単発、週払いというのに惹かれて始めたバイトだが、
他にバイトした飲食やイベントと比べ学びが大きかったので書いてみる。
「新商品やリニューアル商品このくらい仕入れていただければ、販売員を付けますよ!」と営業をかける。
今度はメーカーは試食販売員派遣会社に「この商品ここのスーパーに何名販売員を派遣して欲しい」と伝えて仕事が発生する。
仕事の流れとして、まずバイトは試食販売員派遣会社の事務所において販売にあたって必要な知識を学ぶ。
販売する商品についてだけでなく、他社の似たような商品との違いや、必要であればメーカーについても教えてもらう。
他に、当日必要なもの(調理器具などは基本的に持ち込む。費用は会社から出る。)の確認などを行う。
これにも給与は発生するが、1回事務所に来て説明聞くといくら、だったので何回かの分をまとめて説明を聞いていた。
時給が欲しいな、と考えたことはあったが、発売前の試供品などももらえるので(自分で売る商品は必ず自分も試す)私はまぁまぁ納得していた。
当日はメーカーの人間として振る舞う。裏の従業員入り口から入り、メーカー名を名乗る。
が、もちろんスーパーの人は派遣のバイトだということは知っている。試食販売員はスーパーで「マネキンさん」と呼ばれていた。
はじめて聞いた時には私はなんつー呼称だ、差別用語じゃないのか!?とびっくりしたがすぐに慣れた。
・・・だけでなく、お客さんの反応や、売り場の観察なども行う。
販売後にはシートを提出するのだがそこには、そのスーパーの客層で多いのはどんな人か
お客さんはどんなことを言っていたか、買った人、試食したけど買わなかった人、試食しなかった人
年齢性別などわけてけっこう細かく記入する欄がある。
他に、他社の商品で何が売れていたのか、なども書いていた。いわゆるマーケティングである。
考えてみれば新商品ひとつとってもメーカーには、企画から開発、デザインや宣伝などを行った多くの人がいる。
私はそういう人たちの思いを(勝手に)背負って、仕事をしていた。
どのような言葉をかけると「売れる」のかについてもよく考察し、
時期も場所もドンピシャでさらにテレビCM投入中の大企業の新商品を売るのだから南極で氷を売るよりも何倍も簡単そうだけれど
これが意外と難しかった。
勉強したら即結果が出るはペーパー試験のみという現実を向き合いながら仕事をした。
売れっ子の試食販売員に教わったり、参考になるかわからなかったが柳原可奈子のコントも見た。
そのかいあってか私の販売成績は、「てんでダメ」なとこから「平均よりちょい、上」ぐらいまで成長した。
お客さんと直に会話を交わすことで営業の訓練にもなり、
マーケティングはもちろん、業界や企業研究まで幅広く行うことができる職業なのであった。
それだけに数々のデメリットとして
丸一日拘束されて日給が7500円なことと、
とにかくスーパーは寒く、真夏でもタイツ着用必須にもかかわらず冷え性が悪化するため女性には辛い
7時間半にもわたり、スーパーの一画で笑顔で大きな声を出し、ヒール(スニーカー不可)で立ちっぱなしがきつい
などの「あっ、これは長く続ける仕事じゃねーな」感が非常に残念でもあった。
まぁ、これだけ考えて勉強しても、売上は売れっ子にかなわず(完全に自分の力不足)
マーケティング分析はとても楽しいけれど自分は営業は向いてないなーということも痛感し、就活の際は営業は除外した。
そのため就活に対しても役に立ったと言えるし、今後の仕事についても、役立てられるアルバイトだったと思う。
【追記】
もともと販売員のことをマネキンと言う、という事実を知りませんでした。
当時は「販売員なんてメーカーから派遣されるお人形さんのようなもの」というニュアンスで「マネキンさん」と呼ばれていると思い、
「人間のことを人形扱いなんて!」と差別的な意味を含む言葉と勘違いしていました。
ご指摘ありがとうございます。
これは派遣会社によりますね。自社で販売員を持ってるスーパーもありますし、
おばちゃんが多いところはおばちゃんにメリットのある会社があると思うので。近場でコンスタントに仕事ができるとか。
私のいたところは本当に自由に仕事したいなーってとき、入れるときだけ仕事ができる代わり派遣先は結構広範囲でしたので若い女の子が多かったです。
マネキンって身近じゃおばちゃんしか見た事ないけど大学生バイトもいるのか。地域差? 学生じゃなくてフリーターだったら時間に拘束されない分もっと良い仕事いくらでもありそうだ...