2019-09-06

どんなクレーム対応にも共通する謝るときのたった一つのルール

・誰?

長年サービス業クレーム対応担当してきた。アルバイトスタッフ対応できないと回ってくる感じ。

担当キャリア

15年。

・今までの戦歴

無敗。

職種

底辺サービス業

・なんでこんなこと書いてんの?

「激しく怒鳴るクレーム客には「怒鳴り返すように謝る」と最高に効く!」って記事を読んで最高に危険!って思ったから。

危険理由

クレーム対応は何に謝るかを間違えると解決できないどころか事態悪化するだけ

相手トーンに合わせる謝り方はテクニックの一つとしては有効だけど、絶対的解決手段ではないです。

・謝るときのたった一つのルール

事実認定できていないことには絶対に謝ったらダメ

実例

例えばスマホ電池持ちが悪いというクレームを言われた場合はどちらが正しい対応でしょうか。(自分業界とは関係のないお話です)

1.「弊社製品バッテリー持ちが悪くて申し訳ございません」

2.「弊社の製品が原因でお客様の気分を害して申し訳ございません」

どちらも謝ってますが、謝っている内容が異なります

この2つ、何が違うかというと、事実に対して謝罪ができているかどうかということ。

ということで正解は2。

バッテリーが悪いと謝る→確定していない事実を謝ってしまう→お客様の中でバッテリーが悪いという事実が決定してしまい、要求が次に移る

お客様の気分を害してしまったと謝る→製品に原因があるかは別として、怒っていることは事実→まずは怒りを鎮めることで次の対応ステップに移ることができる

クレーマー一言で言っても、その人その時によって状態が全く異なります

本当に問題解決して欲しい人、自分の怒りに共感して欲しい人、被害を被ったか補償して欲しい人、金品目当て、話し相手欲しさ、パワハラ、その他

もともと決めつけて来る人もいれば、こちらの対応次第で状態を行き来する人もいます

製品に原因があると認めさせたい人は、とにかくそのことを執拗に求めます

そこで不用意に製品の不備を謝ってしまうと、相手にしてみれば製品の不備を認めたこととイコールになってしまうわけです。

どんな口調やトーンで謝ろうとも、謝る対象を間違ってしまえば解決は遠ざかってしまます

かといってそれを恐れるあまりに「謝らない」ということが最も危険です。

相手絶対に間違いを認めさせようとあの手この手を使ってきます

その結果、恫喝SNSから炎上など、対応コストばかりが跳ね上がってしまう最悪の結果に至ってしまうことさえあります

とある大手企業クレーム担当に話しを回された際、わざとこちらを激昂させてクレーマー扱いすることで問題に取り合わなくなるといったことをされたことがあります

うおおおー!そんなクレーム解決方法もあるのか!と驚いたものですが、そんなくそ企業製品は二度と使わないと心に決めました。

クレーム対応は無敗でしたが、クレーマーとして挑んだ唯一の敗退でした。

・じゃあどうすんの?

事実だけ謝っていれば物事解決するのか?と言われればもちろんNOです。

多くの場合相手クレームはまず要求からまります

例えば、「バッテリー持ちが悪いかバッテリーを交換してほしい」などです。

これに素直に従うことが問題解決にならないことは皆さんもご理解頂けていると思います

ではどのように対応するのが正解と言えるのでしょうか。

ここで、相手クレームに至るまでの3つのステップに目を向けてみましょう。

例えば先程の例ですと、相手はまずバッテリーのもちが悪いという事象に遭遇します。

そこで相手自分なりに考えてバッテリーに原因があるのだろうという原因Aを想定します。

その結果、バッテリーを変えてほしい、製品を返品したいなどの要求Aが発生します。

まりクレーマー要求は、原因A→事象要求Aというステップを経て発生していることがわかります

しかし、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、バッテリー持ちが悪い原因というのは何もバッテリーのものに原因があるとは限りません。

中で特定プログラムが悪さをしているかもしれないし、電力消費モードがなにかの拍子で変わってしまたかもしれません。

ここでまずクレーム対応に求められることは、相手要求観測した事象をもとに相手が想定している原因Aに辿り着くことにあります

「私はあなたが考えている原因Aを共感できました」と相手にしっかりと伝えることです。

もし本当に原因Aがトラブルの原因だとしたら、規定に従って要求Aに対応すれば終わります

規定以上のものを求められているのであれば、それはまた別の対応必要になります

しかし、相手と原因Aが共感できていないままに要求Aだけを拒否していれば解決できるもの解決できなくなってしまます

なぜなら、「相手要求の可否だけしか耳を傾けず、製品問題に目を向けようとしない!」という新しいクレームを生んでしまうからです。

みずから対応コストを増加させてしまったと言わざるを得ません。

もし原因Aが本当に問題の原因ではない場合はどうするのがよいでしょうか。

相手からできる限りの事象を聞き出すことで、本来の原因である原因Bに辿り着く必要があります

このあたりは当然業界や内容によってノウハウツールも変わってきますのでここで言及することはできません。

そうして次に必要なことは原因Bを相手共感できることです。

こちらだけ原因Bにたどり着いていても、相手がまだ原因Aが原因だと信じている以上は要求Aが変わることはありません。

一つ一つの事象説明を加えていくことで、相手にも原因が原因Bなのだ理解させます

そうすれば自ずと相手要求Bへと誘導することができます

そうなればあとは規定にそって対応をすれば完了です。

原因A→事象相手が思っているのなら要求Bには絶対誘導できないということです。

原因Bが相手共感できてはじめて原因B→事象要求Bから解決へと導くことができるわけです。

こうした正しいステップを踏まずして、闇雲に謝っていたところで問題解決するはずはありません。

クレーム対応もっと大切なこと

それは、できることとできないことを明確にして、それを相手にはっきりと伝えることです。

それが曖昧であればあるほど、相手要求エスカレートさせ、それを得られないことを自らの被害だと考えるようになります

それをもとに要求が加害に変化してしまうことだって想像に難くありません。

もしそこでできること以上に相手から要求があるなら、それこそ「申し訳ございませんができない決まりになっています!」と謝ってしまうことで、相手要求が過剰なんだよとやんわりと教えることができます

その時はじめて、「激しく怒鳴るクレーム客には「怒鳴り返すように謝る」と最高に効く!」と言えることができます

全てに対応できる万能な対応策ではないことをご理解頂けたのではないかと思います

わたしから言えることは以上です。

編集せずに一気に書き上げたので読みづらくて申し訳ないですが誰かのお役に立てれば幸い。

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