とうとう、ほとんど恋愛したことがないまま、29歳になってしまった。
ここで、私も思うこととしては、男性に生まれたかった、ということである。男性であれば、私は勉強や仕事やその他いろいろの努力によって、人並み程度には幸せになれたかもしれないからだ。
自分がブスだと気づいたのは小学校二年生の頃だ。子供だけで参加するキャンプで初対面の女の子たちから、どうしてブタみたいな鼻をしてるの?どうしていつも目が開いてないの?とからかわれた。
それでも一縷の望みを持って、ピチレモンの記事を参考にまつ毛をカールさせたり、眉毛を抜いたりしてみた。しかし小学校高学年の頃、親戚の集まりでの祖父の一言で希望は打ち砕かれた。
「(従姉妹の)◯◯ちゃんは美人だし、◯◯ちゃんは愛嬌があるのに、どうしてお前だけ不美人なんだろうなあ」
私の従姉もとりわけ美人ではないが、私と比べればマシ、というか全てのパーツが悪いわけではない。父と母のそれぞれ悪いところだけを受け継いだのが私の顔だ。
私のような容姿の人間は調子に乗ってはダメだと思った。元来目立ちたがりだったが授業でも手をあげず、誰もやりたがらない係につくようになった。
それでも中学に入ると、周りが私を放ってはくれなくなった。男子による、学年ブスランキングの始まりである。毎回一位の私は、近づくと菌がつくと男子にいじめられ、女子からは見えないものたして扱われていた。それは容姿のせいだけでなかった。
毎回二位の田中さん(仮)はクラスの一軍に入っていたからだ。田中さんは頭の回転が早く、どんなブスいじりに対しても軽妙な切り返しで笑いに変えることができた。私はそれができず、ブスと言われても曖昧に笑うことしかできなかった。
(そういえば今思い出したが、女子で唯一積極的に私をいじめていたのは田中さんだった。同じブスとして括られたくなかったのかもしれない)
しかしそれでも中学時代、勉強だけはそれなりにできた。自分を軽んじている相手に勝てる唯一の手段だったし、母親からは「親は先に死ぬから、勉強して手に職をつけなさい」と言われてきた。(今思えば、私の結婚をはなから諦めていたのだろう)
おかげで高校は、偏差値の高い女子校に入学できた。高校時代は楽しかった。クラスでも目立たないオタクのコミュニティに入れてもらえた。それほど二次元への情熱があったわけではないが、当時流行っていたテニプリやおお振りをテーマに誰かと盛り上がれることが楽しかった。
調子に乗って東京の大学に進んだのが間違いだった。サークルに入ろうと新歓コンパに申し込んだが、連絡は一件も来ない。クラスでも私以外は垢抜けた人しかおらず次第に孤立した。せめておしゃれを頑張ろうと思った。キャンキャンに載っていた一重でも可愛く見えるメイクを試した。えびちゃんと同じ服を着て同じ髪型にした。「勘違い」と嘲笑されただけだった。
一人暮らしだった私は毎日学校に通っていながら、誰とも話さない日が続いた。一人でご飯を食べているのを見られたくなくて、昼食は抜くようになった。半年もせずに学校で私は意識を失って倒れた。気の遠くなるような精密検査の結果、鬱と診断された。母親に実家に連れ戻され、大学を休学したものの結局中退した。
数年間の静養の間、親は私を責めなかった。でも学費を無駄にさせたこと、60歳近くになって世話を焼かせてしまっていることの償いとしてせめて働こうと思った。十数件のアルバイトに応募し、ファミレスのキッチンに採用された。キッチンは男性中心の職場だ。同僚は客の容姿に点数をつけたり、キャバクラの話で盛り上がっていた。大学時代と違って、面と向かって容姿の悪さを指摘された。何も言い返せずヘラヘラと笑っていると、彼らから話しかけられることはなくなった。
「私のことも他の人と同じに扱ってください」とは言えなかった。
その代わりに、ブスな女芸人の出ている番組をすべて録画して、ブスいじりへの返しを学んだ。自虐ネタのパターンも覚えた。
私は職場で面白い奴と言われるようになった。もっと暗い女だと思っていたと。個人的な飲み会には呼ばれなくても、職場全体の飲み会には呼んでもらえるようになった。
クリスマスも年末年始も仕事に入れる私は店長にもありがたがられた。
やっと人間になれた。そう安堵していた。そんなある年の暮れ、中学時代の同級生が店を訪れた。私と同じように容姿に恵まれず、クラスの3軍だった勉強のできる男子だ。妻らしき女性と、赤ん坊と一緒だった。
母に聞くと、彼は上場企業に就職して結婚し子供が産まれたので一緒に帰省しているのだという。
私は恋愛経験のないアルバイトのまま20代を終えようとしている。
それでいいと思っていた。昔より全然人間扱いされてるし、人生で今が一番幸せだと思っていた。でも何でこんなに諦めなくてはいけないんだろう、って、気づいてしまった。
>男性であれば、私は勉強や仕事やその他いろいろの努力によって、 >人並み程度には幸せになれたかもしれないからだ。 ええ、え、え、え? なんだ男性ならそれらの努力をすれば...
かわいそうに 46歳童貞だけど苦しみはわかる 俺もつらかった 現実を見ないことで今も生きてる
ところで、男に生まれて苦労すると、女性に生まれたかったって 思うもんなん?
思うよ
男に生まれて、大して苦労はしてないけど、本当は女に生まれたかった。世界は女性のためにある。男は世界を維持するために生まれてきて死ぬだけの存在。
隣の芝生は青いのかも知れないが、それにしたってそう思う
この件からお前が得るべき教訓は 「男に生まれればよかった」ではなく「女子大に進学すればよかった」という事だ。
こういうのってある日突然ブスじゃなくなったらすべて解決すると思ってそう
そこまで辛いのに整形を考えないのが逆に不思議