はてなキーワード: レトリックとは
分かるよ。
というか、一方的に支配されたくないって感じかな(=他人の幻想の中に組み込まれたくない)
そういう意識を持ってる女性は男性がセックスの主体の世の中だと生きにくいだろうなー、と思うときがある。
「非処女は肉便器」もそうなんだけどさ(レトリックの部分はあるにしろ)もう少し、みんな自分を粗末に扱ってみたらどうなんだろう?と思う。セックスしたいなら、プライドなんて捨てて非処女とセックスする努力したらいいじゃないか、と。やってみると意外と考え方が変わったりするし、自分がどこまで通用するか、結果から客観的に理解できるし、セックスも上手くなるし、面白いんだけどなあ。
スローセックスじゃないけど、女性の性感って人それぞれだし、ポイントも箇所も違うし、やってみないと分からない事多いし、相手が気持ちよくなれば自分も嬉しいし、一方的なセックスしても面白くないって分かると思うんだよなー。
要するに、非処女とセックスしたいとあくせくしてる自分が格好悪いとでも思ってるじゃないのかと。
興味ないなら黙ってればいいわけで。
●彼女に細やかな気遣いができる。
●彼女だけを一途に愛することができる。
●彼女の髪型が変わったことにすぐ気付き、誉めることができる。
●彼女の起承転結がない面白くない話を、うなずきながら聞くことができる。
●彼女がセクロスを拒んでも、「この子は昔セクロスで嫌な思いをしたことがあるのかもしれないな。何も言わずに優しく抱きしめてあげよう。」
だがちょっと待って欲しい。かなりこのエントリには意図的なものを感じる。
●彼女に細やかな気遣いができる。
●彼女の髪型が変わったことにすぐ気付き、誉めることができる。
まあここは「ありえん」人材かもしれない(てーか、これらは全部、「男が思う、女が男に求めていること」であって、「女が求めていること」じゃないと思うけど。この両者ってまるで違うのに、男は後者は信用せず前者を信用するよな。なぜか。)
●彼女だけを一途に愛することができる。
●彼女がセクロスを拒んでも、「この子は昔セクロスで嫌な思いをしたことがあるのかもしれないな。何も言わずに優しく抱きしめてあげよう。」
しかしこれらはどうなのか?さりげなく混ぜてあるが、これらは恋愛云々以前に人としてレベルの話ではないのか?
・まず一番上から、付き合うならばそりゃ浮気などせず一途を求めるのが現代日本では一般的で、さして「こんなの女の幻想!」とかいう話ではないと思うのだが。実際男だって女が浮気した等のエントリ見たら「ビッチビッチ!」とうるさいではないか?基本的にたいていの人は彼女彼氏に一途を求めている(浮気を求めていない)。
・そして次だ。これは生理云々とかくからいかにもフェミニストな(本来の意味でなく、なんか世間一般で通ってるイメージ的な意味で)男のふるまいといった感じだが、別に生理だろうが生理じゃなかろうが風邪だろうが下痢痛だろうが、知り合いが苦しがっていたら労わるのが普通だろう。これは恋愛以前の話であると思うのだが……友達が「うぅうう腹がいてぇ、いてぇよおお」とかいってても「フーン。で?」とかいう態度とる奴ぁいねーだろ。「え、大丈夫?」くらい言うだろ。
・そして最後。これが一番酷いのだが……セクロスを拒んでもチンコ挿入せず我慢することができる。……って、いや。我慢できなかったら犯罪なのですが?デートレイプってご存知ない?彼女が拒んだら、つまり、合意が無い、ということですから、もちろんセックスはできません。したり顔で「我慢することがデキル!」じゃねえって。それって「本屋へいって、ほしい本があっても、店員のことをおもって、盗むことを我慢することができる。」とか「ムカつくやつがいても、そいつの両親のことをおもって、殺すことを我慢することができる。」とか言ってるのと同じなんですが……。
それが「理想」?はぁあ?
これを「女子の理想像」として掲げて、その反対はこれだよ、なんて男子の理想像掲げるところに意図的な物を感じるね。全然違うもの。一方は犯罪を我慢することや、人間として当然だろレベルのことが折りまぜてある自称「リソウゾウ」で、他方はこりゃほんとたんなる「妄想像」だもんw
それとこれとを「このふたつ、反転してるだけで同じコトデスヨー」って一緒くたにするのは卑怯だね。あるいは意図的にやったのでないなら単なるバカ。なにが「うわーやだやだ」だよ。そりゃやだよそんなのwこれは比較対象として全然対等ではない。
セクロスは強要しない……ってだからそれ犯罪だから。「尽くすだけ尽くしてくれるけど殺人はしない……」とかいってるようなものだから。何を言っちゃってるんだこの人は?
あと個人的に気になるのはさ
●彼女に細やかな気遣いができる。
細やかな気遣いって何だよ。具体的に。曖昧も曖昧すぎて、ほとんど意味のない言葉じゃないか?これ。「優しい人」並に。
●彼女の髪型が変わったことにすぐ気付き、誉めることができる。
こんなん、別にしてくれんでもいい。けど、気になるのは、こんなことって、具体的に考えてみると、数ヶ月に一度、褒める言葉を数秒発するだけのアクションでしょ?こんなわざわざ一行にして書くようなことか?なんか「なんと、彼女の髪型がかわったらほめることができるんです!!」てな感じで誇らしげに一行使っちゃってるが、「好きなweb漫画サイトが数ヶ月に一度更新をしたら、拍手ツールを一回押してあげることができる」以上の大袈裟ぶりを感じてしまうんだけど……
「別に必ずしなきゃならんことでもないが、んなことくらいで威張るなやw」っていう。
もー耳タコだよ。ハイハイ、女の話は非論理的でつまらなくて愚痴ばかりと。一生言ってろ。そういう話を聞かされるこっちの身にもなれ(笑)
てかさ。こうやって一方だけ切り取るなよ。会話って一人でするもんじゃないんだよ。二人でするもんなんだよ。彼女が話すときもありゃ彼氏が話すときもある。お互い様だろうが。なんでそれを「女の話を聞いてあげるボクチン」って一方だけ切り取るのか。「男の話を聞いてあげるワタシ」「盛り上がるワレワレ」とかいろいろあるわけで。そら、色々ある会話の中で、「自分が相手にしてやること」だけを切り抜きゃ、男が貢献してるように見えるわな。こんなん単なるレトリックじゃん。
てーかそもそもこれも彼彼女以前に、人が話してる時って基本聞くだろ。いやもちろん知らない人の話は聞かんけど。それなりに親しい人の話だったら聞くだろ。「なにそれ、聞いててもつまらん」つってシャットアウトとか非常識極まりないだろ…JK…ちょっと考えりゃ分かるこった。それをやけに「女の愚かな話につきあってあげるオレサマ」って感じに飾り立てるのは逆にすげーわ。
しっかし、大阪人とかが「話にはオチがないと」とか言ってるの聞くと「話にいちいちそんな笑いとかオチとかつけてらんねーよ」とか言ってたり外人が「日本人は曖昧だよ。論理的じゃないよ」とかいうと「それが日本文化だし」「確かにそうかも」とか縮こまってるくせに、いざ男女論になるとすぐさま「自分達男は起承転結があり面白く論理的な話をします」と猫を被るんだよな。嘘こけ。見栄はるな。あんたらそんなんじゃないだろ、自分をよく思いだせ。自分を美化しすぎだ。
ほんっとウザいな
いい加減男は「男が思った、女ってこんなことを男に求めてるんじゃないかスペシャル」じゃなくて「女が言ってること」を聞けよ。前者に対して女が「え、それちがうよ」といっても「男が思った女ってこんなことを男に求めてるんじゃないかスペシャル」を信用するってもう本末転倒というかなんというか。結局この男たちは、男同士で、男が思う女像を語りたいだけなんじゃないか。「男が思った(以下略」をより支持するのも、男が発案しただけに、そのほうが「きもちいいから」なんだよ。男にとって。「女の面白くない話をきいてやる」とか女性を労わるようで女性差別てんこもりんぐな、一見女性差別とはわからぬ形ですっきり女性差別しまくれるからね。
くっだらねぇ(笑)
そもそもネットの中で、「善・悪」を分けるのが野暮ってもんだな。
もっと殺伐としたもんなんだよってことで。
村上朝日堂(80年代末のエッセイ)で、そういう二分法(イケてる・イケてない)がはやってるってので、
パロってからかってるエッセイがあったけど、山崎元もその時代の人か。
っつうか、JMMだって、結局はMLだから、コメント付けられないのだから、1)の原則からしたら野暮だよな。
たんなる村上龍的経済観の押し付けでしかなかったし。単にネットを利用した経済評論としてうまくのっかっただけ。
で、山崎のおっさんの理屈によると、それによって「議論がクールになった」っつうんだから、
1)と9)が矛盾するじゃん。そういう論理的整合性の無いものを二分法で分けるってのは、頭が鈍感で幸せなんだね。
それにさあ、なんで九鬼周造で、「いき」の分析的側面じゃなくて、そういう「しおりの一遍」っていうか
学者として頭使ってないレトリックを引くんだろ。ブックオフでそういう線引いてある奴見たら、馬鹿と思う。
信じたいことだけしか頭の中に入れてないんじゃないの。
http://anond.hatelabo.jp/20080823131346
反響が大きくてびっくりしました。
ご意見に返信していきます。
大阪で育ったけど
こんな教育受けたことない。
本当に「大阪では」と書いてあるところは
全部「大阪にある僕が通った学校では」と書かなくてはいけない話だと思う。
一般化してほしくない。
ごめんなさい。
自分の育った地域は大阪の中でも同和教育の時間数が多かったのかもしれない。
「にんげん」....憶えてますよ。表紙がオゾマシイイラストのあの本ですね。
道徳の時間はすべて部落差別問題(たまに障害者差別)に充てられました。教材は、「にんげん」もしくは先生が用意したプリント。
「にんげん」の表紙のおぞましさは忘れられません。表紙になにか別の紙を貼って隠してしまえばよかった。あの表紙は今でもみたくない。
個人的な感想で申し訳ないが、自分もあの表紙は怖かった。
確かにまっとうな同和教育は必要。それは正しいことだと思う。
でも、僕が受けた同和教育はおぞましかった。
いつもと違う、怖い形相の先生にピリピリした空気の中、偏った思想を植えつけられることがどんなにつらいか。
なんていうか、時間数も、内容も、度を越している。
広く大阪で一般化されてもな。俺はずっと大阪だが、そんなアホな教育受けてないぞ。ちなみに豊中市。
仮にそんな漫画みたいな同和教育があるとしても、もっと狭いごく一部の話なんじゃないか? あるひとつの市か、町か、一校かは知らんけど。
もちろん同和教育はあったし全校集会的なものだったけど、部落差別の歴史と、それで辛い目にあったという話を聞く授業がメインだった。
って当たり前だわ。部落のお陰で濡れ手に粟でいい目にあってんぜ、というアピールをして部落の外の人がいい印象を抱くわけないだろ。ネガティブキャンペーンにしかならんのは自明だ。本当にそんな逆効果にしかならん教育やってんのか?
仮に今逆差別で彼らがウマウマやってるんだとしてもその公演は非合理だぞ。とても信じがたいが。
(追記)
あ、もしかして……。
「人権ってええで!ぬくいで!」→「人権はすばらしいものだ、我々(聴衆も含めて市民全員)を守ってくれるものだ」
「キミ等は結婚するときに差別したらアカンのや!」→これはまあそのままにしか受け取れないが。
「差別されてた人たちは、ほんまはゲキ(たぶん、劇のこと)とかの天才のすごい人やったんや!」→河原者のことを指してる?(この国の演劇の起源と言われている)
お前、変なミスリードしてねえか?
まず、劇についてはたぶんあなたが言っているとおり、教科書に載っている通りだと思う。これは小学校の時にも知っていた。
でも話した人の発音が明らかに「劇」の発音じゃなかったのでカタカナで書いた。誤解を招いたならごめん。
自分が書いたことは全部個人的な体験談なので、あなたの学校ではそうではなかったかもしれない。
で、「自らバラすわけがない」に対して、これも個人的な体験で申し訳ないのだが、
「うちのアパート、同和委員会入ってるから正月は無料で市がタタミ換えてくれるねん」
などなど、子供同士ではけっこうどぎついことも話しまくっていた。あ、これは中学校の時の話。
自分が同和問題に興味を持っていたから、そんな話を聞きやすかったのかもしれないけど。
あと、公演も授業も、「差別された人たちを今優遇しなければならない」という思想を延々とコドモに対して繰り返すこと自体が悪いと思う。
非合理だとは思うが、実際に体験したのだからしょうがない。
結婚の話にしても就職の話にしても順調に交際が進んでいたり内定が出てたりしていたのにある日突然相手の態度が変わった。
興信所に私の素性を調べさせて部落出身だと分かったからだ、みたいな展開でしょ?
だからその言葉の意味はわかるけど、はてなでのコンセンサスというかニュアンスはわからない。と先に断っておく。
それが素性がわかったから結婚を断るという話だけではないのだ。
結婚とか、友達と遊ぶのを断られたから、「部落出身者だからか」と勝手に結論付ける話が存在していたし、僕は読まされた。
「大阪」で一般化するなと自分で言っておいて一般化しないでください
ここに書いてあるような授業の元締めである大阪府(市)同和教育促進協議会の事務局と同じビルに事務所のある某組織の中の人だった俺が保証する.どれもおおむねホント,あるいは学校によっては更に凄かったよ.もちろん「自分は大阪出身だけどここまでではなかった」とコメントしてらっしゃる方が嘘をついてるとも思わない.たぶん,学区内に「行政が公認した対策事業対象地域」が存在しない学校だったんじゃないだろうか.
元増田のような地区外出身者への洗脳も凄かったけど,個人的にいちばんえぐいと思ってみてたのは,「部落出身者としての自覚を促す」とかの戯言に基づいて地区出身者に強要される「部落民宣言」だな.連中にとっちゃ,「地区出身であるにも関わらず自分が差別されてるとは特に感じてない」存在が許せんのだろうね.自分たちが運動を行い対策事業の恩恵にあずかる最大の根拠を身内に否定されてるようなもんだから.
部落民宣言の話は、友達から聞いたことがあるが、名称を覚えていなかったので書けなかった。
お詳しいようなのでこの際聞いてしまいます。
これも中学校時代に友達から聞いたのですが、「同和委員会に入っているだけで特定部落出身者でなくとも減税など特定部落出身者の受ける行政処置を受けられる」という制度は本当にあるのでしょうか?
もちろん増田なので正確度は期待していませんが…一応。
自分が生まれ育った大阪府枚方市ではこんな教育は受けなかったんだけど(昭和54年生まれです)、
同和の予算がカットされていってるから、これから縮小されていくのではないかな、と思うよ。
こういう教育が残っているにしてもね。
それを願います。
率直に言って、僕は安心してもいます。
どうやら大阪ならどこでも同和教育がきついわけじゃないということがわかって。
あの異様な空気を味わう子供が少ないなら、それは良い事だと思う。
僕の書き方は過激な部分もあったかもしれない。
でも誇張はしていない。僕の経験したことをありのまま書いた。
僕の話を読んで、想像して欲しい。
僕は、同和委員会がすごく怖い。
あなたが小学生だったら、この教育を9年間受けてどう思うだろうか?
「絶対逆らえない」「同和委員会を批判するとやばい」という恐怖を植えつけられないだろうか?
非合理だという意見があったが、僕なりに考え出したこの教育の理由のひとつは、
「同和関係の団体に逆らうとやばい。批判することさえ許されない。話題にすることさえ…」という恐怖感を子供に植え付けることではないか、と思う。
確かに差別は悪だ。これからの時代を生きる子供たちには絶対に差別主義者にはなってほしくない。
でも、同和や在日外国人など、差別問題について、その利権を吸う団体について議論すらできなくなったら。
その議論をおこした人間のほうが「差別主義者だ!!」と無条件に断定される世の中がきたら。あるいは来ているのかもしれない。
確かに刺激的な話題だし、僕の文体やレトリックにつっこみたい気持ちもあって当然だと思う。
でも、一度想像してみて欲しい。真剣に。
追記:怖いけど言ってしまう。
僕の通っていた学校には同和関係の団体のトップの子供が通っていた。
あと、僕はまったく同和・在日外国人に対する差別意識は持っていない!これは明記しておく。
そして、同和委員会に入っている家庭の子供がみんな漠然と利権がおいしいと思っているわけでもない!
僕の友達には、部落出身者の中から同和利権を潰したいと熱く語るやつもいた。(当時中学生)
彼とは今でも年に一回くらいは会っている。友達だ。
だからこそ、僕が彼の住所を口に出しただけで恐怖を感じるような、偏った同和教育は嫌だ!(そしてもちろん、同和委員会を優遇する行政も、同和委員会の子供は無試験で入学させるような学校(実は私学にも多い)などの民間団体も間違っているとはっきり言える。)
わたしはそんなブサイクではないし、ブスでもなかったが、イケメンでもなく、ゆるふわ愛されギャルでもなかった。
「こんなエントリを書くお前のことだから、どうせブサイク専かブス専なんだろ」
とか言うアナタもいることだと思うが、やはりわたしは玉木宏を愛し、田代さやかのおっぱいを揉み、それを田代さやかに罵倒されたいと常々思うほどの普通の人間なのであった。
とある知人の女性に、私が「恋愛とか結婚とかもう第二次性徴期が始まる前に自然と諦めてたお」と思っている事を見抜かれ、説教されてしまった。諦めちゃダメ!せっかく女性に生まれてきたんだから恋を楽しまないと。子供だって産みたいでしょ?いい男性を探さないと!と背中を叩かれた。うーん。別に「私の劣悪な遺伝子を残したくない」とかいうわけじゃないが、特に子供産みたくないし、恋愛も、とくにしたくないのだがなぁ。これを言うと「全ての男性がそうではない、そんな事言うな」と言われちゃいそうだが、正直男性に何の希望も抱いていないのである……まともな男性というのが存在するのなら、これは誠に失礼な物言いなのだが……如何せん私が会ってきた男性というのは上のような人たちばかりなために、いくら人から「そうじゃない人もいるよ!ポロリもあるよ!」と言われても、「でもどうせ君達に優しいその男性たちも、私を見ると「ブースw」ってなるんちゃうかねぇ…」としか思えないのだ。知人の女性は「どうしてそんな哀れな思考しかできないの」と言う。まあ確かにそうなんだろうけどね。困ったね。はぁ。
この方は、自らがブスであることを悲観している。
しかし、それは決して真実ではなく、性欲と言う観点からすればたしかにブスであったりブサイクであったりすることは悲しいことであるが
やはり、恋愛という観点からはそれは決して致命的と言うほどではないのであった。
致命的、についての反証をひとつだけ述べたいと思い、わたしはここに筆をとった。
ようは、いま、わたしの愛するひとはブスなのである。
いや、愛しているのかは定かではないが、親愛の情という観点からは、以前わたしが愛したひとたちよりも深い、と言って相違ない。
外見上では、彼女はさまざまな点で、以前わたしの愛したひとたちに比べ劣っている。
初めて愛した女性ほどセクシーでロリータフェイスなわけでもないし、殆どの女性に比べて体形は大慶ともいえるほどの大形なのである。
おっぱいはおおきいが、やはりそれは腰の太さと関連するものであるらしい。それも、以前付き合っていた女と比べれば雲泥の差であった。
また、彼女はゴシックロリータな服装を愛する。はっきり言って、似合っていない。それ以前にわたしにゴス趣味はない。
だが、私は彼女のことが好きなのである。
なぜ、彼女が好きなのか?
至極単純な理由である。彼女の論理と直観力にわたしは惚れたのだ。
彼女は決して、一般に言われているように論理的なわけではない。
だが、彼女なりの、直感に裏づけされた、レトリック的――もとい、文藝的な論理が、非常に快い。
純粋の理系学問組合の徒弟であったわたしの論理と、一見はかみ合わないように見えるが、彼女の直観力は非常に優れており、常に私を理解し、同意し、ときに叱咤する。
また、音楽の趣味、という点でも彼女と私は一致をみるところがあった。
決して、それは単一のカテゴリにだけとどまるものではなく、
様々なカテゴリの中から、自分の気に入るものを探そうとする姿勢、そして、探しているものがなければ、自分で作ろうとする姿勢も私と一致した。
わたしは、彼女にしてあげられることはたくさんあったし、彼女がわたしにしてくれたこともたくさんあった。
彼女は、今までのわたしの、わたし自身に釣り合わぬほどの美しさとセクシーさを備えた彼女達よりも、ずっと、直截にわたしを見てくれた。
わたしもできれば同様でありたいと思っているし(そのために本人に向かってブスといったこともままある)、その視線は何よりもわたしを癒してくれるものであったから、
できるかぎり彼女自身を直截に愛したいと思っている。
ここで、これ以上わたしは自分の恋愛私小説を語ることはしない。
そこには、いくつもの物語があったし、いくつもの困難はあったが、わたしたちの愛情が途絶えることはなかった。
それだけを述べて、違う話に移ろうと思う。
だが、これだけは覚えておいて欲しい。
自分がブサイクorブスだということで、決して、悲観してはいけないということと、
稀に、あなたの中のあなた自身を愛したいと(決してわたしがそうだとは思わないし言うつもりもないが)思う人間も存在するのだということを。
そして、あなたには十分に愛される価値が、あなたがあなた自身であり、回りの他人を真摯に見ようとする態度をとっている以上、
幾度誰に笑われても、何度誰が笑おうとも、あなたに愛情を抱く異性は、現れることがあるのだ、ということである。
わたしが子供のころに通っていた英会話学校の講師に、およそ100kgはあろうかという巨漢のカナダ人の女先生がいた。
彼女は、ほんとうに太っていて、指はまるまるとして、肌は炊きたてのごはんつぶのようにつやつやとして、
それは、彼女の優しい声のせいもあったと思うが、彼女の立ち居振る舞いがとても美しく、
また、誰に対しても彼女が心から表現する思いやりと優しさが、ほんとうに深すぎたためであった。
わたしたち生徒も彼女が好きで、彼女の授業を奪い合ったし、先生にも、あとで聞いたところによると、告白したりして断られた人が多かったらしい。
彼女は、今、ネパール人の男性と、恋愛結婚をして、とてもとても幸せそうに、わたしの町を歩いている姿を見かける。
男性はとても真摯な人だったし、彼女をほんとうに愛して、気遣っているオーラが出ていて、見るたびに幸せになる。
なにも、ブス専やブサイク専が存在するからそれを狙えという話が言いたかったのではない。
ブスであっても、ブサイクであっても、それを凌駕するだけの魅力(決して特別なスキルが必要だったわけではない)をもち、
それでたくさんの異性を惹きつけて来たひとたちが存在するのだ、ということが言いたかったのである。
……また、言いたかったことはもうひとつある。
玉木宏のヴォイスは素晴らしく中性的で、田代さやかのおっぱいは唯一神である、ということだ。
また、語弊があるといけないので、記そうと思うが、田代さやか自身も神である。
余り誰もが気にかけないが、彼女の負けん気の強さはほんとうに至高である。
その神の谷間から、あなたたちの心の中に、異性を惹き付ける新しい玉木宏が生まれんことを祈って、私はここにキーボードを置く。ガシャン。
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000018072008
個人的な推測だが、スクウェア・エニックスが最終的に決断したのは、コナミが6月に全世界同時発売したPS3独占タイトル「メタルギアソリッド4(MGS4)」の販売状況を見てからではないかと思われる。MGS4の開発コストは70億円とも噂されており、FF13に近い巨大プロジェクトである。70億円の元ネタってこれだろ?
I heard MGS4 costs 70 million. Which actually sounds ludicrous to me, but in a way it doesn’t if you factor int he MGS4 and MGS online...and the tons of cinematics and long development time...it could get up to that.これを発言したCory Barlog氏ってのは、ゲーム「ゴッドオブウォー」シリーズのディレクターやってる人で、メタルギアシリーズどころかコナミと関係ない人だろう。同じゲーム業界の人とはいえ、この「噂」を根拠に「それでもワールドワイドでの販売本数としては、開発費を考えれば必ずしも多くはない。」と推測を立てるのはちょっと杜撰じゃないか。あと、
しかし、DVD2枚組みにするなど、方法は考えられる。MGS4がBDの容量(約50GB)ギリギリまで使い切っているというのは、小島秀夫が各種媒体で明言しているんだから「2枚組にするなど」という喩えも無茶がありすぎる。単純計算でも6枚は必要なはずだろうに。
同社は9月に「インフィニットアンディスカバリー」(Xbox360)、年末に「ラストレムラント」(PS3、Xbox360)、来年春に「スターオーシャン4」(PS3、Xbox360)と新しいブランドを投入するが、上位に食い込めるかどうかはわからない。市場の好みが変わってきているからだ。この点については同感。ただ、スクエニやバンナムが「虎の子」の自社ブランドRPGを「まずはXbox360で」とする体制が、北米市場への参入を意識したものかどうかはちょっと疑わしいと個人的に感じている。
同感ですが
もと社会学徒としていちおう擁護しておくと、昔の日本の社会学(1970年代くらいまで)はそこまで無内容
ではなかった、と、元増田が批判の念頭に置かれているであろう宮台氏自身がどこかで言ってました。
まあ、エンゲルス、ウェーバー、デュルケーム、パレート、高田保馬、ブルデュー、ミルズ、あたりを読んで
おけばそれ以上フォローする必要もない、底の浅い学問だとは思っています。
そもそも社会学というのは(コントとか)理系のオチこぼれが「おれたちは理想社会を設計するぞ」と間違った
自信のもとにはじめた学問なので、しったかぶり病にかかっているのがデフォルトだし、学者の世界というのは
「やる意味ねー」と思っても「先人とは違うこと」をしないと生きていけないので、結果的にどうでもいいことを
どうして「一般的に」言えると思ったの?
ミソジニー非モテは極端な主張になりがちなので叩く人とかも乱入してきて目立つけど、決して多数派ではないと認識してるけどなあ。非モテMAPでも見て、いろんなスタンスがあるのを再確認してみては。
いまのところ言えるのは「非モテの原因のひとつとしてミソジニーがある」くらいで、それも多数ある原因のひとつくらいの位置付けで、全然イコールじゃないと思う。個人的には「ミソジー=>非モテ(ミソジニーだから非モテ、ミソジニーだと非モテになりやすい)」はあるかもしれないけど、「非モテ=>ミソジニー(非モテだからミソジニー、非モテであればミソジニー)」はちょっと無理があると思ってる。前者の膨大さに比べて後者は狭すぎるという意味で。
俺自身は非モテであるにもかかわらずミソジニー要素が少ないように思える。
むしろ「女性に幻想を抱いている」という非難が当てはまるくらい。
かといって、モテ的なものが嫌いでないわけではなく、リア充的趣味や
世にいう恋愛文化への反発は強かったりする。
それは古典的な非モテっつーか、当たり前過ぎていまさらなんでわざわざ言う人がいないだけで、いまだに結構多くの人がそんなもんじゃないかなあ。ネットの議論は特にそうなりがちなんだけど、ちょっと新しい論点が出てくるとそれで埋めつくされがちで、なかなかバランスのとれた議論が出来ないし。今はたまたまミソジニーがホットだっただけでは。
ただ、ミソジニーも幻想を抱くのも極端な関心の裏表で、目の前の相手のことを1人の人間として扱うことが出来ず、カテゴリー(女だから/男だから)でしか認識出来ないという共通点があるので、そこをついて幻想派も「ミソジニーと同類」と攻撃されることがあるかもしれないな。つーか増田でもよく見る攻撃の仕方だよ。この手のレトリックを使う奴は大抵性質悪いし相手しても得るものはないから、引っ掛からないように気をつけた方がいい。
この記事にはブクマを見る限りだいぶ懐疑論が集まってるみたいだね。残念ながらWebで資料を探しても見つけることができなかったので、憶測でしか語れないけれども、たぶん大丈夫だと思う。もっとも、「理論的には」の話であって「実用的に」どうかは知らないけどね。
まず、大矢氏はその道では有力な研究者で、名前も売れてます。俺のような門外漢でも知ってるぐらいだから。だから、胡散臭いものに手を出すという動機がまずないんですよ。
ただし学者というのは自分の仕事を宣伝してナンボという商売でもあるから、まだ残っている欠点を敢えて黙っているということはあるかもしれない。でも、少なくとも「CABは完璧な暗号である」とは言っていないはず。そういう意味で、嘘はついていないことは信用していいと思います。
次に、大矢氏の発言「鍵空間は無限大ですから、鍵を推定できる確率はゼロ」という発言は数学的に普通かつ真っ当なものであって、レトリックでないことを指摘しておく。
数学では、確率は長さとか面積とか体積とともに「測度」という概念に包含されるんだけれど、「確率0」というのは「『点』は『無』ではない」という話と本質的には同じものだ。例えば、中学校の時「点には大きさがない、長さも幅もない」「直線には幅がない」「平面には厚みがない」と習ったはずだけれど、つまりこれは「点の長さは0」「直線の面積は0」「平面の体積は0」って話なんだよね。点とか直線とか平面というのは「無」ではなくちゃんと存在するものなのに長さとか面積とか体積が0(こういうのは「零集合」なんて名前もついてる重要なものだ)という話、当初違和感をもたなかった?多分、今になってみれば感覚的に「そんなもの」だと理解できているはずだけど。つまり、「長さや面積や体積が0ということと、存在しないということは別物だ」ということ。
確率が0というのもこれと同じなんだ。例えば、0<x<1を満たすxを全くのランダム(あるxが別の数より選ばれやすいということはないものとしよう)に選んでくることを考えよう。これはまさに「数直線0<x<1上、x=0.5という一点の長さはいくつ?」と聞いているのと同じことで、答えは0になる。別に変なことではないでしょ?
もっとも確かに、「現実のコンピュータ上で、鍵の候補が無限大なんて関数が作れるのか」という疑問があると思う。俺の理解が間違ってなければこれは確かに無理だ。でも、そういう言い方をするのは無理なことではないんだ。
というのは、アルゴリズムの理論を作るときは、暗黙に「コンピュータには無限にメモリがある」と仮定してしまうことがある。もちろん現実にはそんなことはない。でも、必要なだけメモリを増設すればいくらでもその状態に近づけることはできるので、実用はともかく理論としてはそれで十分と考えることがあるんだ。
もう少し詳しくいうと、チューリングマシンっていう数学モデルがあるんだけれども、これはメモリが無限にあるコンピュータと等価な能力を持っている。そして、情報工学の問題はチューリングマシンに対して考えられることが多い。しかし、現実のコンピュータはメモリが有限しかないから、これは本当は「有限オートマトン」(基本情報処理の試験にも出るから知っているはず)とよばれる非常に単純なモデルで表せてしまうものだ。これの能力は余りにも限られているので、たとえばカッコ対応問題(たとえばCやJavaで"{"と"}"の数が釣り合っているかを確かめる問題)すらも一般的には解けない。実際、メモリ内で表現できる最大の数以上のカッコを与えてやればいい。もちろん、そんな沢山のカッコを与えるなんて現実には無理だけどね。
そういう風に、アルゴリズムについて理想と現実の壁は大きく、常に実用化の壁というものがつきまとう。そういう意味で大矢氏の新暗号が本当に画期的なものになるのかどうか、これはやってみないとわからないと思う。今後の展開に期待だね。
生半可な知識で下手なこと書くもんじゃないですね。専門家からのご批判を頂きました。
http://d.hatena.ne.jp/smoking186/20080412/1208008068
というわけで、この記事は反面教師として下さいませ。この記事単独では、間違ったことは書いてないつもりですが、前提を理解していませんでした。
よかったら、会いましょうか。地方在住なんで、今日明日ってわけにはいかないですが、お互いの予定をあわせてそのうちくらいの気の長いな話でよかったら。
どう見てもハニートラップです。本当にありがとうございました。
マジレスすると、仮にあなたが本音でそれ言ってるとしても、言ってることがスパムメールと同じ。まして、増田には誰でも何でも書けるんだから、信用できるわけがない。そんな餌にクマー、ですよ。もう少しマシなレトリックを考えなさい。不合格。
俺の父親だな。ちなみに俺の母親も典型的非モテ女だ。彼らがなぜ結婚できたかというと、当時はお見合いというものがあったからだ。そんな俺の顔や性格は当然(ry
彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
なんでみんなこんなレトリックに引っかかるんだろう。
これが例えば泳ぎの話で、
「泳げないんだよ、どうしたらいいんだろう」
「じゃあ、今すぐ目の前のこの川に飛び込んで特訓だ!」
「でも…」
「なに逃げてんだよ、言い訳すんなよ、だせぇ」
って話だったら誰でも違和感持つに決まってるんだが。
何にでも踏むべき段階ってものがある。相手の状況を無視した助言は助言じゃない。今現在無理なことを要求しておいてできない相手を非難するのは単なる自己陶酔であり、オナニーでしかない。なんでそんなことにみんな気付かないんだろう。
こういう生産的な価値がなにもない「パンがなければケーキを食べろ」式の自己啓発言説に目を輝かせてる皆さん、もう少し頭冷やしたら?皆さんがなんでそうやって自己啓発に情熱を燃やしてもちっとも勝ち組に近づけないかというと、そういうトリックで少しずつ勝ち組に自身と労力を搾取されてるからだよ。
本当だ。消えないうちにグーグルキャッシュからサルベージしておこう。
パスカル『パンセ』
ライプニッツ『単子論』
ジェイムズ『宗教経験の諸相』
レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』
ブーバー『我と汝・対話』
ライル『心の概念』
デュルケム『自殺論』
キャンベル『千の顔をもつ英雄』
ポランニー『大転換』
オルテガ『大衆の反逆』
オング『声の文化と文字の文化』
ポパー『推測と反駁』
フロム『自由からの逃走』
デリダ『グラマトロジーについて』
ペンフィールド『脳と心の正体』
ソンタグ『反解釈』
フランシス・フクヤマ『歴史の終わり』
ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』
イーグルトン『文学とは何か』
ガダマー『真理と方法』
ダマシオ『生存する脳』
クワイン『ことばと対象』
マッキンタイア『美徳なき時代』
ツリー内主要エントリ
同類のもののうち最も実力のある者。
身分を越えた称号を勝手に名乗ること。
本人自ら「私は○○を僭称している」ということはまずなく、
他者を評価するときに「○○を名乗るべき身分にない者が勝手に名乗っている」という批判的な意味で用いるのが普通である。
また身分の存在を前提とするため、「皇帝を僭称する」や「王を僭称する」という用法は正しいが、
その地位が身分に基づかない「大統領を僭称する」や「社長を僭称する」という用法は正しくない。
この場合は単に「偽称」という。
例として、ある人が難関大学卒であった場合、その人が学力においてだけでなく、人格的にも優れてると思い込んでしまうケースが挙げられる。
また、有名人やタレントを通じたCMや広告がその商品やサービスを実際に使ったりみたりした事がないにも関わらず、良いイメージを与える。
それによって購入意欲を刺激したり、購入したりする。
秦の趙高が二世皇帝に、鹿を「馬である」と言って献じた。
群臣は趙高の権勢を恐れ、「これは馬です」と答えたが、「鹿です」と答えた者は暗殺された。
慶応大学 慶応大学 昭和55年 代ゼミ偏差値 青学法60.6慶応法60.5
若き血 堀内敬三 作詞・作曲 慶應 慶應 陸の王者 慶應 http://www.keio.ac.jp/kiku/wakakichi.htm
文中で、福沢は
「欧米列強に対抗するために、朝鮮・中国の開明を待つことやめ、欧米のように処分(侵略)すべきである」という主張を展開した。
寂しげな君のくちびる、もとい日記:そんなもん、はりつけの刑じゃ - livedoor Blog(ブログ)
アジアから見た福沢の姿は
「朝鮮の近代化の過程を踏みにじり、破綻へと追いやった、我が民族全体の敵」(韓国)、
「日本の1万円札に福沢が印刷されている限り、日本人は信じられない。」といったものなのだ。
しかも日本人は、そのことすら知らない。
『自由と我儘との界は、他人の妨げを為すと為さざるとの間にあり』
二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。
所長 βlog:天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと云えり - livedoor Blog(ブログ)
「幼稚舎の歌」
福澤の 大先生の
お開きなさった 慶應義塾
Reading impression '96/12 - Hiroe's Private Library
他の人はたとえ、塾長でも「○○君」なんです。
飛ぶ鳥を見ていた。大口を空けて、体を仰け反り阿呆のように空を舞う鳥を見ていた。鳥が自由の象徴だなんてステレオタイプに過ぎて笑い種かも分からないけれど、それじゃ、自由って何さ。何処へでも行けることだし、踏む二の足がないということだし、生まれ変わりを信じないということだ。必要がないということだ。
仕事は至極簡単で、かつつまらないものだった。アルバイトのほとんどがつまらないのだろうけど、僕の仕事はその中でも群を抜いてつまらないものだと自負している。自信がある、雇用主には悪いが。
客がひとりも来ないので、頬杖を突いて馬鹿みたいなエプロンを首からぶら提げて、馬鹿みたいなカウンターに椅子を出して座っていた。店長が来ないのをいいことに、半分寝てもいた。実際見つかったらとんでもないことだ、僕はまだ辞めるわけにはいかないのだから。それがどんなに馬鹿みたいな仕事だとしても僕に金銭を齎すことには変わりがない。それに少々の借金もある。前のアルバイト先でのような失敗を繰り返すわけにもいかない。前の失敗というのは要は遅刻したのを咎められて店長を殴ったんだけれど。どんな馬鹿みたいなエプロンだって、僕の馬鹿さ加減には適いやしない。
僕の就業時間が終わる。深夜、空気が冷たくてシャッターを閉めるときに流れ込んだ外気が異様に硬かったのが印象的だった。吉田さんが僕に声を掛ける。
「裏のダンボールも入れないと」
とても澄んだ高い声が眠った脳に響く。
「ああ、オレやるよ」
礼を言うようなことでもないのに、彼女は礼を言う。だって僕はここの従業員なのだから。僕は店の裏手に回り、高く積み上げられたダンボールのひとつを両手で抱えた。屈めた腰を上げると重量が膝まで音をたてるかの錯覚で、響く。腰にくる。以前、ヘルニアで入院したことがあったので少し危惧した。視界の隅に、影。
「んしょっ」
少し喘ぐような、うめくような可愛らしい声を出して彼女はダンボールを持ち上げた。吉田さんだった。
「いいよ、オレがやるから」
僕は主張したのだけれど、彼女は持つのをやめない。
「だって、前にヘルニアやったじゃない。ふたりで片付けた方が早いし」
彼女はそう言う。それで、僕はそれ以上は何も言わなかった。ただ、感慨に耽っていた。
「あたしの方が多分力あるよ」
そう付け加えた彼女は月明かりに照らされて、美しかった。
「まだ、腰かばう感じある?」
吉田さんはそう尋ねた。
「うん、まぁ、少しね。でも大丈夫だけど」
隣を歩く彼女が覗きこむように僕の目を見る。実際、膝の皿の下あたりに水が溜まるという事態になり、注射でそれを取り除いたりもしていた。腰を庇う故の膝への負担である。自己紹介的に話した僕の入院歴を彼女はきちんと記憶し、また気遣ってもくれた。長女故の優しさか、あるいは他のもっと何か別の、よそう。
彼女と初めて顔を合わせてから暫くが経つ。随分もう同じこのシフトで働いていた。僕としてはありがたかった、何しろ僕は人見知りが激しく、またぶっきらぼうな物腰のおかげでとても接し難い人物であるのだ。
「今日は家寄る?」
彼女は尋ねる。
「コーヒー飲ませて」
僕は言う。僕は初めて彼女の部屋でコーヒーをご馳走になってから、いつもこの言葉を期待している。いつもだ。
吉田さんの部屋は可愛らしい。余計な物がなくて簡素だけれど、可愛らしい。
「まだ両親とうまくいってないの?」
彼女は言う。
「…うん、まぁね」
言葉に詰る。僕が彼女の部屋に寄るのも深夜のアルバイトをしてそれ以外の時間は寝てだけいるのも、単に僕と両親の不仲によるものなのだ。彼女はひとり暮しだが、両親とも妹とも仲が良い。それはそうだろう、彼女を疎ましく思う人間などこの世にいる筈もない。忌々しい僕に限った話だ、そんな幼稚な事は。
淹れたてのコーヒーが産声ならぬ湯気を上げる。どちらも湯のイメージ、下らない連想、下らないレトリック。僕の下らない悪癖、嫌気がさす。
「暖房利いてきたね」
紺色のニットのカーディガンを脱ぎ、七部丈のカットソー姿になった彼女は暖房を切らずに言った。決して「暑い」と言ったり、「消す」と尋ねたりしない。だから僕は彼女が気に入っている。クソ忌々しい母親みたいなことも言わないし、親父のように小言も言わない。「親友」と呼びかけたりもしないし、「ちゃんとしなよ」と余計な心配もしない。彼女は全ておいて良い塩梅で、僕と付き合ってくれる。
「ミルクある?」
「あるよ」
吉田さんは立ち上がり、台所からミルクを5つ持って来た。暗にもう二杯ばかし飲んでも良いということなのかも知れない。そういう暗喩なのかも知れない。
僕は以前は部屋に貼ってなかった壁の数枚の写真を見咎めて言う。
「あれ、これ何?」
「へぇ」
意外だった。彼女は合宿なんて行かないと思っていたからだ。例え存在したとしても彼女は断るものだと思っていたのだ。はなから考えに入ってはいなかった、当たり前だと思っていた。
「戻る気ないの?」
「いや、まだなぁ」
休学したばかりですぐさま復学するのはないにしても、いずれ、だとしても、まだそういう気にはなれないのだ。僕は「まだ」と言ったが、本当は戻るつもりはなかった。例えば彼女に会うためだけには学校に戻れない、こうして会えているからだけではなくとも。
時計は4時を回った。
「面倒なら泊まれば」
僕は面食らった。予想外の言葉であったからだ。僕の家はここから歩いてだって15分くらいだし、帰れないということはありはしないのだから。電車だって使わない距離なのだから。彼女は恐らく僕の心情と事情を理解して、そういう彼女一流の許しと癒しを持って僕に接してくれたのだろう。
「あ、もうそろそろ寝るの?」
彼女は僕と違い、朝が早い。僕は1日ぶらぶらしているだけだから良いが、吉田さんはそうもいかない。
「寝るけど、まだ平気だよ」
「じゃぁ、寝るまではいる」
僕はそう言った。
「ちょっとトイレ入ってて」
吉田さんはそう言った。僕は言葉に従い、取りあえずユニットバスの扉を開け中に入る。ガサゴソという何かをしている音が聞こえるし、胸が高鳴る。僕も馬鹿じゃないから。
「いいよ」
扉を再び開け外へ出る。彼女はゆったりとしたパンツに履き替えて、長袖の薄いTシャツに着替えていた。薄いTシャツの下は下着をつけていない。欠伸を隠す仕草で口を覆ったとき、薄いシャツに乳首の形が浮き出る。僕は心臓が破裂する。
「何か貸そうか?」
「いや、いいよ」
「じゃ、寝るか」
凄い早さで胸が打つ。彼女が目を閉じ、それで僕は彼女が何かを待っているのだと確信して彼女を抱きしめた。更にドンドンと胸が打つ。僕は吉田さんの唇を塞ぎ、薄いシャツを捲り上げた。薄明かりの中、伏せたお椀型の暖かい空気な中では蕩けそうな胸の先に口をつける。ボタンのないゴムのパンツに手を差し入れて、弄る。僕は荒い息遣いで全身を弄った。彼女は声を上げなかったが、気付かなかった。
「あのさ…」
吉田さんの声は「ああん」ではなく「あのさ」だった。聞き間違いではなく、「ああん」ではなかった。僕は突然我に返る。隆起したものも急速に恥ずかしさで萎える。似ているけれど「ああん」と「あのさ」ではすごく違う。
「ごめん、嫌だった?」
僕はわけが分からずに尋ねる。焦る。
「いや、嫌じゃないけど、するの?」
彼女はそう言った。僕は何て答えて良いものか分からない。「する」の反対は「しない」で、「するの」と尋ねるということは「しない」という選択肢もあるということで、果たしてそれは僕が選択することなのかどうか、もしくは「するの?」は「マジで?」ということかも知れない。彼女は僕を罵りはしないだろうが、そういう気持ちは存在するかも知れない。僕の唾液が付着した部分が光っていた。
僕の借金の話をしようか。
僕が少々の借金をこさえた事は話したけれど、一体どんな理由かは話していない。理由はいらないかも分らないが、簡単に言うと罰金刑だ。
僕が学校を休学してはいないが事実的には進級が不可能になった頃、毎日繁華街で何をするでもなく、ぶらぶらしていた。その頃属していた劇団での立場が急激にまずい事になっていた時期で、役も貰えなかった。演出の奴を殴ったせいでもある。わざわざオーディションを合格してまで属した劇団だし、それなりに楽しかったのだけれど、どうもうまくいかなくなっていた。その折、街で喧嘩になった。
全く僕が悪い。何故なら僕が売った。3人組の若者がいたので、そいつらに聞こえるように酷い言葉を呟いた。彼らは一目見て良い恰好しいだと分ったけれど、人並み以上にプライドが高かったらしく応じてきた。3対1の殴り合いになり、勝てそうもなかったのと異常にムシャクシャしていたのとで、刃物を出した。刺してはいないし、少々斬りつけた程度だったけれど、そこで御用になる。実刑にならず、親に肩代わりして貰い今に至るということだ。それでも釈放されるまでは地獄のようだったが。
「するの?」
彼女が悲しそうな顔でそう尋ねた後、僕はまた急速に隆起していた。
再び下着の上から当てた指を動かすと、彼女はとても大きい声を上げた。僕は勢いづいて下着の中へ指を入れて動かす。隣の部屋まで響くような声を、彼女は出す。それから僕は吉田さんの着ているものを脱がした。
「あれ?」
僕は自分のものを彼女の入り口に押し当てた瞬間、不思議な感覚に襲われる。
「あれ?」
もう1度呟く。
「あれ、あれ?おっかしいな、クソ、何でだよ」
最早泣きそうだった。
「気にしないほうが良いよ」
そして彼女はこう言った。
すごい、何もかもが嫌だった。生まれたことすら呪った。僕は学校も両親も兄弟も学友も教授も店長も災害も事件も平和も金も芸術も僕も、何もかもが嫌だった。一番は僕だった。クソ忌々しいアルバイトでこつこつ日銭を稼いで、こつこつ自身の一部分を削って量り売りするのだ。テレビをつければ、クソ忌々しいワイドショーがタレントのセックスを追いかけて、クソ忌々しい番組が馬鹿みたいな笑いを押し付ける。僕は可笑しいときには笑えないし、笑いたいときには笑えない。そういう風につくられているのだ、この国は。いやこの世界は。クソ忌々しい。
爆発しそうだった。最早爆発しか許されていなかった。殺しは許されていなかった、だから爆発しかなかった。僕は何かを巻き込むことが許されていなかった。誰かを巻き込むことを望まなかった、だから、ひとりで、誰とも関係なく、たったひとりで、誰も知らないところで、生まれ変わることを決心した。
弟に車を借りた。僕は免許を持つが車は持っていなかった。
「明日、車貸してよ」
僕は深夜にそう告げた。彼は良い返事で快諾してくれた。二階の自分の部屋で、服を数枚と現金をリュックに仕舞い、地図を用意した。明け方、まだ誰も起き出さない時間帯に自動車のキーを握り締めて荷物を背負い、エンジンをかけて出発する。さらば、僕の生まれた町よ。
国道を快調に飛ばす。明け方は車の数も少なく、頗る順調に進路を北へ向け走った。途中、お腹が空いてコンビニエンス・ストアでおにぎりを買い駐車した車の中で食べた。もう大分町からは離れた。僕は嬉しく思う。遣り直せる、僕のクソ忌々しかった人生はし切り直せる。ただ少しだけ違った、掛け違えたボタンを掛け直せるのだ。誰も知る人がいない町で、何も知らない町で、僕がどういう人間かを知る人間のいない町で。煩わしい些事や柵、絡め取られた手足の自由を、フルに、全開に、僕という人間の素を元を、僕を形作る構成する根の部分で、僕は生きることが出来る。下らないアルバイトともさよならだ。
また休憩のためにコンビニエンス・ストアに立ち寄った。
街灯が点る。
僕は携帯電話を取りだし、吉田さんに電話を掛ける。出ない。もう1度掛ける。
「はい、もしもし」
彼女が出た。
「あのさ、今何処にいると思う?」
「何?何処?分らない」
「なんと、××県にいます。さよなら言おうと思って」
「え?何?何言ってんの?」
彼女は本当に事情が飲み込めないようだ。当然と言える、何故なら僕は去るのだから。そういうものだ、別れとは。
「オレねぇ、遣り直すよ。誰も知らないところに行って、何もかも全部遣り直すんだ。弟から車を借りてさ、ここまで来たんだよ。アルバイトは後で電話して辞めるって言うんだ。お金は心配ないんだよ、実はさ、オレ結構貯金あるんだよね。50万くらいはあるんじゃないかな。朝、銀行が開いたら一番に金おろして、それで、部屋借りるんだ。多分、足りるし、当座暮すには困らないと思う。親に払う借金を返済滞らせてさ、密かに貯めていたんだよ。それで、部屋決まったら仕事探すんだ。オレひとりが暮す分ぐらいは稼げるよ、オレ若いし。そしたら、遊びにおいでよ」
僕は言いたいことを早口で、興奮しつつ一気に喋った。
「車貰っちゃうの?」
彼女は訊く。
「いや、返すよ。だって維持出来ないし、可哀相じゃない。落ちついたら弟だけには連絡して、取りに来て貰うんだ。そしたらオレが生きてることも親には知らせて貰って、捜索とかも止めて貰う」
「心配してるよ」
「あいつらの心配なんか関係ないよ。オレの気持ちは分からないんだもの。育てたのはあくまで「息子」であってオレじゃないんだから」
「そんなに働けないよ、大変だよ」
「大丈夫だよ」
「腰は?痛くならない?」
「それも大丈夫だよ」
少しの沈黙があった。
「何で何処かに行かなきゃならないの?」
「同じ場所にいたら何も変われないからだよ」
「違う場所に行ったら変われるの?」
「多分」
「あたしを嫌になっちゃった?」
「そういうことじゃないよ。だから、生まれ変わるためには全部捨てなきゃならないんだって」
僕は少々イラついていた。水を差された気になっていたのだ。
「この前のこと、気にしてるの?」
「違うって!」
つい怒鳴ってしまう。
「オレの人生だ、オレの人生だ、オレの人生だ。好きなことをして暮すんだ、何も煩わしいことに関わらず、オレは本来のオレのままで、オレの人生なんだ!」
僕は興奮していた。
「今まで、本当じゃなかった?」
「あたしと会っていたのは違かった?それも本当じゃなかった?辛かった?」
僕は答えられなくて沈黙した。そして重い口を開いた。
「だって、付き合えないもん。彼氏いるもん、何も思い通りにならないもん、バイトして、家に帰って、寝るだけだもん」
「あたしと付き合えれば帰るの?だったら、いいよ。付き合おう。だから帰ろう?」
「彼氏は?」
「別れる」
「違うよ、違うもん。それじゃ、意味ないもん」
涙が何故か止まらなかった。さえずる小鳥のように止まない。
「ねぇ、好きなことって何?」
彼女は尋ねる。
「分らない」
「見つからなかった?」
「うん」
「見つけようか」
「うん」
だけど涙は止まらなかった、ただ眩いコンビニエンス・ストアの明かりが滲むのを見ていた。彼女は静かに言う。
「帰ってきて」
「うん」
僕は車の中に常備したティッシュペーパーの箱から数枚を抜き取り、思いきり鼻をかんだ。キーを回し、サイドブレーキを下ろす。ぼんやりと浮かんだ月から漏れた光りが白い車体を照らして、僕は誰も知らない土地で生まれ変わり損なった。
吉田さんの部屋の前で車を止める。彼女は僕が車を着けるずっと前から部屋の扉の前で、二階の柵ごしに階下を見下ろしていた。車のドアを開けて体を半分出して見上げると彼女は真っ青な顔色で今にも倒れそうなぐらい儚げにその華奢でか細い体をやっとの思いで支えているように見えた。彼女の吐く息は白く、そしてまた僕の吐く息も白い。
「おかえり」
頬を紅く染めて、安堵した顔つきで吉田さんは言う。
「ただいま」
僕は言う。
コインパーキングに車を停めて、彼女に連れられ部屋の中へ入る。力なく吹いた風の力ですら吹き消えそうな程彼女の体は軽い。よろける彼女を後ろから支えた僕は思う。そして驚く程冷たかった。暖かな暖房の利いた部屋で、紅潮した顔のまま彼女は熱いコーヒーを淹れてくれた。ぽつぽつと話し出す。
「いいところだった?」
「景色さえ変わらなかった」
「そう」
異変に気が付き、瞳の潤んでいた吉田さんの額に僕は手のひらを当てた。良い匂いがふわりと漂う。
「熱あるじゃん」
「平気よ」
彼女は笑って言った。
「ただちょっと暑いだけ」
「布団敷くから、横になりなよ」僕は慌てて布団を敷く準備をする。
彼女はにこりと朝露の弾ける様のような笑みを零した。苦しさは微塵も見せずに。
薄明かりの中、彼女は僕の手を握る。
「もし迷惑じゃなかったら、手を握らせていて」
咳き込みながら言う。僕は首を左右に旋回させて、掛け布団を捲り体を滑り込ませる。彼女は「うつる」ことを危惧したが、僕はそんな些事を物ともしなかった。取り合わなかった。
「不安だったの」
弱弱しい声で彼女は言った。彼女の常は気丈で、ついぞ聞いたことのないような微弱な周波であった。彼女は僕のズボンの股間に手を這わせた。地形のアップダウンをなぞりひた走るラリーカーのように、布に浮き出た隆起を指で擦った。僕は何も言わなかった。ゆるりと伝わる快感に身を任せていた。布団の中の暗闇で、見えぬところで、僕のズボンのボタンが外されジッパーが下ろされた。下着の上から力任せに擦る。
彼女の手の平は汗がじっとりと滲み、湿気の多い指で、心得た動きで、僕を誘導した。短く空気を切るような吐息が僕の口から漏れる。奮い、僕は彼女の手の甲に自らの片方の手を添えて、静止した。
「大丈夫だから、しようよ」
彼女はまた咳き込み、言う。
僕はゆっくり首を振った。
「違うよ、あたしがしたいの」
手の平を彼女の両目を覆うように翳して、僕は言った。
「今は体が大事だよ」
「大丈夫だよ、ねぇ、触って」
彼女は明らかに何かを焦った。そして僕は告げる。
「吉田さんが大好きです。何よりも好きです。眩しくて、頭の芯が痺れて、でも自分を省みたときに、だから嫌になる。だから変わろうと思った。でも実際は逃げただけだった」
しばしの静寂が息を呑む。
「オレ童貞なんだよ」
彼女は目を丸くしていた。僕は笑わなかった。
「分った、大人しく寝る」
切迫感のない表情で静かに言った。閉じた目で何か考えた後、瞼を勢い良く開けて彼女は言う。
「口か手でしてあげようか?」
「え」驚き、躊躇する。
「ご褒美」
そう言って彼女は布団の暗闇の海、奥深くに身を沈めた。
僕は演じていた。長い間、ずっと演じ続けていた。
初めて物言えぬ恐怖を覚えてからというもの、中断なく設定した役でい続けた。その僕は、臆することなく人並み以上の胆力を持つ。髪の毛の色を奇抜にすることでピアスを沢山開けることで人々の好奇な視線に晒されることで、周囲の恐い視線に怯える僕を畏怖の対象へと格上げさせた。ケンカを振っかけることで、襲う側へ回ろうと思った。全ては遠ざけることで僕という個を見つけ易くする目的であった。本当の自分は分らなかった。奇しくもそんな僕が劇団に属し、役者という付加価値を欲した。僕は役者ではなかった。演じていたが、役者ではなかった。ラインが曖昧になり、殊更僕が分らなくなった。
幕が降りた後も僕はステージに上がり続けていた。観客は帰り、拍手のないところで、僕は演じ続けた。
ファッション、薀蓄、趣味嗜好、どれも僕は救ってはくれなかった。もがき、救いの船を待った。
そして天啓、変わらなければ。
この宇宙の下、僕はもがき続けた。
下らない世界、下らない日常、思いは変わらない。無限の可能性を持たされて生まれた筈なのに、僕に出来ることはあまりに少ない。
希望があった。
それは小さくだが、微かに光を発した。
この宇宙の下、僕は生きていた。
下らない世界、下らない日常。固定された首も癒え、あたりを見回すと僕は生きていた。死んだ方がましだと思っていたことはそうでもなかった。死ぬ程ではなかった。何故なら僕は生きていたのだから、それを手放す程ではなかった。気持ちが良かった、気持ちが良かった。
僕は自由に向けて旅立つ。野放図な精神が蔓延る地へではなく、自らの由に向かい、僕の僕の、僕へ。自由はアメリカにはなかった、自由はほかの素晴らしいくににもなかった。他の何処でもない僕の心の平原にあったのだ。生きるのならば、ここで生きる。理由が必要なら彼女のいるここで。