はてなキーワード: 送致とは
コンセプト上できないという話と、現状できないという話は別物だし、じゃぁ、グレーだからやっていいか?といわれると、親からの要望みたいな話で持っていかれることもある。
ほとんどの自治体の青少年育成条例では18歳未満の人間が18歳未満の人間とセックスしても罰しないことになってる
http://paro2day.blog122.fc2.com/blog-entry-77.html
相手が13歳未満だったら強姦罪で捕まえることもできるけど、13歳以上ならどうあがいても無理
http://q.hatena.ne.jp/1122713044
一応、今でも不純異性交遊という名目をつければ家裁に送ることはできるけど、家庭裁判所は不純異性行為に対して審判しないという決定をくだした
それ以来、警察は不純異性交遊に関しては及び腰になってるし、それに関しては送致しないという決定を下している
ここまで来てるのにコンセプト上は可能と主張するのは無理があるだろw
少年が販売していたとされる「光るキーホルダー」(千葉県警提供)
規制値を超える放射性物質トリチウムをガラス管に詰めた「光るキーホルダー」を文部科学省に無届けで販売したとして、県警風俗保安課が4月、千葉県内に住む当時中学3年の男子生徒(15)を放射線障害防止法違反(所持、譲り渡し)の疑いで、千葉地検に書類送検していたことが分かった。
捜査関係者によると、生徒は昨年7~10月、米国やシンガポールのインターネットサイトを通じてキーホルダーを1個1000円で購入し、国内のオークションサイトで県内外の約20人に約30個を3000~1万円で販売した疑い。生徒は「高値で取引されているのをネットで知った」と話していたという。
かいしゅん
の情が見られ、再非行のおそれがない」として審判不開始となった。
キーホルダーはプラスチック製の円柱形で、長さ約5センチ、直径約1センチ。トリチウムは、同法が規定する規制値の1ギガ・ベクレルの約12倍だった。
文科省によると、規制値を超えるトリチウムの販売には、同省への届け出や許可が必要。このトリチウムについて、「仮にガラス管が破損しても、人体への影響はほとんどない」としている。
【追記】
「差別」といったらこんなのも見つけた。書いたのは大学の先生みたいな人らしい。
「まともな施設もあるかもしれない」などと言っている余裕は、少なくとも僕はないと思う。そのくらい酷い。まともな職員がどれほど努力しても、多数の児童を24時間365日完全監視することは不可能であり、学校でのいじめが発見困難であるのと同様に(あるいはそれ以上に)、児童間虐待は防止できない。「養護施設は子どもの地獄」と表現する人もいる。そして、職員の中にも不埒者が混ざっていて事前に完全にチェックすることができないとすれば、この問題は決して防ぐことはできない。これは職員のモラルに起因するというよりも、「施設」というものが持つ構造的な問題である。
もちろん、一時滞在施設として必要な場面はどうしてもあり、廃止すべきだとは言わない。しかし、里親とつなぐことを前提にした「一時的なもの」として位置づけられるべきであるし、運用においても相当の改善が必要だ。
※ たとえば、何らかの事情で親と離れて暮らす子と措置されてきた虞犯少年・少女を、何の工夫もなくまぜこぜにしているというのは虐待を誘発しているも同然である。最低限分離すべきだし、虞犯少年・少女は虞犯にいたるだけの荒んだ状況があるはずなので、専門的なケアが必要である。現状では、そうした対応は驚くほど不足している。
「虞犯少年」(「犯罪少年」「触法少年」じゃなくて「将来法を犯す【かもしれない】少年」のことな)は普通なら家裁が児童自立支援施設に送致する、で、保護観察所の保護観察下に置かれる。21世紀の日本で「何らかの事情で親と離れて暮らす子と措置されてきた虞犯少年・少女を、何の工夫もなくまぜこぜにしている」施設の話なんざ聞いたこともない。もし具体的に「この施設がそういうことをやってる」と知っているなら、あらゆる手段を使ってガキどもを人権侵害から救うために世間に訴えろよ。そんな告発があったという話もついぞ聞かない(児童養護施設内の虐待の発覚や告発自体はうんざりするほどある)から、たぶん「児童自立支援施設(旧救護院)」と、事情があって保護者と暮らせない児童が行く「児童養護施設」を混同してるだけなんだろう。「児童養護施設にいたことのあるガキは虞犯少年少女かもしれない」と世間様に広く知っていただき、連中を店子にしたり雇ったり保証人になったりするときにはご用心を、「普通の家庭で健全に育った」坊ちゃん嬢ちゃんたちと「何の工夫もなくまぜこぜに」したらとんでもない悪さをする危険もあるから、交際や結婚させるのもお奨めできません。くれぐれもお気をつけて、と、注意を喚起したいわけだ。
それはやっぱり「差別」と言わねえか? ついでに「虞犯少年少女」だからってモンスター扱いしていいわけか?
里親側の言い草には反吐が出る。でも、それは俺が健全な家庭で普通に育てられなかった愛着障害児で被虐待児で潜在的虞犯少年だからだ、と連中はきっと言うんだろう。「良い子を育てる健全な家庭」なんざ使徒に踏み潰されちまえ
のはマスコミのせいだな半分以上は、と思ってるわけだけど。
「~の容疑で書類送検」みたいなニュースを見て、「何か警察が犯罪と認定したんだな」って受け取ってる人、多いよね。
違うよ。全然違うよ。
「書類送検」って、会社でたとえたら、「稟議書を営業部から役員会に回付しました」みたいなのと同類だってば。
しかも、その営業部長は、自分のところで稟議を揉み消す権限がない。
自分が受け取った稟議書は、全件、自分のハンコを押して役員会(の担当役員の秘書)に届けなきゃいけない。
稟議を通すか却下するかは、全部役員会で決める。
警察は、「立件」(うんたら被疑事件、として事件番号をつけてリストに登録すること)したら、全件、検察に「送致」しなきゃいけない。
これ勝手に揉み消せない。だって法律にそう書いてあるから。(刑訴法の条文は各自当たられたし)
だから、警察で、「うーん、見込みアリと思って捜査してはみたけど、やっぱこれ無罪だわ。てへ」って判断しても、検察にお届けしないといけない。
(微罪処分っていう例外はあるけどね。知らなくなくない?みんなググれーコピれー)
そもそも、「送検」(法律用語じゃなくマスコミ用語だけど)には、2種類ある。身柄送検と書類送検。
身柄事件の場合は、逮捕されてるから、被疑者の身柄と事件記録(録りたてホヤホヤの供述調書等)が一緒に警察から検察に送られる。
しかも逮捕は48時間のタイムリミットがあるから、だいたい逮捕のニュースの翌日に「きょう送検」って報道。
一方、在宅事件の場合、送検のタイムリミットはない。というとウソか。時効はあるけどね。何にしても、ゆったりたっぷりのんびり捜査してる。で、証拠が固まったところで、「送検」する。
在宅事件の場合、警察には書類しかない。被疑者はふつうに生活してる。だから、在宅事件では、書類だけ検察に送る。
「こんな事件で『書類送検』するなんて、○○県警ひでえ!」みたいな意見がいかにヘンかってこと。
じゃーなんでそういう誤解がマスコミのせいだと思うかというと。
警察は、送検の際には、「送致意見」てのをつける。「これは不起訴でしょうね」「できれば起訴きぼん」「不起訴、ダメ。ゼッタイ」とか。
でもねー。マスコミがそこまでちゃんと警察から聞き出して記事にしてないことが多い。多すぎる。故意か過失か知らんけど。
そして、「本日、○○容疑者が~罪の容疑で書類送検」ってだけ報道する。
明らかに不起訴が見込まれ、送致している当の県警でも不起訴が妥当だと思ってるような事件でも、「不起訴見込み」ってことをちゃんと伝えないのがほとんど。
ま、「書類送検」のニュースにはそれだけ裏があるんだから、刑訴法を一から勉強しろとは言わないが、犯罪報道に興味がある奴はリテラシーを磨いてマスコミに釣られないように気をつけなってこった。
んで、そんなこた言われなくたって分かってらいっていう奴は、誤解してる奴にどんどん教えてやれ。やさしくな。
【追記20091121】
id:koganei_hyogo 話をややこしくするものとして、(微罪処分にはできないはずの事件について)警察が「立件見送り」をすることがある。なぜか被疑者が警察官のときによく見られる現象。
ナイス派生。実際に刑事事件化する価値のない揉め事は多いから、裁量が適切に行使されてる分には問題ないんだが、まあ裁量あるところに不正・汚職あり。あと、告訴や告発の不受理なんかも、同じく「立件」防止の措置だあね。
id:mfigure 全くのシロでも警察にかかったら、社会から抹殺されてしまうんやねorz
警察は粛々とやってるだけ。8:2か9:1で、「社会から抹殺」される下地を作ってる責任はマスコミにあるというのが私見なんだぜ
(1割か2割は警察も悪いとするのは、無罪推定に沿うような送致意見だったら積極的にマスコミに開示しろよ、と言いたいので)
id:Gl17 容疑者てのは犯罪と確定してないから容疑なんだが、ソレで無闇騒ぐから既に「=犯罪者」感覚だもんな。
裁判員制度発足を前に、報道各社(特に新聞)がガイドライン作ったはずなんだけどな。埼玉と鳥取の詐欺女に続いて市橋で完全に視聴者のニーズを背景に吹っ切れたみたいだな。連日気持ちよさそうだ、連中。
id:sichimin 決闘した中学生のことか。
それもあります。でもぞうさんのほうがもっとあります。
id:kenken610 たぶん、逮捕されてなければ基本的に「容疑者」は使わないと思う。
正確な指摘thx。これはうっかり。在宅事件の場合は肩書で報道してるのが一般的なのを失念してました。「~の容疑で△△会社の○○男性社長(48)を書類送検」とかに読み替えplease.
id:MAXjeep つまり書類送検って「悪いことかもしれないから判断してねっ」って渡すことなのかな。
警察の担当者も、自分の仕事はさっさと仕上げないと評価に響くわけで。
被疑者本人や目撃者、関係者の事情聴取、それから実況見分や必要なリサーチ・ヒアリングなんかをしたうえで、検察官に「こんじゃわかんねーよ。補充捜査よろしく」とか言われないくらいに頑張って証拠を揃えて、検察に事件記録の束を送り届けて、やっと一段落。
「悪いことかもしれないから判断してねっ」というより、「遅くなり申し訳ございません。ご査収ください。(まあ俺的にはこんくらいが妥当と思ってるぜ、って意見は一応書いて送るけど)貴殿のご判断にお任せいたします」っていうほうが近い?
【さらに追記】
kazutaka_ueyama そもそも判決が確定するまでクロと決めちゃ駄目なのは、身柄送検だって同じでしょ。なんかこれだと逮捕案件は犯罪確定でOKと読解できてしまう。
一体どこを根拠に「逮捕案件は犯罪確定でOK」なる解釈が出てくるんだか。んでこんなクズコメに☆つけるのまでいるんだか。
id:kazutaka_ueyama氏のブコメはまともなことも書いてるのもちらほら見かけてはいたが、この程度の知ったかクンだったとはね。
ここ数日,マンモスラリPな被告人が保釈するのしないので,ワイドショーの話題が持ちきりです。
ですが,保釈ってなんでしょうか。正確に分かりますか。
いつ保釈が出来るのか,誰が保釈が出来るのか,保釈されるためには何が必要か。
今日は保釈について,捜査中の身柄拘束にも触れながらお話しします。
よく,何か悪いことをすると「捕まるぞ」「タイーホ」などと言ったりしますが,犯罪をすると即身柄拘束,というわけではありません。
捜査機関が容疑者(法的には被疑者といいます)を逮捕するのは,犯罪の嫌疑が相当にあった場合で,逮捕の必要があるときだけです。
逮捕の必要があるときというのは,具体的には,「逃亡のおそれがあること」と「罪証隠滅のおそれがあること」です。
たとえば,重罪を犯した被疑者の場合,重い刑罰が予想されますから,逃亡のおそれは高まります。
逃亡中の共犯者のいる事件であれば,共犯者と連絡を取って,罪証隠滅をする可能性が高まります。
逆に,身元がはっきりしていて定職もある人が,罰金刑相当の事件をしたとしても,逃亡のおそれはないから,逮捕の必要はないというわけです。
逮捕は,身柄拘束という人権侵害を伴うものなので,法律で厳しく時間が制限されています。
警察官が逮捕状に基づいて逮捕した場合,逮捕から48時間以内に検察官に送致しなければなりません。
もっとも実務では,逮捕状を執行するために警察署に「任意同行」したときから制限時間を起算しています。
これは,ゴツいポリスメン2人に挟まれてパトカーの後部座席に座らされるののどこが任意だ,という主張を踏まえてのものです。
逮捕されていなくても,警察官が捜査を遂げると,検察官に捜査書類が送付されます。
これを報道用語で「書類送検」といいます。逮捕されると「身柄送検」になるわけです(そんな用語ありませんが)。
身柄だろうが書類だろうが,被疑者を検察官に送ることを,ひっくるめて送致といっています。
ちなみに,逮捕するときには,手続として,弁解録取というものをしなければなりません。
これは,被疑者のこの段階での弁解を聴く手続です。
逮捕後の報道で,「容疑を認めている」「容疑を否認している」とあるのは,弁解録取の際の被疑者の主張な場合が多いです。
検察官は,警察から被疑者の身柄を受け取ったときには,勾留するか勾留しないかを24時間以内に決めなければなりません。
勾留というのは,被疑者を留置施設に留め置くことですが,起訴前勾留と起訴後勾留の2種類があります。
勾留をするかの判断要素は,住居不定,罪証隠滅のおそれ,逃亡のおそれの3つです。
住居不定は逃亡のおそれが非常に強い場合ですから,結局,勾留も,捜査に支障を来さないよう,罪証隠滅と逃亡を防止するために行われます。
もっとも,判断主体が検察官ですから,逮捕よりも厳密に判断されます。
勾留は10日間が原則ですが,20日間まで延長することが出来ます。
検察官は,この10日間ないし20日間に起訴しなければ,釈放しなければなりません。
逆に,起訴されると,原則として自動的に起訴前勾留が起訴後勾留に引き継がれます。
起訴後勾留は,裁判への出頭確保と,罪証隠滅のおそれを防止するためになされます。
ところで,逮捕・勾留されて起訴されると,最長で23日間の身柄拘束をされていることになります。
ここまで来ると,心身に異常を来す者も現れます(拘禁反応といいます)。
そして,起訴されてからの捜査は基本的には許されないので,罪証隠滅のおそれは少し弱まっています。
この保釈保証金は,逃亡すると没取(没収と紛らわしいので,「ぼっとり」と読みます。),すなわちチャラッチャラッチャーンされます。
このことによって心理的に圧力をかけ,逃亡のおそれを防止するという制度です。
保釈にはいくつか種類があります。
権利保釈は,重罪・罪証隠滅のおそれが強い場合でなければ,当然に認められるという保釈です。
裁量保釈は,権利保釈が認められない場合でも,適当と認めるときに裁判所が保釈するものです。
義務的保釈は,勾留が長引いたときになされます(が,あまり認められていません)
裁判官(所)は,どの保釈に当たるかを意識せず,許可を出すので,請求者は,
逃亡と罪証隠滅のおそれを判断し,これに,勾留を続けることのデメリットなど主張できることはなんでも主張すべきことになります。
請求権者は,被告人,弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族,兄弟姉妹です。
これらの者が,独立して保釈請求できます。究極的には,被告人の意思に反しても出来ます。
もっとも,被告人が望まない場合に裁判所が保釈を許可するとは考えにくいですが。
数日前は,本人は,保釈をよしとしないと報道されていましたが,ここに来て,保釈して欲しいと言い出したと報道されています。
報道でもあったように,薬物犯罪の場合,勾留中おとなしくして,薬物を体から抜くべきだ,という議論があります。
現場の裁判官も言っていますし,身柄を一刻も早く解放すべき弁護人ですらそう言ってのける先生もいます。
確かにその方が情状はよくなり,執行猶予付き判決の可能性も上がると言えますが,
では,本件で保釈が許可されるか,弁護人が主張しそうなあたりを拾ってみましょう。
まず,逃亡のおそれですが,確かに彼女は逮捕前に逃亡していました。
しかし,保釈においては,保釈保証金で逃亡のおそれをカバーするので,よほどでなければ問題ありません。
覚せい剤の所持・使用は,10年以下の懲役にあたる罪ですが,初犯(ですよね?)であることもあり,まず執行猶予が認められる事案です。なので,ここからは逃げた方が損をします。
したがって,逃亡のおそれは保釈を却下するほどではないと思われます。
次に,罪証隠滅のおそれですが,これも逮捕前にやっていたわけです。
しかし,こと薬物犯罪においては,起訴前に捜査は全て終わっているのが圧倒的大多数です。
薬物犯罪は,そもそも被害者がいませんから,被害者を脅して証言を変更させる,とかがないからです。
尿検査と鑑定が終わっていれば,他にはあまり立証することもありませんし。
共犯者(?)である夫も,罪を認めています。
なので,罪証隠滅するおそれの,そもそも罪証が存在しないと考えられます。
そして,その他の事情です。
幼い子供がいること,大きく報道され,事務所を解雇されるなど,犯罪以上の社会的制裁を受けたこと,現在では罪を認めて反省していることなどが有利に働くでしょう。
他にも適切な監督者がいれば,大きく有利になります。
お久しぶりです。相変わらずの長文ですが、おつきあい下さい。
のりPが逮捕されました。今日のワイドショーによりますと、酒井法子容疑者に起訴猶予の可能性が出てきたとのことです。
ですが、この聞き慣れない「起訴猶予」って、いったい何でしょうか。
起訴猶予のことを勉強する前に、検察官のお仕事についておさらいしておきましょう。
昨日付けで、酒井容疑者は送検されました。つまり、身柄が警察から検察へと移されたことになります。
検察庁には検察官がいて、警察から送られてきた容疑者(法律用語では被疑者といいます)に対して、
法的な視点を重視してさらに捜査を遂げ、被疑者に対する処分を決定します。
警察の捜査官・取調官(現場の刑事さんですね)は、法律の適用についてポカをやることがあるので、検察官がさらに検査している、というイメージでしょうか。
(後述の「罪とならず」なんて場合がたまにあることを考えると、非常に重要な役割です)
さて、検察官が被疑者に対してする処分には、起訴処分と不起訴処分とがあります。
起訴処分とは、そのまんま、裁判所に被告人を起訴して、裁判を請求することです。
一方で、不起訴処分というのは、次のような事情により、起訴しないことをいいます。
1.訴訟条件欠缺(親告罪なのに告訴がない、時効が成立している、など)
起訴猶予は、起訴が相当でないと検察官が考えた場合に下される処分です。
この「起訴猶予」を検察官に認めた条文があります。それは刑事訴訟法248条です。
248条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。
このように、検察官には、起訴するかどうかを、事案に応じて判断することが可能です。
このことを、「起訴便宜主義」といいます。
起訴便宜主義が認められている理由のひとつには、「段階的処遇」という考え方があります。
刑法や刑事訴訟法を杓子定規に解釈すれば、覚せい剤を所持してさえいれば、所持の罪に罰金刑はないので、即ブタ箱行きです。
ですが、これがあまりに不当なのはみなさんもおわかりになるかと思います。
法律の世界でも、「短期自由刑の弊害」という言葉で議論されています。
つまり、犯罪傾向の少ない人が、留置施設や刑務所で、他の犯罪傾向の強い人から影響を受けてしまい、
出てくる頃にはすっかり犯罪傾向が進んでいた、なんてことでは困ってしまうというわけです。
このように、犯罪を行った人の犯罪傾向に応じた、適正な処分をしよう、というのが「段階的処遇」というものです。
段階的処遇の例は起訴猶予の他にもあります。
たとえば、スーパーで食料品を万引きしたのを警備員が取り押さえて事務所まで連行したという事例で考えてみましょう。
常習犯や被害額が大量なら間違いなく通報しますが、少年だったり被害額が僅少だったりすればここで釈放しますよね。
次に、警察が事件として立件するかどうかを決めます。
事件と呼ぶにはあまりもアホくさい事件なら、事務所に警察官が来た段階で、帰っていい、ってことになりましょう。
また、警察が事件として取り上げた後は、検察官に送致するかしないかを決めます。
前科前歴が無かったり、素直に犯行を認めていて反省が深まった場合には、これ以上の処分が不必要ということになります。
警察官にはこの「検察官送致便宜主義」とでもいうものが認められていますが、これを「微罪処分」といいます。
刑事訴訟法246条ただし書を根拠とするもので、検察庁が指定した一定の罪について認められています。
そして、検察官に送致された後も、起訴するか起訴猶予とするかが認められているのは先ほど見てきたとおりです。
さらに、窃盗罪の場合は罰金刑がありますので、起訴されたとしても、公判請求するか、略式請求(罰金をさっさと払ってもらう手続)するか、の裁量があります。
裁判官は、公判請求、つまり、通常の裁判の手続になったとしても、3年以下の懲役にする場合には執行猶予を選択できます。
また、裁判官は、再犯者については刑の長期を引き上げることができますし、検察官は短期間で窃盗罪でブタ箱に何度も行ってる場合には、常習累犯窃盗罪という罪で起訴することができます。
このように、犯罪傾向の少ない者を早く刑事手続から解放し、犯罪傾向の進んでいる者に適正な処罰を与える仕組みができあがっているのです。
蛇足ながら、微罪処分や不起訴処分を受けたことは「前歴」といい、裁判を請求されて有罪判決を受けたことを「前科」といいます。
刑法上、有罪判決を受けたことによる不利益は、時間の経過や恩赦で消滅しますが、警察・検察のデータベースでは消えません。
本件で、積極事情はいくつかありますので、挙げてみましょう。
・有名人であり、大きく報道されることによりすでに社会的制裁を受けていること(犯人の境遇)
・使用の事実は証拠が不十分で、公判を維持できない可能性がある(=公判で否認されると立証が困難)(犯罪の情状)
・所持していた覚せい剤の量が0.008グラムと微量であること(犯罪の情状)
・これまでに前科前歴のないこと(ですよね?多分)(犯人の境遇)
・まだ10歳の子がいること(犯人の境遇)
逆に、消極事情もあります。計画的に逃亡していたこと(犯行後の情状)です。
酒井容疑者の弁護人は、酒井容疑者に、これをなんとか崩すべく指示しているはずです。
「気が動転してしまって」という主張はまさにそれでしょう。
しかしながら、「再起」といって、再び事件を掘り起こして、新たに処分をする可能性もあります。
たとえば、窃盗の例に引き直すと、
起訴猶予後に再び窃盗を繰り返した場合、起訴猶予になった窃盗が時効に掛かっていなければ、これも再起して起訴したりします。
そこらへんは執行猶予と似ている部分があるかも知れませんね。