2022-05-14

でけえダイヤより粗末なちんぽが欲しかったよって話

5月5日こどもの日に30歳になった。誕生日の夜、8年半付き合い6年同棲した3歳年上の彼氏プロポーズされた。

彼氏は「(私)が宝石とか好きなの知ってるから勝手に選ばないほうがいいかと思って…」と言って、おもちゃ指輪と一緒に指輪代を貯めたという通帳を差し出してきた。あまりサプライズとか上手じゃない男だから、よく考えたなぁ、誰かと相談したりしたのかな、と思った。結婚したいと思われたことに嬉しさがないわけではなかったが、私は断った。というか、笑ってしまった。彼とは丸4年以上セックスがなかったからだ。

もちろん、この4年間黙っていたわけではない。冷静にも、怒り狂いながらも、泣き落としも冗談めかしても話した。彼はその度に「善処する」と言った日本人らしい断り文句で話を終え、私もやがて面倒になりここ1年はセックス話題に挙げることもなかった。彼がセックスを拒む理由はまちまちで、「仕事が忙しくて余裕がない」だとか、経験が少ないという彼にとって「うまくできない不安がある」とすることもあった。理由はどうあれ、早い話が私とセックスしたくないということだ。こうなるのが心配だったから、冗談めかしてだが付き合うまえに「性欲は強い方?」と聞いたのに。彼ははにかみながら「少なくはない」と言っていた、大嘘つきである

そもそもセックスレスで結婚したいんか?抱きたくない女と結婚したいんか?…まぁ、したいだろうな。生活が楽だからだ。私は毎月家賃光熱費を合わせた15万円ほどを負担し、彼は食費や雑費、おそらく5〜6万円を負担している。稼ぎはトントンか、わずかに私の方が多いんだと思う。私はとある専門職で、彼は本業の傍ら私のサポートをしてくれている。簡単に言えば、私がモデルで彼がマネージャーとか、私が漫画家で彼が編集者とか、そう言った感じだ。マネジメントのお礼としても生活費の負担は私の方が多いし、家事負担ほとんど(ゴミ捨てと日々の買い出しを除き)私が行っている。そりゃあ、立場が逆なら生活を考えてセックスしたくない相手とも結婚しようと思うだろう。

正直、人間としての相性はいいと思う。得意分野が違うためか、彼のマネジメントは的確だ。今の仕事を始めたきっかけも彼が勧めてくれたからだし、彼は私の仕事についてよく褒め、伸ばしてくれていると思う。だから、彼としてはセックスがなくとも一緒に生きていくことに異論はなかったんだろう。友人としての彼は、私も好きだ。毎日時間も話していても飽きないし、手を繋いで眠るのも既に日常になっている。だが、セックスなしで結婚し、セックスなしの人生を送る気など私には毛頭ない。

それに、私にとって今の仕事に執着はない。多分、ここが彼の誤算だろう。私がこの仕事を好きで続けていると思っているきらいがあるからだ。彼に仕事マネジメント力がある限り、私にとっての彼の価値は揺るぎないと思っているようだった。しかし、私は今の仕事が好きなわけではない。仕事には恵まれているとは思うけれど、飯の種としか思っていない。環境の変化でダメになれば普通に働くし、それよりもセックスのほうが重要なのに。

「そうはいっても穏やかな暮らしの方が大切では?」と思うかも知れない。しかし、私の性欲に関する情けない情報として、オナニーの頻度がある。これまでも彼が仕事で丸一日居ない日は、朝から晩まで4〜5回はオナニーをしていた。しかし、コロナ禍で在宅勤務が増えたせいで非常に辛い日々を過ごした。中学生よろしくシャワーオナニーをする位しかできなかった。

彼に日々の買い出しを頼んでいる理由は、短い空き時間オナニーをするためだ。まとめ買いしても構わない食材を「新鮮なものを使いたい」という理由毎日細々と買い出しを頼み、数十分の間にオナニーをする。賢者タイムには死にたくなるけど、AVエロ漫画同人誌もみんな駆使して、僅かな間にイかなくては生きられない。雨の続く日、「今日は楽してウーバーイーツを頼もうか」という言葉に不機嫌になるのは、大切なオナニータイムを奪われているからだ。それほど、私は性に飢えている。

そんなことも知らない(本当に気づいていないのだろうか?見て見ぬ振りではないか)彼は、「愛情はある、愛してるから結婚したいと思っている。子供も作りたいし、ちゃん解決するから」なんて言ってたけど、知らん!知らん知らん愛情なんか求めてないよ〜〜〜子どもなんか欲しくないし、そんなこと言ったこともないだろ!?と驚いてしまった。私が求めているのは、めくるめくセックス、できれば週5。こちとら疲れてる日もオナニーしてんだよ、愛情なんかどうでもいいんだよ。ただ、私はモテないしめちゃくちゃビビりの小心者だから出会い系なんかでサクッと欲を満たす自信がないだけだ。タイプじゃない男とするのは嫌だし、女にしかない妊娠リスクトラブルリスクも怖すぎるから、ローターとバイブに頼っているだけなのだ。もう少し勇気があれば、さっさと外で済ませていると思う。それができないから、「彼氏」という存在に頼っている。

解決するまで結婚できないってわかってる」というのなら、まず、プロポーズを中断してコンドームを出してみては?と思った。流石に言わなかった。馬鹿らしくて、ただ笑ってた。私がプロポーズを喜ぶと思っていたらしい彼はどんどん焦っていって、かわいそうだな〜とは思ったけど、(でも私はずっと悩んでたし。ちゃんと向き合わなかったのはそっちなんだから、いい気味だ)と思い直した。プロポーズをされて、こんな気持ちになるとは思わなかった。セックスがないことも辛いけれど、これまでの訴えが全く響いていないことも馬鹿らしくてならなかった。いや、セックスがないのが一番辛いわ……

あんまり騒ぐので、「私が身元のしっかりしたセフレを作って、性処理を外で済ませていいなら結婚を考える」と言ってみたら、わ〜っと泣き出した。「もちろん子供さえ拵えなければ君も好きにしていいよ、セックスなしの人生は辛いと思うよ」そう言ってみたけど、泣くばかりで話にならない。泣けば済むと思ってるんだね、いいなぁ、なんて思った。「とりあえず保留にしようね、もちろん別れるのでもいいからいつでも言って。私はセックスが一番大事から」そう畳み掛けると、彼は過呼吸になって私に助けを求め出した。しらね〜〜〜ど〜〜〜でもい〜〜〜と思いながら、背中をさすってやった。演技だったんじゃないかな?ヒイヒイ言ってたけど、本当にどうでもよくて笑わないように必死だった。優しい言葉と優しい態度でニコニコする私をみた彼は、きっと「解決した、思い直してくれてよかった」とでも思っていたんだろう。しゃくり上げながら、あからさまにホッとしていた。

子ども嫌いで結婚願望があるわけではないから、焦る気持ちはない。ただ、今年中にはちゃんとしたセフレを作りたい……それは高望みすぎるな、せめて身元のしっかりした相手ワンナイトセックスをしたい、それだけを考えている。ちんぽにありつくのって、どうしてこう難しいんだろう。

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