はてなキーワード: フォークミュージックとは
両親は70手前。母は専業主婦、父も数年前にリタイアし、2人で田舎に移住して悠々自適の老後ライフを送っている。
親子関係はまずまず良好といえる。
だが一つ問題がある。
テレビでそれ絡みのニュースが流れると、口癖のように「(チィ!)また朝鮮/中国だろう!」と宣う。
産経新聞は全てにおいて正しくて、曽野綾子氏は素晴らしい人で、安倍首相はもちろんヒーローである。LGBTの権利など言語道断である。それから日本製品の品質は未だに世界最高である。就職祝いに買ってくれた本が、某明治天皇の玄孫が書いたやつだったのには閉口したな…(すぐ売った)
常日頃から喚いていたりするわけではなく、ネットに入り浸ってヘイトを撒き散らしたりはしていないのが救いではあるが…
これは今に始まったことではなく、20年くらい前、俺が小学生だった頃に確立したスタイルだ。
学生運動を小馬鹿にしつつもビートルズやフォークミュージックに傾倒した父母はしばらく平均的な「ややリベラル」だったのだが、あるとき産経新聞に出会って「真実」を知り「開眼」したらしい。近年の「ネットde真実」に比べれば年季の入った御仁である。
その頃幼かった俺も、一緒に暮らしていればそれなりに染まってくる。高校生くらいが一番ひどかった。ゴー宣の布教をした、と言えば察してもらえるだろうか…思い出したくないのでこれ以上は書かない。
俺は大学進学とともに親元を離れ(過干渉から逃れるため)色々な人と交流し、徐々に毒が抜けていった。ネトウヨ化することはなかった。幸いなことに、染まり切る素質がもともとなかったのだ。しかしそんな中でも父はブレず、今に至るという感じだ。
先述の通り、きっかけがなければそういう話にはならない。だが、サンフランシスコの慰安婦像問題がタイムリーに噴出してしまった。食事中にNHKのニュースで流れたり…するだろうな…。
そんな家に帰る。妻と息子を連れて。
息子はまだ人語を解さない年齢だが、あと数年もすれば…じいじの言ったことを素直に受け入れてしまうかもしれない。あるいは先生やお父さん(俺)の言ってることと違う!となり、話がこじれやしないか…
今まで、俺は強く反論することはなかった。反応せず適当にやり過ごしたり、一部同意/一部反対といった軽い意思表示のみ。今まではこれでしのいでいたが、いまは子供がいる。
俺は父親として何ができるだろうか。今さら宗旨替えなどできないだろ、怒らせたくない、言いたいこと言わせといてやろう、と向き合ってこなかったツケがいま回ってきている。