2016-06-10

オタク差別されている!のか?

オタク差別されている!」とよく耳にする。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

そうだとしよう。だけど、すごくおおざっぱに言って「昔」と「今」とでは同じ「差別」でもその意味合いが違ってるんじゃないか

「昔」、オタクベタ差別されていた。仮にそうだとしよう。あの偉大なコミケを指して10万人の宮﨑勤が……と。

他方「今」、オタク差別されているとするなら、それはオタク文化社会に受け入れられる上でのアレルギー反応のようなものではないだろうか?

オタク文化はアレルギ=悪だというのか?」そういう価値判断を下したいわけではない。「ある異質な文化社会に受け入れられる際、必然的に一部の面倒な人から拒否反応が起きる」という現象を仮にアレルギーマークしてるだけで、悪だといいたいわけじゃない。僕はオタク文化が大好きだ。最近では「三ツ星カラーズ」という漫画オススメだ。

さて、普通に言って、オタク文化は浸透した。AKB国民アイドルだ。初音ミクラブライブくらいなら誰でも知っている。ガルパンはいいぞ。あるいはハリウッドの超大作にオタク的なエッセンス密輸入されているのを確認してほくそ笑んだり……色んなレベルはあるけど、着実に広まっていると言えるだろう。

「いや、オタクはまだまだ差別されている!」その指摘は正しい。この後触れる。

ラブライブとかってヤンキーオタクあいのこみたいな層にウケたものでしょ?それオタク文化って言えるの?」その指摘も正しい。後で触れる。

そんな中、「碧志摩メグ問題でも「のうりんポスター問題でもいいが、仮に「オタク差別されている!」と感じる事象があるとすれば、それはオタク文化が受け入れられようとしている上での、一種拒否反応のようなものとして捉えると色々とスッキリしてくるのではないか

「お前は「碧志摩メグ」や「のうりんポスター」をどう捉えているんだ!」それはここでは問題にしない。やりすぎと思うにせよ、そんな目くじら立てなくてと思うにせよ、ここではあえてフラット事象を眺めることによって得られるものに注目したいのだ。一応いっておくと僕は、「碧志摩メグ」や「のうりんポスター」はさまざまな当事者の心境や、そのコンテンツをつくるに至る具体的な文脈部外者による評価をどう判断するか、そもそも「当事者」と「部外者」をどのような基準で分けるのかいやそもそも分けられないのかなど多岐にわたる論点を抱えており、善悪二元論で語ることは危険だという立場だ。これを世間では日和見と言うらしい。

まり、すごく大雑把にいって「オタク文化差別されている!」という時の「差別」は昔と今とではその意味合いが異なっていると言うことができる。ここからが本題だ。

たとえば、最近オタク文化に馴染んだ若いオタクが「差別されている!」と憤るのはもっともなことだ。こんなに素晴らしいオタク文化拒否反応を示すなんて、と。

また、古風な「オタク観点から物事を捉えている人が「差別されている!」と感じるのももっともなことだ。かつてオタクは冬の時代を過ごしており、その余波は今でもあちこちに見出される。一貫した観点からオタク差別を捉えるのは妥当なことだし、有意義なことだとも思う。

しかし、昔ながらのオタク観点」をガッツリしょってるわけでもなく、かといって最近オタク文化に親しみはじめたわけでない、そんな中途半端な「オタクであるにも関わらず、「オタク差別されている!」という言説の歴史的に宿る差異にまったく無頓着であり、それなのに「オタク差別されている!」と無邪気に発してしまう、そんな人達が僕は不思議で仕方がないのだ。

これは「真のオタクは……」というタイプの語り口に所属するものでは(おそらく)ない。文章としては同じものが、文脈によって複数意味を宿すことについての注意力、恥ずかしい言葉を使えば「言葉に対する感性」の問題だ。

いまいちピンとこなかっただろうか?それなら申し訳ない。スルーしてくれれば幸いだ。

実は、僕はいくつかの具体的な顔を思い浮かべながらこの増田を書いている。あてはまらなかったり、なんか意味不明と感じたら、多分あなたにとって、それは的外れな問いなんだろう。

「そんな友人にも実は深い背景が……」と思われただろうか?一応、僕とその「顔」は深い関係を築いている。そして、僕のほうがどうやらオタクなのだ

「そういうことって別にオタクだけに限らず……」その通り。そういう見方を全く否定するつもりはない。これは別にオタク文化断罪したいのではなく、単に、実体験で感じたモヤモヤについての増田だ。

「そのような語り口自体増田オタクフォビア的な隠された政治性を暴露しており……」そういうつもりはないが、僕はその見方否定できない。すごくラフに言って「にわかオタク」的なものに疲れているのは事実だ。とはいえ、あくまで対人関係での違和感が根っこにあり、そいつたまたまにわかオタクで」……、という順序だ、ってことを理解してくれれば幸いだ。

この増田がどこかに届くことはできるだろうか?

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