2020-01-13

GIGAスクールネットワーク構想についての雑感

私はとある自治体教育委員会教育情報化担当をしています

この界隈は今、GIGAスクール対応で大混乱です。

GIGAスクールって何?って人は文科省サイト見てください。

GIGAスクール構想の実現について

https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

補正予算の締め切りまで残り一週間を切る中で、文科省からはまだ要綱も示されていません。こんなもん、間に合わないのではないかと、どこの自治体も強い危機感を持って、焦っています

一方で、今回の事業が持つ意味やその先のことについては、ほぼ考えられていないのが現実です。

担当部署でこうなのだから一般の人はもちろん学校現場でもまるで理解されていないことは容易に想像できます

以前から教育情報化積極的に推進する立場にある人たちは、大変盛り上がっていますが、地に足がついていないというか、勇み足になっているというか、前提が共有されていないのに難しいことを言い過ぎていて、その世界の外側との溝が深まっている気がします。

なので、当事者のひとりとして、一般の人や学校現場に伝えたいことをここに書いてみたいと思います

まず、今回のGIGAスクール事業において注目されている一人一台端末ですが、騒ぐようなことじゃないと個人的には思ってます

「何の役に立つのか」とか、「何に使うのか」とか、そういった面倒な議論になりがちですが、とても便利なものなんだから、「とりあえず役に立つに決まってるだろ」というのが本音です。

みんなスマホを一人一台持ってますよね?オフィスパソコンが共用しかないとか無いですよね?

同じことです。

さらに、みんなが一人一台持ってるのが当たり前になったら、それを前提としたサービスがどんどん生まれてきます

LINEやインスタの普及を考えたら分かりますよね。

家庭に一台だとLINEはここまで普及していません。

一人一台だから変わることがあって、全国でインフラ整備されると学校向けのサービス設計が根本的に変わります

今回の事業における国の狙いとしては、今後のためのインフラ整備という面が一番大きいと思われるので、現場必要以上にどういう教育に使おうかと頭を抱える必要はありません。

どう使えば便利か、先生自身が楽になるか、効率的に授業できるか、現場レベルではそういう発想で十分です。難しく考えて逃げられるのがいちばん困ります

従来の3クラスに1クラス分だと、どう使わせるべきか、こっちもかなり頭を悩ませてたんですが、一人一台だと気軽に使ってもらえばそれでいいので、ずいぶん楽です。

一斉授業からの脱却とか個別最適化された学習なんかは、仕組みを考える人仕事です。

そのうちサービスが出揃って嫌でも巻き込まれるので、それを待ってりゃ良いです。

本当は各家庭で端末買って持ち込むBYODができれば良かったんですが、こういうサービスが出揃って常識が変わってからでないとそれは難しいから、順番としては今回のやり方が正しいのでしょう。

もう少しスケジュールに余裕が欲しかったところですが。

多分、あと5年もすれば世の中の常識が大きく変わっているはずで、それができなければ文科省の大失態だと言うしかないです。

ともあれ、それは現場責任ではありません。

導入の担当者として、一人一台になるにあたり現場にやって欲しいこと、考えて欲しいこと、気をつけて欲しいことというのは他にありまして、それは、授業以外の場面で、可能な限り子どもたちの自由に使わせてあげて欲しいということです。

OECD学習到達度調査(PISA)で衝撃的な結果が出ました。

日本の子どもたちは加盟国中で一番チャットゲームICT活用するのに、学習に使うのは最も少ないという結果です。

ゲームチャットは1位で学習最下位日本の15歳のICT活用実態

https://www.google.co.jp/amp/s/s.resemom.jp/article/2020/01/09/54151.amp.html

これは間違いなく、学校教育意図的ICT活用を避けてきた結果です。

プライベートだけで、誰から教えられるでもなく、何の導きもなくICT使ってたら、ゲームLINEYouTubeだけになるのは、当然のことでしょう。

遊び以外にICTを使う目的やヒントを与え、見守り、助言する役割を担う大人必要です。

ゲームが好きなら、ただ消費するんじゃなくて自分で作る楽しみを教えてみるとか、YouTuberになりたいんならとりあえず動画作らせてみるとか、きっかけを作ってあげることはとても大切だと思います

それを親に期待できない場合は、誰ができるんでしょうか。

また、インターネットは昔の子どもたちが生きてきた世界(学校地域社会)とは違って、子ども子ども扱いしてくれません。

ひとりの消費者として、賢い大人たちが用意する色んなサービス商品と向き合わないといけないです。

そこは、少しの失敗が大きな危険に繋がりかねない世界です。

そこで生きていく術を、大人の目が届いて、ある程度の安全が確保されている範囲内で学ばせることが必要です。

これらは、間違いなく公教育役割です。

ヒントを与えて見守るというのは制限するより負担が大きいので、現場に嫌がられることは理解していますが、必要なことです。

個人的には、ICT活用した授業研究より、はるかに大切だと思ってます

なので、私はこれから一人一台端末を導入する際に、子どもたちに出来るだけ自由に触らせてあげて欲しいと、繰り返し現場にお願いし続けようと思ってます

もし、これを同業者学校現場の方が読まれたなら、今回整備される端末の用途を授業に限定して過度な制限をかけることはやめて欲しいと思います

職員室のパソコンが一人一台になって悪くなったことなんて何一つないのと同じように、子どもたち一人一台端末で悪くなることなんてないです。

手書きの良さがとか言う人がいますが、パソコン入っても手書きは無くなりません。もちろん習字の授業も無くなりません。

冗談だと思いますが、目が悪くなると言う人もいます視力に影響するほど授業に使ってもらえるなんて、考えられません。

単純に、今より少し便利になるだけで、そんな大袈裟に考える必要はありません。

教育を変革するような大きな話は、制度考える人サービス提供する人の仕事です。

私たち現場に近い人間は、子どもたちが遊び以外に上手くICT活用できるように、見守り、サポートすることを大切にしましょう。

時代が大きく変わる局面に携われるなんて、とても幸せことなので、みんなで頑張りましょう。

というのが、今、最前線現場にいて思うことでした。

では、補正予算要求資料作りに戻ります

  • anond:20200113174127

    読んでないけど所沢の小学校はエアコンがないからパソコン設置しても熱暴走するので冬しか使えないと思う

記事への反応(ブックマークコメント)

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