・思ったよりも続いている。入った当初は3ヶ月持たないんじゃないかと思った。
・でも、お店の責任者である経営者一家がかなりのズボラなせいで、困る事がよくある。
・経営者陣から一方的に、「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」を押し付けられている気がする
・あんまりにも従業員教育がいい加減なので、このままこの店に勤め続けると、コンビニアルバイトの最低限の水準にも達せずに月日だけが過ぎてしまい、後で何かあって他店に転職してから大恥をかくことになりそうな予感がする。
・けど、もう三十路はとっくのとうに過ぎ、四十路にもあと数年で手が届くという歳になったくせに、働きやすい環境を与えて貰う事を期待しているばかりなのは、どうなの?とも思うのである。
・ 昨年末に、イケメン正社員氏が唐突に、愚痴とも進路相談ともつかない事を私に話した事があった。
・イケメン正社員には、子供の頃からどーしてもなりたい職業があって、一度はその業界に飛び込んでみたものの、しょうもない失敗を繰り返して先輩に嫌われたとか何とかで、リタイアした経験があるらしい。
・でも、一度は諦めたけど、やっぱりその仕事自体はすごく面白かったので、再挑戦したいという気持ちが抑えられないのだそうだ。
・その憧れの仕事とは、例えばお笑い芸人とか声優とかそういう、あまりにも狭き門過ぎて突飛な職業ではなく、世のため人の為に必要な仕事だし、人手不足の今なら採用され易いと思われるし、ちゃんと勤まれさえすれば、経済的にはわりかし安定出来そうな職ではあるけど、ブラックみの強い職であるというのは世間によく知られている。そんな職業だ。
・イケメン正社員氏はひとしきりその仕事の楽しさを語ったが、実はオーナーに転職の話をまだしていないんだけど、どう切り出したらいいのかわからない、と嘆息した。
・オーナーはイケメン正社員氏の事を孫みたいに可愛がっているし、オーナー自身も脱サラ夢追い人なので、イケメン正社員氏の希望を聞いてカンカンに怒るとか、すごい勢いで引き留めて来るとかいう事はないんじゃないかなぁ。むしろ応援してくれそうじゃん?
「だったらいいんすけどねー……」
と、しょんぼりしていた。
・問題は、イケメン正社員氏が抜けると夜勤担当者がいなくなってしまうことだ。オーナーがいいと言っても、店長の奥様が反対しそう。
・イケメン氏が憧れの職業の素晴らしいところを列挙するのを聴いていて思ったのは、この子はその仕事に一度は就いた事があるといっても、結局それは「お客さん状態」に過ぎなかったという事だ。お客さんとして先輩方からおもてなしを受けていただけだもの、そりゃ楽しいに決まっている。
・イケメン正社員氏も、若いったってオッサンオバサンばかりの社内では飛び抜けて若いってだけで、よその会社ならそろそろ責任ある仕事や後輩の指導を任されたりするようなお年頃なんだし、転職したら最初から先輩達から気を遣われまくって甘やかされるばかりではいられまい。きっと楽しいだけでは済まないだろう。
・イケメン正社員氏には「池面さんならきっとなれるよ」とだけ言った。
・その後、イケメン正社員の転職が決まったかどうかは、知らない。
・新人ちゃんが体調を崩したらしい。働き過ぎのせいだと相棒は言った。
・一昨日、超忙しい時間帯に、オーナー経営の他店舗(新人ちゃんは掛け持ちでその店舗でも働いている)の店長が、当店に電話をかけてきた。新人ちゃんが具合が悪いと言っていたが、新人ちゃんは今夜のシフトにちゃんと出られそうか?と聞かれた。
・知らねーそんなの。本人に聞け。
・と思ったけど、前半だけやんわりした言葉遣いで申し上げ、丁寧に電話を切った。忙しかったので。
・新人ちゃんが病気で来ないかもしれない!ああどうしようどうしよう!と、騒いでいたわりに、他店舗店長はその件をこっちの店長には連絡しなかったらしく、昨日は新人ちゃんのドタキャンにより、夕勤の出勤時間五分前になって私に出勤要請が来たが、私用で出られなかった。
・ほんといい加減だよな。
・年末に『コンビニ人間』を読んだ。以前書いた日記に「コンビニ人間だ!」というブコメがいくつかついたからである。
・コンビニ人間は、主人公がコンビニの妖精みたいになっちゃう話だけど、私は最近、逆にこの店は自分の働く所としてどうなのか、という事をよく考える。
・お店の歯車になるのではなく、お店を多少自分の為に変えたい、という事。
・具体的に言えば、自分の職場が当店だと人に話した時に「あんな店で働いてるの?」とドン引きされたくないので、誰もやろうとしない掃除を自分がやり、愛想の良い接客もしようとか、そういう事。
・当店のパートバイトの人達の殆どは、当店を働き易い職場として使い捨てる気しかないんだな、と思う。
・皆、給料さえ貰えればそれでよくて、勤務時間が過ぎるのをただ待っているだけだから、当店はやたら汚ないのだ。
・店長もオーナーも殆ど文句を言わない。言って辞められるよりはマシなのだろう。
・私も、もっとマシな職場へ転職する事を考えたけど、そうやって逃げ回って、マシな職場とは、一体どこにあるのだろう?永久にたどりつけないのではないかと思うのである。
・あてもなくマシな職場とやらを探すよりも、自分の力で私が働くに価する職場に変えてはどうかと。ただ、勤務時間中一度も立ち止まらずに働けばいいだけの事なのだから。
イケメン正社員さんと結婚すれば良いじゃん、悩みを持ちかけられるくらい頼りにされてる仲なんでしょ??
箇条書き助かる