正確に言うと、自分の祖母と母が同時入信なので、世代で言ったら3世。実質的には2世だから、カルト2世ということにさせていただく。
「カルト2世」を知らない人のために軽く説明すると、親が新興宗教(≒カルト宗教)の信者である人のことを指し、本人の意思とは関係なく(生まれる前から信者のことも多い)、彼らは戸籍を作るように、宗教に入会している。
自分はほとんど生まれた頃からの信者で、二十余年間、現在に至るまでとある新興宗教の会員である。母の紹介で父と自分は入会しているが、父も自分も今はほとんど集会に参加しない。ペーパー会員のようなものである。これは当然宗教によるのだが、自分が入会している宗教はかなり緩く、会費さえ払えばそれ以外の制約がない。毎週集会に参加しろとかは一切ない。正直ファンクラブくらいのノリである。
自分は中学から大学入学まで、結構熱心な信者をやらせてもらっていた。うちの宗教には例えば進路とかで迷ったときにお告げみたいのをもらえるシステムがあって、そういうのをよく利用させてもらっていた。みんなも経験があると思うのだが、本当に迷ってしまったとき、誰かに助言をもらえるって言うのは結構ありがたいことだ。原理としては占いに似ていて、法に抵触するようなことを言われない限り……まあこれはちょっと大げさにしても、あまりに自分の信念と反するようなことを言われない限りは、そういうのに従ってみるのもありかな、みたいなマインドに陥る。そもそも、自分の信念がちゃんとしているような人間は宗教には嵌らないんじゃないかと自分は思う。歴史上、いつだって宗教は迷える人のために寄り添ってきたものだ。
だから、自分は宗教というものそのものを否定しようとは思わない。問題は、カルト2世、信教の自由守られてますか?ということだ。
自分の母は、(あえてこういう言い方をするが)ズブズブなので、自分(当増田のこと)が抜けるなんてことは考えも及ばない人間だ。一度、辞めたい(次回の更新を飛ばしてくれ)と言ったら、「今までどれだけ助けてもらったと思ってるんだ、恩を仇で返すつもりか」とそれはそれはものすごい剣幕で怒鳴られ、挙句の果てには体調を崩してしまったことがある。自分が数十年信じてきたものを否定された母の心情は察するにギリ余らない程度だが、そうはいっても、母が言ってることは、1割くらいはわかってしまうのが大変辛い。確かに、今まで自分は救われてきたのだ。多分。しかしそれは過去の話でこれからの信仰を約束するものではない。そんな自分の考えは間違っているだろうか。その後も何度も話し合ったが、平行線だ。
以前、うちの宗教には(例えば)8時前に起きなかったら一日上手くいかない、みたいな教えがあるんだけど、就職活動中、ほとんど8時前に起きなかったことに言及し「8時前に起きなかったから就活ほとんどうまくいかなかったのよ」と母がおっしゃっていた。確かにそうかもしれないし、早起きは三文の徳とかいう言葉もあるくらいだから、その可能性は否定できないけど、別にいいじゃんか。(実際、自分は大手の企業から内定を頂けた。就職活動がすべて失敗していたら母の言い分も分かるが、そうでもないので母の意見には賛同しかねる。それに、自分の記憶が正しければ、内定貰った企業の最終面接の朝も確か10時くらいに起きた。)こういうところが、マジでクソだと思う。
母は猛毒親ではないが、ミニ毒っぽさはあるので、当増田のことを所有物だと思っている気がある。自分の思い通りにならないことは気に入らない性格なので、そういうのも込みで、自分が脱会するのを阻止したいのだろう。
父は母に連れ込まれる形で入会したが、父もこの宗教に救われたという体験があったので、「何かあったときに頼れる存在は貴重だ。脱会してしまえば、いざ、本当に困ったときにどうしようもなくなっちゃうよ」と言ってくる。質問なんだけど、みんなはそういう経験に陥ったときどうするの?orどうするつもりなの?特に日本は無宗教の人が多い。自分は今の宗教がインストールされた状態で生まれてきてしまったので、そうじゃない世界を知らない。マジでみんな、どうしてるの?
自分が脱会を望んでいるのは、「カルト2世だという事実」が辛いから、そして、別にこの宗教のことを今信じていないので、会を継続している必要がない、ということである。まあ、信仰を捨てるみたいな大げさな形になってしまうんだけど、そもそも自分の意思で拾ったわけでもないものを、継続しておく必要性が全くわからない。はたから見たらみなさんはどう思われるのだろう……
残念なことに現在自分の会員証を管理しているのが母なので、このままだと永遠に自分は脱会することができない。やろうと思えば本気になって探して、燃やすなりなんなりしてしまえば良い。現行のシステム上再入会が難しいとのことなので、脱会は成功するだろう。
しかしながら、多分それは親との決裂とか、そういうことを意味するものである。ミニ毒であっても親は親なので、正直、決裂すんのもダルいわな、とも思う。
しかも、恐ろしいことに、母は「今やめたらあなた大変なことになるって〇〇さん(信者)が言ってたわよ」って言ってくる。おいおいおい、本当にそうなったらどうしてくれんの。新興宗教、マジでこういうところがヤバすぎる、宗教そのものよりも、宗教にどっぷりいってしまった信者の方が数億倍も恐ろしい。
悲しいことに、自分も伊達に二十数年間新興宗教の人間やってないし、大学入試までの人生、お告げ通りにやってきてしまったので、「マジで最悪の場合命落としたらどうしよう」と思ってるのだ。信者の方が恐ろしいってこういうこと。そんなに覚悟がないんなら、辞めずにペーパー継続したら?って感じもするので、もうどうしたらいいかわからん。
ケロっと無宗教やるか、脱会して天涯孤独になってワンチャン命落とすか、これからもぼんやりとカルト2世続けるか。できれば無宗教やらせてもらいたいので、とりあえず会員証探しに奮闘することにする。
自分の人生を掌握されるってどんな感じなんだろ