日経が伝えている。
日本の労働者は他国よりも長時間働いている半面、1時間あたりの生産量は非常に少ない――。先進諸国と日本の労働実態を比較すると、働く現場での非効率性が浮かび上がる。
経済協力開発機構(OECD)の調べによると、日本では1人あたりの総実労働時間は2011年で平均1728時間。統計をとり始めた1970年の2243時間がピークで、高度経済成長 期に比べてサービス残業の見直しなどで減少傾向が続くものの、英国(1625時間)やドイツ(1413時間)、オランダ(1379時間)など欧州諸国に比 べると、長時間労働が依然続いている。
一方、同じくOECDによる労働生産性の国際比較(11年)を見ると、日本の労働時間1時間あたりの生産性は41.6ドル。米国(60.2ドル)やフランス(57.7ドル)、ドイツ(55.8ドル)に比べて日本は生産性が著しく低い。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG1800X_Q3A620C1SHA000/
(関係ないが何故日本のマスメディアは記事を消すのだろうか?BBC等の海外メディアはかなり長期間残しているが、日本のマスメディアはやましい事でもあるのだろうか?)
やっと、この国でも「生産性」について最近考えられるようになってきた。
「生産性」と言う「率」に換算して考えると、日本人の水準は低い。
その事自体はこちらに帰ってきた頃から気が付いていた。ただ、そう言う事を訴えても、この国では新参者や部外者の意見は取り入れられないらしく、叩かれて終る。
(常にそうだったし、恐らく大多数の人間はこれからもそうであろう。)
生産性とは特段指定が無ければ基本的には「生産率」の事と言える。
この国で重要視される、或いは重宝されるのは「労働時間が如何に長いか」と言う量的問題であり、「率」ではない。そしてそれ以上に価値として重きが置かれている要素が「根性論」と言う悪しき風土である。(要は入力しか見ておらず、出力や全体の式を見ていない。)
そしてそれが齎す文化が、「自分を捨てて死ぬ気で頑張ったものが偉い。」「体を壊してまで労働に自己をそそいだ者程偉い。」と言う悪しき風潮である。
だからマスメディア(増すゴミ)ではそう言った物語が大々的に取り上げられ、賞賛される。
「長く労働した方が偉い。」「(効率はともかく)会社に長時間残っている奴が偉い。」と言う暗黙の了解とその悪しき労働文化。
(そして、「効率」を本当の意味で理解している人間の少なさ、、、口では「**してると効率悪いからね」などと言うが本当に理解している奴は極端に少ない。)
その為、「最終的な生産量」のみが重視され、その間の「生産工程」・「生産過程」・「率」が考えに入れられる事は無い。
労働量や最終的な「出力量だけ」が重視され、「その過程」が全く考えられていないのである。
そして、その「率」を上げよう物ならば、必然的に労働時間は短くなる。
何故かこの「労働時間が短くなる」と言う事が日本人にとってはたまらなく嫌な事であるらしいのだ。
そもそもその思考回路自体俺には理解できないし、馬鹿馬鹿しいと思うが、しかし彼ら彼女らが事実上重要視するのはその「時間長」であり、単位時間当たりの生産「率」ではない。
勤務時間が減って労働時間が短くなれば自分の生活に費やす時間が相対的に(その差分として)長くなる。
そうすれば趣味に余った時間を使う事もできるし、そもそも休息時間が長くなるので次の勤務に備えやすくなる。
「次」に備えやすくなれば人間の動機は回復するし、体力的にも回復する為、更に生産性は増す。
この一連の連鎖を日本人は理解していないようだ。(と言う事に、最近気が付いた。以前までは理解しているのだろうと勝手に思い込んでいた。ところが理解力のある人間が全てではないと最近になって気付いた。)
しかし、「生産効率」を謳おうものなら、単に「でしゃばるな」「生意気だ」の一言で一蹴され、社会の中でそう言った意見はかき消されてしまう。
特に、日本に帰ってきた当時はまだ20代前半で、その上見た目も実年齢より低く見積もられてしまうので特に扱いは酷いものだった。
普通に(論理的に・理論的にと言う意味で)考えれば当たり前の話である。
だからこそそれを調整して「生産性」を上げるべきなのであり、単に時間を延ばすとは愚の骨頂である。
そしてそれをこの国の人民は出来ていない。
「その能力が伴っていない」と言う事もそうだが、文化がない風潮が全く進むべき道と真逆を行っていると言う事が最大の要因だ。
それを無視して労働者を酷使しているのがこの国の現状であり、特に大きなしわ寄せはある世代に特に酷く押し付けられている。
基本的な傾向としてはある世代以下の人口層である事は、解る人間には解るだろう。
そしてその結果は現状を見れば言わずとも解るだろう。
メディアでも時々騒いでいる事と同じ。
衰退の一途を辿っているに過ぎない。