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http://www.xbox.com/ja-JP/report/20080610.htm
Xbox 360 の RPG ジャンルに新たな新作が続々登場
6 月 10 日都内某所にて、Xbox 360 で今後発売を予定している RPG タイトルの発表会「Xbox 360 RPG Premiere 2008」が開催されました。これまでも Xbox 360 は RPG タイトルに力を注いできましたが、今回のようにファーストパーティー、サードパーティー合わせて、“RPG 新作タイトル” に限定した発表会は初めて。それだけ、メディアからの注目度も高く、会場には溢れんばかりのプレス関係者が詰めかけました。
昨年夏からの「テイルズオブヴェスペリア(TOV)」、「インフィニットアンディスカバリー(インアン)」、「ラストレムナント(ラスレム)」に加えて、先日発売された「スターオーシャン4(SO4)」と、「次世代機のRPG」=「XBOX360」と言わんばかりの攻勢を仕掛けてきたXBOX360陣営。
しかし、日本人になじみ深い「J(日本式)RPG」路線を全面に押し出して日本での存在感を強める戦略は思ったほどの成果をあげる事は出来なかった。最近発売された「スターオーシャン4(SO4)」は売り切れが発生している所もあったようだが、これは貧弱な流通網による所が大きいだろう。昨年TOVでも類似の現象が全国各地で多数発生したにも関わらず、総販売本数が20万本にも届いていない事がそれを物語っている。4本目のSO4も発売2週目で販売ランキング20位圏内から脱落した(メディアクリエイト調べ)。
(廉価モデルの)本体価格は一番人気のWiiよりも安く、最上位モデルはPS3と同価格で、日本人受けすると見られていたJRPGを8月(TOV)、9月(インアン)、11月(ラスレム)、年あけて2月(SO4)と連続で発売。ハードウェアベンダーであるマイクロソフトも少なからず本体普及を期待していたはずだ。
しかしそれも限定的なものに終わった。TOV、インアンの場合、ソフトが販売された週から一ヶ月と持たずに効果が切れてしまっている。第三弾ともいえるラスレムに至っては、前週の販売台数を約5000台押し上げただけだった、SO4はそれより伸びたものの、翌週で効果は切れてしまった。もっともラスレムの場合、最初からPS3版の発売を予定していた事による買い控えを考慮する必要があるだろうが。
それと入れ替わるようにして、ライバルのPS3が急伸しているのも見逃せない。昨年末の「白騎士物語」や先月の「龍が如く3」はどちらも50万本に届こうかという勢いで売れ、その直後にXBOX360版と同時発売ながら「バイオハザード5」でも売り上げ・本体普及で大きく勢いをつけたPS3と完全に明暗を分けた形となっている。マニアックな人気を博した「デモンズソウル」も注目を浴びた。
では海外ではどうかというと、実は日本以上に「惨敗」を喫している。TOVは北米では約12万本、インアンは北米20万本と欧州10万本アジア2万本、ラスレムは北米19万本と欧州14万本、SO4は北米6万本前後と、一千万台の累計販売台数を誇る市場であることを考慮するとあまりにも少ない。特にSO4は、前作(SO3)が北米でも初月22万本売れたのと比較すると凋落ぶりが顕著だ。
国内ソフト売上本数はそこそこ結果を出したものの、海外の売り上げと国内のハード普及効果はどちらも「惨敗」に近い結果となった。おそらく大規模な赤字をたたき出したと思われる。ゲームソフト開発の中でも特に長い期間と人員を投入するRPGで、しかもPS2よりも高精細なグラフィックが要求されるとなれば巨額の予算を投入されたはずだ。日本のRPG分野を牽引してきた二社がこれらに対する総括をどのように行うのかが、既に海外では蔑称となりつつある「JRPG」の立て直しに不可欠のように思う。
スターオーシャン4発売 「綺麗なだけのRPGとは訳が違う!」
スターオーシャン4 Xbox360用「スターオーシャン4」【AA】が19日に発売になった。製品情報では『SF+ファンタジーの世界観。壮大な世界の起源となる物語』・『爽快感あふれるリアルタイムアクションバトル』などを謳っていて、ソフマップ本館では『スターオーシャンが好きすぎるスタッフが声を大にしてオススメする 綺麗なだけのRPGとは訳が違う!』とかだった。
秋葉原のゲームショップの店員が感じる「前世代機ソフトとの差異」というのが一般人にどの程度認識できるのかという問題もあるけど、それを差し引いてもSO4は「綺麗なだけのRPG」から脱しているとは言い難かった。
昨年同ハードで発売された「テイルズオブヴェスペリア」「インフィニットアンディスカバリー」「ラストレムナント」にも言える事だけれども、開発サイドの「RPGとはこういうものだ」という思想が旧態然としているように思えてならない。身も蓋もない言い方をすれば、グラフィックに妥協さえすればPS2でも作れそうなゲームばかりだった。
まあ、PS2時代に長く支持されてきただけに、そういった方向性自体を否定するつもりはないけれども、不振が続く日本国内での挽回を目指すタイトルとして適切だったかどうかは少々疑問符が残るラインナップだったように思う。こういう時こそ、他の競合ハード(Wii、PS3、そしてPS2)には絶対に真似できない!というような方向性のゲームを打ち出すべきだったんじゃないだろうか。
おそらく、固定ファンの多い人気シリーズの続編でコアな層を取り込む事をXBOX360の「仕切り直し」の第一歩となる予定だったんだろう。しかしそのコアな層そのものが、既にPS2的なアプローチで作られたゲームに飽きてしまっていたように思う。それと新規ハードを購入させるというハードルの高さが重なって、PS2時代の前作の半分以下にまで売り上げを落とす事になったのではないかと思う。
本体発売から3年4ヶ月ほどが経過しているXBOX360だが、その間に10万本以上売れたソフトはたったの10本しかない。ソフトラインナップや本体価格で不利なはずのPS3ですらその倍以上はある。Wiiはさらにその倍近い40本弱。
特にこれら4本のRPG群は海外展開を強く意識したタイトルだったはずだが、しかし海外でもそれほど売れたというわけでも無い。1000万台以上普及している北米ですら日本の売り上げの2倍にも届いていない状態。
ここ1、2年でXBOX360に傾倒したメーカー側が「仕切り直し」を迫られるのは不可避だろう。これから参入を考えているメーカーにも重い意味を持つ数字になってくるような気がする。
集計期間は2007年12月31日から2008年12月28日まで。全て手打ちなので誤認やタイプミスの可能性大いにあり。
メーカー名に関しては、開発と販売が別会社という形態が結構あるけどその辺は面倒くさいので無視。
順位 | タイトル | 発売日 | メーカー | 販売本数 |
---|---|---|---|---|
1 | Wii Fit | 20071201 | 任天堂 | 2149131 |
2 | マリオカートWii | 20080410 | 任天堂 | 2003315 |
3 | 大乱闘スマッシュブラザーズX | 20080131 | 任天堂 | 1747113 |
4 | 街へいこうよ どうぶつの森 | 20081120 | 任天堂 | 895302 |
5 | Wiiスポーツ | 20061202 | 任天堂 | 841736 |
6 | はじめてのWii | 20061202 | 任天堂 | 602625 |
7 | Wii Music | 20081016 | 任天堂 | 323882 |
8 | マリオパーティー8 | 20070726 | 任天堂 | 256832 |
9 | 太鼓の達人Wii | 20081211 | バンダイナムコ | 251183 |
10 | DECA SPORTA | 20080319 | ハドソン | 241701 |
11 | マリオ&ソニックAT 北京オリンピック | 20071122 | 任天堂 | 231056 |
12 | リンクのボウガントレーニング+Wiiザッパー | 20080501 | 任天堂 | 227621 |
13 | テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士 | 20080626 | バンダイナムコ | 212408 |
14 | スーパーマリオスタジアム ファミリーベースボール | 20080609 | 任天堂 | 204553 |
15 | スーパーマリオギャラクシー | 20071101 | 任天堂 | 197442 |
16 | ファミリートレーナー | 20080529 | バンダイナムコ | 131489 |
17 | ファミリースキー | 20080131 | バンダイナムコ | 123285 |
18 | ワンピース アンリミテッドクルーズ エピソード1 | 20080911 | バンダイナムコ | 117249 |
19 | カラオケJOYSOUND Wii | 20081218 | ハドソン | 115051 |
20 | ワリオランドシェイク | 20080724 | 任天堂 | 114263 |
順位 | タイトル | 発売日 | メーカー | 販売本数 |
---|---|---|---|---|
1 | メタルギアソリッド4 | 20080612 | コナミ | 686254 |
2 | デビルメイクライ4 | 20080131 | カプコン | 310102 |
3 | ワールドサッカーウイニングイレブン2009 | 20081127 | コナミ | 297896 |
4 | 龍が如く 見参! | 20080326 | セガ | 270438 |
5 | グランツーリスモ5プロローグ SpecIII | 20081030 | SCE | 223837 |
6 | ガンダム無双2 | 20081218 | バンダイナムコ | 206438 |
7 | 白騎士物語 | 20081225 | SCE | 203033 |
8 | グランドセフトオートIV | 20081030 | カプコン | 195779 |
9 | ドラゴンボールZ バーストリミット | 20080605 | バンダイナムコ | 163010 |
10 | 戦場のヴァルキュリア | 20080424 | セガ | 141589 |
11 | 侍道3 | 20081113 | スパイク | 125791 |
12 | ソウルキャリバーIV | 20080731 | バンダイナムコ | 120213 |
13 | プロ野球スピリッツ5 | 20080401 | コナミ | 103545 |
14 | リトルビッグプラネット | 20081030 | SCE | 99984 |
15 | コールオブデューティ4 | 20071227 | アクティビジョン | 93265 |
16 | 魔界戦記ディスガイア3 | 20080131 | 日本一ソフトウェア | 93227 |
17 | アーマード・コア フォーアンサー | 20080319 | フロムソフトウェア | 87683 |
18 | アサシンクリード | 20080131 | UBIソフト | 82459 |
19 | グランツーリスモ5プロローグ(BD版) | 20071213 | SCE | 80202 |
20 | 頭文字D エクストリームステージ | 20080703 | セガ | 78330 |
順位 | タイトル | 発売日 | メーカー | 販売本数 |
---|---|---|---|---|
1 | テイルズオブヴェスペリア | 20080807 | バンダイナムコ | 161070 |
2 | ラストレムナント | 20081120 | スクウェアエニックス | 134611 |
3 | インフィニットアンディスカバリー | 20080911 | スクウェアエニックス | 112444 |
4 | アイドルマスターL4U | 20080228 | バンダイナムコ | 75272 |
5 | グランドセフトオートIV | 20081030 | カプコン | 59893 |
6 | デビルメイクライ4 | 20080131 | カプコン | 55259 |
7 | ソウルキャリバーIV | 20080731 | バンダイナムコ | 53403 |
8 | フォールアウト3 | 20081204 | ベセスダ・ソフトワークス | 49543 |
9 | NINJA GAIDEN2 | 20080605 | テクモ | 48945 |
10 | あつまれ!ピニャータ(プラチナコレクション) | 20080710 | マイクロソフト | 45695 |
11 | フォルツァモータースポーツ2(プラチナコレクション) | 20080710 | マイクロソフト | 44734 |
12 | FableII | 20081218 | マイクロソフト | 43682 |
13 | エースコンバット6(プラチナコレクション) | 20081106 | バンダイナムコ | 41880 |
14 | ビューティフル塊魂(プラチナコレクション) | 20081106 | バンダイナムコ | 41492 |
15 | アーマード・コア フォーアンサー | 20080319 | フロムソフトウェア | 40391 |
16 | ガンダム オペレーショントロイ | 20080626 | バンダイナムコ | 38713 |
17 | ガンダム無双2 | 20081218 | バンダイナムコ | 34988 |
18 | コールオブデューティー4 | 20071227 | アクティビジョン | 28851 |
19 | アイドルマスター(プラチナコレクション) | 20071101 | バンダイナムコ | 28005 |
20 | バトルフィールド バッドカンパニー | 20080626 | エレクトロニックアーツ | 27604 |
順位 | タイトル | 発売日 | メーカー | 販売本数 |
---|---|---|---|---|
1 | スーパーロボット大戦Z | 20080925 | カプコン | 480093 |
2 | 無双OROCHI 魔王降臨 | 20080403 | コーエー | 411019 |
3 | ペルソナ4 | 20080710 | アトラス | 294214 |
4 | 真・三國無双5 Special | 20081002 | コーエー | 277182 |
5 | ガンダム無双 Special | 20080226 | バンダイナムコ | 223328 |
6 | 実況パワフルプロ野球15 | 20080724 | コナミ | 213551 |
7 | プロ野球スピリッツ5 | 20080401 | コナミ | 199789 |
8 | Jリーグウイニングイレブン2008 | 20080821 | コナミ | 196788 |
9 | テイルズオブデスティニー ディレクターズカット | 20080131 | バンダイナムコ | 142301 |
10 | 涼宮ハルヒの戸惑 | 20080131 | バンダイナムコ | 139425 |
11 | 龍が如く2(PS2 the Best) | 20071206 | セガ | 136809 |
12 | ワールドサッカーウイニングイレブン2008 | 20071122 | コナミ | 135128 |
13 | ガンダム無双2 | 20081218 | バンダイナムコ | 132140 |
14 | デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 | 20081023 | アトラス | 124725 |
15 | ドラゴンボールZ インフィニットワールド | 20081204 | バンダイナムコ | 123691 |
16 | フェイト/アンリミテッドコード | 20081218 | カプコン | 107040 |
17 | 必勝パチンコ・パチスロ攻略シリーズVol.12 | 20080626 | D3パブリッシャー | 106852 |
18 | スーパーロボット大戦OG外伝 | 20071227 | バンダイナムコ | 97422 |
19 | 遙かなる時空の中で4 | 20080619 | コーエー | 80940 |
20 | 桃太郎電鉄15(PS2 the Best) | 20080207 | ハドソン | 80197 |
さすがに3年目も任天堂製ソフトの独走が続くのはまずいんじゃないだろうか。サードパーティーにとっても、普及台数相応に「うま味」のあるハードである事が求められ始めるように思う。そろそろサードへの「てこ入れ」をしないと携帯機へ逃げるメーカーも増えていくだろうし、時間が経つほどHDゲーム機のノウハウもこなれていくだろうから、PS3への「揺り戻し」が来るかもしれない。
あるいは、この2年間のサードパーティーの試行錯誤が結実したソフトが出始めて、ますます盤石な体制へと移行していくか。
まもなく累計販売台数が300万台に届く事もあり、ミリオンタイトルが期待される一年になるはず。今年発売予定とされているFF13の結果次第か。発売から4日で7位にランクインした「白騎士」は今年もランク入り確定っぽい?また「龍が如く3」が「見参!」に引き続いて健闘の予感。
先日発売された「スターオーシャン4」が初週販売記録を大幅更新し、累計販売本数の記録更新も確実視されている模様。とはいえ、ハードウェア普及の牽引効果は一ヶ月と維持できないだろう。
ちなみに現在の記録保持タイトルは「ブルードラゴン」なのだが、発売当時の累計販売台数は20万台弱だった。それから2年3ヶ月経過し、まもなく累計100万台を越えようかというこの時期になるまで「ブルドラ」より売れるソフトが現れなかった事を考えると、市場規模そのものはさほど拡大していないと思われる。人気タイトルが出るたびに一時的に伸びるものの、後が続かず数週間で元に戻るというパターンを繰り返しているようだ。
他に日本人受けしそうなタイトルの情報も今のところ無く、象徴的なソフトだった「アイドルマスター」がPSPへ移植された事もあり、今年も厳しい一年になるか。
ただし、市場が小規模に限定されているが故に販売予測が立てやすいという点がメーカーや小売店には好まれているようで、とりあえず存在感が失われる事はなさそう。もっとも、それが普及を阻害する要因にもなっているわけだが。
さすがにソフト発売本数はWiiを上回っているものの、タイトルごとの販売本数に全盛期ほどの勢いは感じられず、発売ペースも2006年332本、2007年241本と順調に縮小しつつあるのも確か。おそらく今年はPS2が現役で居られる最後の一年になると思われる。
PS2用ソフトの開発ラインを縮小した中小メーカーは専ら携帯機にシフトすると思われるが、これらをいかに自陣の据え置き機に誘導するかが各ハードウェアベンダー(任天堂、SCE、MS)の勝負所になるのでは。
カプコン辻本氏、スクエニ和田氏、バンナム鵜之澤氏が今後の戦略や展望を語る
次に、日本のゲーム業界が持続的に成長していく上で求められるのはグローバル化を突き進めることであると、基調講演第1部で和田氏が語った内容を踏まえ、パネリストが考えるグローバル化とはどういったものか、また各社のグローバル化が現在どの程度実現されているのか、ということが尋ねられた。それについて和田氏は、「今はまだ世界中の人たちにスクウェア・エニックスの名前や作品を認知しているもらっている段階であり、理想からするとまだ1合目から2 合目ぐらい。危機感を持って相当なスピードでやらないと間に合わないかもしれない」と、やや謙遜気味な見解を示すとともに、グローバル化についてもかなり険しい目標を掲げて取り組んでいることを示唆した。
また辻本氏も「まだ3合目ほど」と、こちらも欧米で多数のヒット作を送り出しているカプコンとしてはかなり厳しめの見解であった。この点について辻本氏は、「カプコンはグローバル戦略を掲げ、開発はその目線でしっかり取り組めているが、経営サイドの理解度が低く、全社的なグローバル化にはほど遠いから」と指摘した。
日本と海外の売り上げ構成比については、和田氏、辻本氏ともに、世界のゲーム産業の売り上げ構成比に準じるようにしていきたいというのが理想とした。
グローバル化、なんて大げさな言葉を使ってるが、詰まるところ「アメリカ人に売れるソフトを作りますよ。ホームである日本は二の次にしますよ。」という事でしかない。時間が経てば結局そうなるのは目に見えてる。
それはつまり、ホームで圧倒的な地位を占めている北米メーカーの後塵を拝する事を自ら選択しているも同然で、せいぜい良くても2番手3番手に付ければそれで良しという事の裏返しでしかない。
最大市場である北米を制するためには、自らが新しいルール、新しい価値観を想像し、相手をそれに従わせる事から始めるべきではないのか。まさにそれを実行した任天堂の全世界的な成功を見ればそれは明白だろう。もしくは、日本に対して「北米の価値観」を押しつけるという荒技もあるが、スクエニ、カプコン、バンナムともにシリーズ物が根強く定着している、ホームとも言えるこの国でそれほどの冒険をする覚悟が出来ているのか甚だ疑問だ。
カプコンは、2008年3月期に日本、北米、欧州全てで売り上げを伸ばしているが、比率としてはまだ日本が最も大きくなっている。
スクウェア・エニックスは、2007年3月期こそ、北米や欧州で比較的高い売り上げを達成しているが、全体的に見ると、日本での販売比率がかなり大きいことがわかる。
バンダイナムコゲームスは、発売するタイトル数が多いこともあり、販売本数も非常に多くなっているが、やはり日本が中心となっている。その中で、2008年3月期では北米での苦戦が見られるのに対し、欧州では大きな伸びを示している。
日本人受けするソフトばかりを抱えているメーカーが「グローバル化」の名の下に北米依存を進めるのであれば、各メーカーとも日本で受けたシリーズ物を完全に捨て去るほどの覚悟が必要だろう。そしてアメリカ人受けするジャンルへの積極的な進出をしなければならない。そして最初の数年は「返り討ち」を経験する必要もあるだろう。バンナムは「テイルズオブヴェスペリア」、スクエニは「インフィニットアンディスカバリー」でそれを最近経験したばかりのはずだ。
カプコンではグランドセフトオートシリーズが日本で50万本以上売れたり、東京ゲームショウにおいても、海外タイトルでは待機列ができることが少なかったが、最近では1時間待ちになるタイトルも登場しているとしつつ、「日本のユーザーも徐々に海外のゲームに慣れ親しんできているのではないか。今後は一般消費者の方々の意識的な部分も含めてグローバル化していくと思う」と語った。
また和田氏は、「海外ゲームは非常に良くできている。海外ゲームをプレイしている時間の方が長いんじゃないかと思うぐらいだ」と語る。
これがまさに、前述の「日本に対して『北米の価値観』を押しつける」に繋がるわけだが、それはつまりこの国の体質を、北米のメーカーが参入しやすい(日本のメーカーを駆逐しやすい)環境に作り替える結果に終わるというリスクも抱えているわけだ。
3氏の語る内容は、当然それぞれの会社の方針や立場もあるため微妙に異なっていた。しかし、基本となる部分は皆同じで、グローバル化を推し進めるだけでなく、自分たちの能力に自信を持って取り組めば、十分世界でトップを目指せられるというものであった。まだまだ悲観的な見方をする人が多いのも事実ではあるが、日本のメジャーゲーム企業のトップがこのように考えていさえすれば、日本のゲーム業界の未来は非常に明るいと言っていいのではないだろうか。
「世界」=「アメリカ」という現実がある以上はアメリカに合わせるしかないわけで、それがいやなら任天堂並みの事をしない限り絶対不可能だと断言してもいい。日本のメーカーであるならば日本人に受ける物を徹底し、それをもってして海外の客層に面白がらせていく過程を踏む事が「世界制覇」の近道だと思う。
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000018072008
個人的な推測だが、スクウェア・エニックスが最終的に決断したのは、コナミが6月に全世界同時発売したPS3独占タイトル「メタルギアソリッド4(MGS4)」の販売状況を見てからではないかと思われる。MGS4の開発コストは70億円とも噂されており、FF13に近い巨大プロジェクトである。70億円の元ネタってこれだろ?
I heard MGS4 costs 70 million. Which actually sounds ludicrous to me, but in a way it doesn’t if you factor int he MGS4 and MGS online...and the tons of cinematics and long development time...it could get up to that.これを発言したCory Barlog氏ってのは、ゲーム「ゴッドオブウォー」シリーズのディレクターやってる人で、メタルギアシリーズどころかコナミと関係ない人だろう。同じゲーム業界の人とはいえ、この「噂」を根拠に「それでもワールドワイドでの販売本数としては、開発費を考えれば必ずしも多くはない。」と推測を立てるのはちょっと杜撰じゃないか。あと、
しかし、DVD2枚組みにするなど、方法は考えられる。MGS4がBDの容量(約50GB)ギリギリまで使い切っているというのは、小島秀夫が各種媒体で明言しているんだから「2枚組にするなど」という喩えも無茶がありすぎる。単純計算でも6枚は必要なはずだろうに。
同社は9月に「インフィニットアンディスカバリー」(Xbox360)、年末に「ラストレムラント」(PS3、Xbox360)、来年春に「スターオーシャン4」(PS3、Xbox360)と新しいブランドを投入するが、上位に食い込めるかどうかはわからない。市場の好みが変わってきているからだ。この点については同感。ただ、スクエニやバンナムが「虎の子」の自社ブランドRPGを「まずはXbox360で」とする体制が、北米市場への参入を意識したものかどうかはちょっと疑わしいと個人的に感じている。