お肉の火入れは食中毒リスクとかあるので、ステーキ警察も警視庁が乗り出してくる分野。
友達とか、肉を食べたいときにウチに遊びに来るくらいだから、結構おすすめ。
<ダイジェスト>
超長文なので、先に焼き方のダイジェストだけ。
1.肉を用意する。2センチ以上の厚さで筋が極力無いものを選ぶ
2.焼く直前に肉に塩を振る。肉の重量の0.8%が目安。(150gの肉なら1.2g)胡椒は振らない。
3.魚焼きグリルに火を入れる。
4.フライパンを強火をかけ、油を入れて煙が出るくらいまで熱くする。
5.肉を焼きはじめる。片面1分〜1分半を目安に両面焼く。焼き色がついたらOK。火はずっと強火
6.肉をアルミホイルで包み魚焼きグリルの火を消して、グリルの中に入れる。
7.5分くらいしたところで、料理用の温度計をぶっ刺して肉の中心温度を測る。
8.中心温度が48度〜56度になったら完成(この辺は好み)
9.中心温度が足りなければ5〜7の工程を繰り返す。2回目以降は焼きすぎ注意なので片面30秒ずつ焼く。
10.最後に胡椒を振ったら完成。好きなソースとかわさび醤油とかで食べよう。
はい。ダイジェスト以上。ここからは、面倒くさく、長い話になるので
興味ない人は読まなくて良いよ。
上の焼き方でほぼ間違いなく焼けるので試してみて。
【前提】
まずみんな大好き食中毒の話を少しだけ。
牛肉は豚や鶏と違い中に菌やウイルスを持っていることが少ないのが特徴。
ただし、解体時に内臓や消化器などと触れて菌がついてしまうので、表面の加熱殺菌が必要になる。
例えば、今でも合法的にユッケを出しているお店は表面焼いて外の焼けた部分は捨てて、
中身だけトリミングして出すなんてことをやっている。
というわけで、牛赤身肉は表面をきちんと焼ければ(殺菌すれば)中が生肉でも食べられる(美味しいかは別として)とされている。
もちろんリスクゼロじゃなきゃ絶対に嫌だ!という方、お年寄り/子供などはやめたほうが良い。
低温の肉食はどこまでいっても自己責任という意識は持った上で食べよう(これは家庭に限らずお店で出るものでも)
ちなみに間違えても鶏、豚、ジビエ、牛レバーなどは絶対ダメ。さらに牛肉でも
ちょっと問題になったテンダリング処理(フォークで焼く前の肉に穴開けまくる)を施したのも
表面の雑菌が中に入ってるのでダメだし、インジェクション肉(脂肪を入れてる加工肉)も
【材料/機材】
「牛肉」
スーパーで売られているステーキ用の肉で良いんだけど、薄い肉は美味しく焼くのがとても難しい。
あんまり慣れて無い人だと、厚い肉が難しそうだと思うかもしれ無いけど実は逆。
ぜひ2センチ以上の厚みのあるお肉に挑戦して欲しい。
あと、部位でいうと、ヒレ>サーロイン>肩ロース>ランプ>モモの順番に硬くなる。
お財布と相談だが、頭に入れておくと便利。筋の多いバラ肉は避けたほうがいいし、
焼肉でおなじみハラミは臭いが気になるのでステーキにはオススメし無い。
あと、刺しが超多い黒毛和牛などはステーキにはあまり向か無いと個人的には思う。
もし高級和牛を焼きたい場合は、刺しの少ない短角種がおすすめ。これは高いけど超絶うまい。
普通にやるならブラックアンガスとか、味わい葡萄牛とか、シャロレー牛とか洋牛が良いと思う。
「塩(細かい塩と荒い塩)」
細かい塩と荒い塩を両方用意しておきたい。細かい塩は精製塩でもOK。
焼く前に肉に振る下味用のお塩なので、粒が大きいとムラになる。雪塩なんかを振って慣らしてあげてもいい。
荒い塩は食べる時につける塩。わさび醤油派、ソース作る派の人はなくても良い。
「黒胡椒」
できればミルで挽くやつを使いたい。
「フライパン」
最初、高温で焼きたいので、テフロンより鉄で。鉄のフライパンなんてねーよ。って人はまあテフロンで。
「アルミホイル」
「温度計」
慣れてくれば温度計なくても焼けるようになるけど、最初は1本あった方が良い。
1000円以下で買える安いやつでいい。
本当いろんな焼き方あるので、それぞれの流派をやってもらえれば良いんだけど、大事なことは3点。
・肉の表面をしっかり焼いて155度以上にしてメイラード反応をつける
(ちなみに糖分焼いて付く焼き色はカラメル反応で別物)
・肉の温度は40度代だと生肉的な硬さ。50度代で一気に噛み切りやすく柔らかくなる。
・65度超えるとタンパク質が変性して硬くなる。
逆に言えば、この3つをクリアする方法であればどんな焼き方でも良い。例を上げると
・フライパンで焼いて、アルミホイル巻いて休ませ温度を上げる(ダイジェストで書いた方法)
・炭火で高温のところで焼いて、低温のところで遠赤外線でゆっくり火を入れる
・真空パックして湯煎して肉が50度以上になったら取り出して表面をバーナーで焼き色つける。
・280度のオーブンに1分入れて暖かいところで4分休ませるを20〜30回繰り返す。
などなど、まあ本当いろいろとやり方がある。
ただ、個人的にはステーキの旨味は「肉の焼き色のグラデーション」にあると思っていて、
焼き色ついた表面から、中に向かってある程度しっかり焼けてる部分があり、
多少生(40度代)の部分が中心に残ってる方がうまいと思う。
低温調理法では、そうしたグラデーションが作りにくいのでステーキとしては物足りなさが残る。
【焼き方丁寧版】
ここからは、ダイジェストで書いたことをもう少し丁寧に書いてみる。
1.肉を用意する。2センチ以上の厚さで筋が極力無いものを選ぶ
薄い肉は、表面に焼き色をつけている間に中まで火が入ってしまうため避ける。
薄い肉しか手に入らない場合は、ステーキは諦めた方がいいと個人的には思う。
2.焼く直前に肉に塩を振る。肉の重量の0.8%が目安。(150gの肉なら1.2g)胡椒は振らない。
塩の分量は0.8〜1.0%が旨いとされる。あんまり降りすぎるとしょっぱくて食べられ無いが、
塩を振らないで焼くと味が入らず、ソースつけても物足りなくなりがち。
3.魚焼きグリルに火を入れる。
肉の表面に焼き色をつけたあと、休ませる温かい場所として魚焼きグリルを使うため、
グリル庫内を温めておく。オーブンのある家ではオーブンを100度くらいに温めておいても良い。
フライパンで蓋をして休ませる人もいるが、温度コントロールが難しいのでオススメしない。
4.フライパンを強火をかけ、油を入れて煙が出るくらいまで熱くする。
テフロンの場合は超高温にはできないので、ほどほどに。表面に速やかに焼き色をつけたいので
フライパンの温度は高くする。水島流の鶏肉の焼き方みたいな冷たいフライパンから焼く手法は
5.肉を焼きはじめる。片面1分〜1分半を目安に両面焼く。焼き色がついたらOK。火はずっと強火
メイラード反応が起こるのは200度で1分と言われている。鉄のフライパンの場合は250度くらいまで
上げることができるので、45秒で裏返しても良い。
短時間で効率よく焼き色をつけたいので、焼いている間はあまり肉を動かさない。
6.肉をアルミホイルで包み魚焼きグリルの火を消して、グリルの中に入れる。
アルミホイルで包むことで表面の温度を内部に伝える。さらに外気で表面温度が下がっていくのを
減らすため、温かい場所=火を消した魚焼きグリルに入れてあげる。
グリルの火を消し忘れると大失敗するので注意する。
7.5分くらいしたところで、料理用の温度計をぶっ刺して肉の中心温度を測る。
5分くらい休ませると、肉の中心にまで温度が回っていくので、温度を測る。
8.中心温度が48度〜56度になったら完成(この辺は好み)
48度はブルー(生焼け)といわれる状態。多少、生っぽい食感が残る。
フライパンで焼く場合、中心より外側は当然温度が中心より高くなるので、
60度まで上げると焼きすぎになる。ローストよりも温度管理は低めで調整した方が確実に美味しい。
9.中心温度が足りなければ5〜7の工程を繰り返す。2回目以降は焼きすぎ注意なので片面30秒ずつ焼く。
分厚い肉の場合1回の加熱では火が入りきらないことも多いので、2回目の火入れをする。
すでに表面に焼き色がついているので、焦がし過ぎないように注意。
5センチを超える厚すぎる肉の場合はオーブンじゃないと火が入らないこともあるので、
その場合は200度のオーブンに2分入れて、アルミホイル巻いて休ませるを繰り返し、
理想の中心温度になるまで焼いていこう。
10.最後に胡椒を振ったら完成。好きなソースとかわさび醤油とかで食べよう。
個人的にはわさび醤油1択。次点でリーペリンのウスターソースと粒マスタード。
おろし玉ねぎ、みりん、醤油を1:1:1の分量でフライパンで火にかけて作る簡単ソースも悪くない。
さぁ、今日はみんなで肉を焼きましょう!