2013-07-21

俺の体験した超絶ブラック アシスタントディレクター

ワタミと言えばブラックと言う認識根付いている昨今、その社長渡邉美樹氏が自民党擁立を受けた事も相まって注目されている。

しかし、私の考えるブラックはなんといっても制作会社ADである

何故、業界ブラックである映像制作仕事ブラック認定を受けないのだろうか?

というわけで、私が体験した制作ADブラック体験をつらつらと述べていこうと思う。

なお、全てのADに当てはまるわけではありません。そのうえ、全部フィクションとしてお楽しみ下さい

■就労時間

基本的に不定期で、ディレクタープロデューサー必要となる時が就労時間である。逆に居ない時間より居る時間のほうが長いため、定期的であるとも言える

出演者飲み物の調達からロケ必要備品の買い出し、機材の貸出のために東京の反対側まで赴き、すぐに戻る。

制作会社デスク番組制作現場が離れている時は、朝一で会社デスクへ向かいプロデューサー無駄挨拶をしてから番組デスクへ向かう。(省くと顔を出せと呼び出しを受ける)

この移動だけで2時間程度浪費する。山手線沿線に住んでいても、である。その分睡眠時間は確実に削られていく。

映像編集をするディレクターに付いてお世話するのもAD仕事だ。

編集所という専用の場所に入って、ディレクター編集マンにあれこれと指示を出すのをそっと見ている。

たまに飲み物を買ってきたり、素材のテープ差し出したり、上にかぶせる別素材を差し出したりする。大体どんだけ短くても3時間程度はつきっきりで見ている。居ないことはほぼありえない。

ちなみに素材はその編集作業の前に用意する。これもデザイナー発注するため、手に入れるまでにそれ相応の手順を踏むことになる。

会議にも出席する。無論ほぼ見ているだが欠席はありえない。数時間拘束され、全く口出しの出来ない会議に出席する意味は無い。が、出席する。

もちろん、会議の資料を作るのもAD仕事だ。出演者情報、企画内容はもとより、テーマになるものの詳細をまとめる。ネットコピペ出来ればいいが、例えば全国ラーメン店の値段、店名、系列写真口コミなどをピックアップし、提出するようなものもある。

トーク番組アイドルを呼ぶ時など、そのゲスト趣味嗜好を噂レベルから収集してリストにしたり、数十巻ある漫画を全話読み、全話のあらすじをエクセルに書き出し、数100枚を提出することもある。

資料がなければ図書館へ趣き、必要資料をコピーして集める。

残業はない。全て正常な就労時間であり、固定給である

しかしあえて8時間、月20日の基本的な労働条件に当てはめると、時間外勤務は月200時間をゆうに超える。固定給である

労働形態

基本的に新人という概念存在しない。新人ADベテランAD、全てに全て出来る事を求められる。

私がADになりたての時、とある番組担当になった。そこには先輩ADがいた。私が来るまで1人で番組担当していた人だった。彼女は私が着任して3日で音信不通になり、彼女が保管していた映像テープ、資料は闇に消えた。(後にデスク周辺をひっくり返して探すことになる)

彼女が消えるまで私は雑用と資料作りに追われていたため、知らないと出来ないこと、例えば編集した映像最後につけるクレジット素材の手配の仕方や機器のローン先への対応美術さんとのやりとり等、やり方が分からないではなく、必要だということ自体知らないものを要求される。

「ええええ!?無いの!!!???」

この後の罵倒言葉を聞く他は無い。

事前に確認をとっても、向こうは当然のものだという認識であるため、知らされないのだ。愕然とした。

教育制度などは着任した場所の先輩ADがどう考えるかである。何も教えてくれないことなどざらにある。新人教育などしていられない環境だということもよく分かる。

それでも着任直後にはADとしてひとまとめになり、すべての要求に答えなければならない。

ちなみに反論などしても無駄である制作人間ならともかく、局Pなどは制作ADお茶運びの自動人形しか思っていない。同じ立場ではない事を肝に銘じておこう。

■金銭条件

手取りはだいたい15万前後であった。時給換算すればどうなるかわかるだろうか。

ちなみに休日はほぼ無い。

更に、仕事必要な経費は自分の財布から出したあとに領収書を切って精算する形式のため、清算日前には財布はスッカラカンなことも。

ほぼすべて外食のためエンゲル係数も高くなりがち。社食は、辛気臭い場所で安いうどんそばを食べるか、600円でレンチン料理を食べるか、くっそ高いラウンジ場違いなくっそ高いランチを食べるか、牛丼コンビニである

■その他

基本的にスタッフには厄介な人しか居ない。

演者さんは基本的に巷で言われるような態度がでかいだの何だのといったことはない。一部例外はある。

スキルは何も身につかない。経歴に傷が付くことは覚悟した方がいい。

まり言いたくはないが、マジで理解できないほど●●なやつがたくさんいる。なにかとDやPにひっついていないといけないAD立場上、陰口を延々と聞かされる事も日常茶飯事。

口に出せないような●●●●や●●●●行動を目にするのでショックを受けないように。




いかがだっただろうか。

根性が足りないんじゃないの。言われるほどきつくないだろ。頑張れば夢が叶う。自己責任

いろいろ言いたいことはあるかもしれないが、これからADになろうという人は、これだけは覚えていてほしい。

自分の夢が食い物にされているという認識でいること。

普通ではない労働環境であるということ。

頑張って夢を叶える場所ではないということ。

代わりはいくらでもいるということ。

全部を受け入れてそれが普通になった時、あなたテレビ業界で生き残れる人間になっているでしょう。

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