せになると思ってる。

一枚岩じゃないので個人的なことしか言えないけれど、新年的に、そう思ってる。

つーか読み返したら危険なこと書いてる気もするけど増田しまあいいか。

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    そのうちブロガーみたいに小説家塾とか作ってマネタイズしてそういうとこで仲間作った連中の駄サイクルばかりが取り上げられるようになるんだろうな ニコニコで経験済みだから絶望...

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    勢力図塗り替えとか、池上彰風で面白い。 作る力のプロ・アマの差異に関しては同感。

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