「fancy baby doll」という曲はご存知だろうか。
田村ゆかりさんという声優さんの代表曲で、ライブで必ず歌われるらしい。
この曲はサビの部分(正確には"2番の"サビらしい)「世界一かわいいよ!!」とオタクが叫ぶようにコールすることで有名で、
ネットのオタク(と言ってもある程度年齢が高い方々)は恐らく一度は聞いたことがあるはず。ゆかり姫を祭り上げてる王国民たちの情熱は一周して清々しいまである。
この曲の歌詞を読むと、この歌詞の主人公は「自分を『世界一可愛い』と思っている」のではなく、「『世界一可愛い子に生まれたかった』と思っている」女性であることがわかる。
王国民はこの歌詞を理解し、この歌詞を歌う女性に向かって2番の「世界一可愛いって今日も言ってね」にかぶせるように「世界一かわいいよ」と心の底から叫んでいると、古の増田にも書いてあった。
「
ファンは夢を見せてくれる勇気ある戦士であり、美しい姫である田村ゆかりさんに愛と尊敬と感謝を込めて、
田村ゆかりさんの夢を叶えるため、全力で「世界一可愛いよ」と伝える。
自分には誰も言ってくれないであろう、世界一可愛いよという言葉を、
」
https://anond.hatelabo.jp/20131011143156
王国民ではないのでこの増田が正しいかどうか分からないが、あのコールが単に「世界一かわいいよ」と声をかけているだけでなく、コールを通じて「世界一可愛い子に生まれたかった」という想いを持った存在が肯定されているのは間違いないだろう。
自分は男性であり「可愛い子に生まれたかった」と思ったことはないが、「人気ものになりたかった」という思いを持っていた時期があった。
小学生の頃に顔も良くはないし根暗で陰湿な僕はその真逆を行くちょっと浮いた子だった。でも(だからこそ?)承認欲求は人一倍強かった。幸いにもイジメに遭うことこそなかったが、目立つようなことをすればするほど人から避けられるようになっていた。
その時の影響か「自分は普通にしていても人気者にはなれない」と思っている。だから年齢を重ねるごとに「どうやったらウケるかを考えて実践しなければならない」という自覚が強くなり、いつもトークでイニシアチブを取れるよう必死になっていった。
もちろん普通の人はそんなに必死ではないので、完全に様子のおかしな人として扱われる事が多いものの、「必死にさえなればある程度の笑いを稼ぐことができる」というのは己の承認欲求を心地よく満たしてくれた。
そんな人と会話することで承認欲求を満たしていた自分が、コロナ禍で人と会わなくなった。
出社もしないし買い物もしない。生活は徒歩圏内で完結し通信量も1ヶ月1GBも使わなくなってきている。
身の回りでもゴタゴタがあり結局のところ承認欲求が満たされてなかったのだろうが、一時期「何かを為したわけでもなく自分よりもチヤホヤされる職場の同僚の姿」(と認識してしまうくらい余裕がなかった)を見て焦燥感と劣等感と、それを覚える自分への自己嫌悪に日々辛くなっていった。
そんなときに出会ったのが「黛 冬優子 (まゆずみ ふゆこ)」 というアイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)のアイドルだ。
冬優子は二次元アイドルなので顔が可愛い。そういうふうに作られているからというのもあるが、作中の世界でも顔の作りが良いことは何度も言及されている。
でもそんな彼女は「自然と振る舞ってるとどんどん人が離れていく」ようなアイドルと真逆の人生を送ってきたことがセリフの端々から分かる。
そんな人生を送る中で幼少の頃に見たアイドルアニメの影響で心のなかにアイドルへの憧れを抱えて生きてきたのだ。
だからよそ行きの自分を作って、完璧な仮面をかぶった状態で人前に出ていくし、アイドルになったからにはその仮面を磨き上げることに余念がない。
だからこそ、彼女はときに理想と現実の狭間で彼女の心が揺れて傷つくし、そこから這い上がる強さも見せてくれる。
「自分はアイドルに向いてない」 けど 「アイドルへの憧れを止められない」 から 「自分の中の理想のアイドルを作り上げる」 そんな姿をユーザに見せてくれる。
シャニマスに限らずアイマスの世界ではたびたび「ナチュラルボーンアイドル」がもてはやされる。
はじめは「私にアイドルなんて無理!」みたいなこと言ってるキャラも"人間的成長"を経て自然体のままアイドルになっていく描写がなされ、
一見とっつきづらいタイプのアイドルも気づけば「いやあの子実はいい子なんスよ…」みたいな評判になっていることが多い。
生まれがアイドルでなくても、トップアイドルを目指す過程で気づけば内面から「理想のアイドル」になっている。
アイドルになるべき女の子が、アイドルとして輝く世界がアイドルマスターの世界だった。
そんな中現れた黛冬優子のことを、他人事だとは思えなかった。
「自分には誰も言ってくれないであろう、世界一可愛いよという言葉を、
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[2020/12/24 19:30ごろ] 書いたときの勢いを殺さない範囲で、読みづらかった箇所を一部修正しました。また、冬優子の新規pSSRは無事に引けました。世界一可愛いよ。
結局のところ真実など本人しかわからないので、 ここでラジオなどから推察される田村ゆかりさん本人の人柄について言及しても不毛なので多くは語らないが、 彼女は人見知りで社交性...
「fancy baby doll」という曲はご存知だろうか。 田村ゆかりさんという声優さんの代表曲で、ライブで必ず歌われるらしい。 この曲はサビの部分(正確には"2番の"サビらしい)「世界一かわい...