多分俺がそうなる。学生時代の友人連中もことごとくこれ。
親はなぜか優秀なんだよ。しょせんはサラリーマンだけどどう計算しても生涯賃金10億は稼いでる。ついでに東大卒。
友人たちの親も同じようなもんで、2代目開業医だの朝日新聞だの三菱重工だのそんなん当たり前。当然、高学歴だし裕福だった。
家はデカいし別荘持ちだし何よりどの家も教育に対する投資を惜しまなかった。
で、俺達がどうなったかというと万引きもせず普通に楽しくゆるく学生生活を過ごして一浪マーチとかニッコマ。
マジ。ネットだと「教育投資を惜しまない裕福な家に生まれ育ったのに早慶行けない奴は障害者」とか切り捨てられるけど、全然そんなことはない。同じ境遇で俺ら程度の大学行くハメになった奴なんてむしろマジョリティ(女の子なら偏差値50程度だけどなんかちゃんとしてそうな名前の女子大に現役進学してお茶濁したり)。
でも悲壮感は特になくて、親も親で「受かってよかったなおめでとう」なんてニコニコ笑ってるだけだから、資格取得で頑張ろうとか全然思わなかった。友人連中もやはり同じ。
案の定、大学入ってからも留年しない程度に講義をサボってアニメ見てシコシコしてラーメン食べてヌルいバイトを趣味程度にやってたら3年経ってた。
これでもまだ危機感は覚えない。
なにせ都心通勤可能圏に実家があり、そこには金融資産たんまりの親が住んでいる。「生きるために無心になって働く」なんて境地には到底至れない。会社辞めてえ〜とかアホ面下げて猫背で働いてなんとなく時間がすぎる毎日。幸いにも、俺も友人連中もバイト以下のクソ意識が許される環境だった。会社ではニヤニヤチンタラしてる。眠くなったら便所で寝てる。これなら勤まるはずだよ。
さて、そんなふうにして俺たちは昨年30歳になった。俺や友達連中の半分くらいは結婚予定がある。ただ、みんな年収400万〜450万程度。もう10年勤め続けても500万くらいで頭打ちじゃないかと思う。
これじゃあ結婚するにしても共働きマストで、子供なんか絶対無理だ。
でもまだ焦らない。焦れない。
なぜなら、住宅ローンの頭金や自分の老後資金はどうせ親が全部なんとかしてくれるだろうとわかっているからだ。
それでもなおお金は余るだろう。薄給ながら意識低く適当が許される会社で働きながら、マイホームを手に入れ、嫁と面白おかしく遊びながら余暇を満喫する。
最後には何も残らない。
親が40年以上かけて築いてきたあらゆるモノを子供が綺麗に費消して最期は全部無に帰する。
やや裕福な家に生まれた男で俺らみたいな奴は多いぞ。
ずーっと学生気分なのよ。
でも努力や能力以上に良い思いさせて貰えてるから克己心も芽生えない。
ガチの田舎なんかによくいるらしいけど、高校卒業して即地元の零細企業勤めて結婚して子供3人生んで何台も車持っててチューニングに金かけまくってて家族旅行もしまくってて〜、みたいな元ヤンに凄く感情移入する。
それと同時に俺らみたいな家に生まれてちゃんと難関大に受かって日経225企業とかに就職して高スペ女と結婚して子供作ってお受験させて〜みたいな満点ルートをまんまと歩んでる同年代は本気で尊敬する。そのモチベーションはなんだよ。
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