近年、ITの発展や働き方改革の促進によって、多くの労働者が昔よりも働きやすい・より効率的な労働環境を手に入れている。
しかし、飲食業界、特に個人経営による従業員10名未満ほどの店ではにわかには信じがたい風習や労働環境が残されている。
この記事では、飲食業界の人間ではない私が、飲食業界(レストランや、パティスリー・ケーキ屋さん)で働く友人から聞いた経験談を元に、飲食業界の「労働者使い潰し」問題について考えたことを記述したいと思う。
なお、私が友人から聞いた実例は高々10ほどの店での話であり、サンプリングバイアスが多少存在するかもしれないことに注意。
私が友人の話を聞く中で特に問題であると感じたのが、経営者の意識だ。
世間一般(飲食業界以外)では当たり前のことが、飲食業界では行われていないことにびっくりする。
・月の労働時間はゆうに300時間(1日12時間 * 月25日以上) を超えるのが普通。経営者はそれに対して課題意識を持っておらず、労働時間を1日8時間以内に納めようとしない。労働者を、月額支払いの使い放題労働力であると勘違いしている。
・上記のような異常な長時間労働に対して残業代は支払われない。手取り20万未満というレベル。
・契約内容を記す労働条件通知書などはない。つまり、経営者の一存で雇用形態や労働時間などが変更できてしまう状態。
こんな環境で働くことを想像していただけると、自分のプライベートの時間など皆無であることが容易にわかると思う。
経営者達は、周りの店もそうだから、などという意味のわからない理由で労働基準法を破る行為はいい加減やめよう。
労働者の労働時間を抑えるために、徹底的に効率化を検討しよう。そんなに長時間店を開ける必要があるか?そんなに多くのケーキを用意する必要があるか?
もしかすると、労働基準法を守ってると店が潰れて労働者の雇用を守れない、なんて馬鹿げたことを言う経営者もいるだろう。そんな店はさっさと潰してよい。労働者の人生を潰してまで自分の利益を追求しようとするな。
人を雇う以上、労働基準法についてしっかりと勉強し、きちんと守っていただきたい。
飲食で働く友人は、「飲食に入ってくる人は、予め環境が劣悪であるということが分かって入っているのだから文句は言えない。」とよく言う。
飲食業界を変えるためには、経営者の意識を変えることはもちろん、労働者側から声をあげる・要求していくことが不可欠であると考える。
労働時間のメモを取るなどして、しっかりと残業代の請求をしていこう。有給休暇取得の権利を主張していこう。匿名でもいいから労基に相談しよう。労働条件の明文化を要求しよう。
自分たちの労働環境がいかに劣悪であるか、自覚しよう。経営者と戦おう。あなた達は奴隷ではない。
これから飲食業界に入ってくる後輩のためにも、自分たちを守るためにも、声をあげよう・行動しよう
労働基準法を守れない経営者は、果たして自分の店が、労働者の人生を犠牲にしてまで、法を犯してまで続けていく価値のある店なのか、一度自問していただきたい。
私としては、このような店はどんどん淘汰されていくべきだと考える。法を守って経営できない時点で、それは経営破綻だと言える。ビジネスモデルをしっかりと見直すべきだ。
あなた達がやっていることは、人間として最低の行為であり、マクロな視点で見れば、若者の貴重な時間を自らの利益のために使い潰し、国力さえ低下させていることをしっかりと自覚するべきだ。そして、飲食業界の未来をいわば前借りして、自分の利益を追求する行為である。
そして、一番恐ろしいのは、このように飲食業界に"育てられた"若者が、いずれ自分で店を開くときに、また課題1に挙げたような経営方法を実践してしまいかねないことだ。
彼らにとっては、労働基準法を無視することが当たり前になってしまい、負のループが世代を超えて継承されていってしまう。
飲食業界の未来と、現在犠牲になっている多くの若者のために、少しずつでも変わっていくことを心から願っています。
おっしゃる通りです。飲食業界は経営者と労働者の間に圧倒的な権力差がありそうです。
声を上げるにしても、中の人の自助努力に任せるのは相当厳しい。おそらく100年ぐらいは現状と変わらない。 労基の職員を倍にするか警察署と統合して捜査権限を拡大させるかその両方...
日本は飲食店のライセンスがなくて誰でも出店できるから 薄利多売競争にしかなりようがない
ユニオン?
コロナで潰れる所が増えるのはいいことだな。
まっとうなところから潰れていきそう。