2022-01-05

痴漢を捕まえた時の話

5年ほど前のことになるが、痴漢を捕まえた時のことを書く。もう思い出して傷つくことも無くなったし、今被害にあって困っている人がいたらこんな流れになるよってのを伝えるために。(今は変わっていたら申し訳ない)

そもそも増田の中には痴漢実在について懐疑的な人もいるかもしれないが、被害に遭いやすい人はかなりの頻度で被害に遭っている。それこそ一月に一回のレベルで。

またやり口も様々で、局部押し付け押し付け痴漢から尻を触るやつやら前から触ってくるやつやら…

1番酷いやつではスカートを切られたことがある。その時は友人といたから平気なふりをしたがそのあと号泣した。怖い、怖すぎる。警察被害届を出したが結局捕まらなかった。

当時の私は二十歳そこそこの新卒で、激務の会社で死んだ目をしながら働いていた。通勤実家から行っていたが、その途中の路線痴漢が多いことで有名で実際本当に多かった。激混みであること、駅区間が長いこととか色々都合が良かったんだろう。

実際何度も痴漢に遭ったし、一度は車両を変えて逃げたものの着いてこられたりしたことがある。その時は恐怖でいっぱいで捕まえることはできなかった。

その日は疲れからまともな格好をする元気もなく、すっぴんメガネのぼさぼさ姿で通勤していた。これから始まる激務に気が病みそうになりながら、スマホをいじっていると、足のあたりに違和感が走った。

「触られてる…かも」と嫌な予感が走る。が確かめないことには痴漢と断定できない。電車の揺れで触ってしまっただけかもしれない。

痴漢冤罪がどのくらい発生しているのかはわからないが、実際被害に遭っている人間の頭にも冤罪を起こしてはならないという意識がある。

そういうときは、意図的行為か確かめるために

意図的に動かさねば手が触れない位置へ移動し

電車の揺れや人の動きと手の動きが連動しているか

を私は確かめる。

その時は、完全に黒だった。ていうかタイツから中へ侵入しようとしてきた。論外である

いつもなら怯えもするが、その時は疲れのピークでかなりイライラしていた。

大人しそうな格好だから狙ったのか卑怯な奴め」「会社でも嫌な思いするのが確定しているのに、なんで通勤でも苦しめられなくてはいけないのか」「私を苦しめてコイツけが快楽を得ているのか」考えれば考えるほど理不尽で怒りが湧き、絶対に捕まえてやると決めた。

過去に逃げられたこともあったので、冤罪を起こさないか逃げられない方法で捕まえる必要があった。

やり方はシンプルで、途中の停車駅に着く直前で、触っている手を直に掴み、「痴漢です!」と大声で叫ぶのだ。

実際は緊張して多少訳の分からない叫びになったが、この手だけは離してなるものか!!と犯人の手をその場で上空に突き上げた。捕らえてびっくり、ソイツは私からかなり離れた位置にいるではないか。それこそ無理にでも手を伸ばさねば届かぬ位置に。犯人確証はより強くなった。

当然社内は騒然とするが、逃げられはしない。犯人冤罪だと喚いていたが、シロかクロかは警察が確かめてくれると言ったら黙った。

時期に鉄道警察が来て、犯人と私は別々に連れてかれて行った。

その後は駅内の小部屋で事情聴取?がされた。冤罪に関しては警察もかなり気をつけているようで、いくつか特殊質問と身元もしっかりと確認された。

次に最寄りの警察署へ移り、かなり詳細な話を聞かれることになる。この聞き取りは数時間かかる上に、精神的にかなり負担がかかるものだった。正直痴漢のものよりも堪えたかもしれない。(痴漢を捕まえたことを後悔しかけるほど)その時のことを思い出して、再現をしなくてはならないのだが言ってしまえばかなりセカンドレイプに近かった。今は改善されていることを願う。帰る時もほっぽりだされたし…そもそも警察仕事では無いのだろうがメンタルケア二の次と言った感じなので被害者の皆様にはここで心を折れないように願っている。

警察署での聞き取りの途中で、犯人が罪を認め弁護士を呼んだということを聞かされた。冤罪云々と叫んでいたことに怒り、不安を感じていたので少し安堵した。また既婚者であること、すでに家庭及び犯人会社に連絡がいっていることも聞かされた。(ごめん、ここは後日弁護士との会話の中でだったかもしれない)割とすぐに社会的信用を失うのだなと思った。

また配偶者のことを思い、少し胸が痛んだ。

数日後に件の弁護士から連絡があり、示談交渉をされた。示談に関してはかなり迷ったが(最初相手提示してきた金額は私の初任給にも満たない額で呆れてしまった)、その路線に乗れないような精神状態になったこから引っ越しに十分な費用をもって(数十万)示談あいなった。

正直身売りをしているような気持ちになったし、新卒ではなく貯金がある程度貯まっている時期だったら意地でも示談にしなかったのになとかなり悔しい。

あと示談金は現金弁護士から渡されたのもギョッとした。また会話の中で、相手名前や住所、会社名を知ることもできるがどうするかと聞かれて、断った。今なら聞けばいいのにとも思うが、当時はそれがギリギリだったのだろう。そのご尊顔は脳内に焼き付いているし、犯人があらゆるものを失い、反省するならばそれで良い 2度と関わりたく無いと思った。

長くなってしまったけど以上です。人によっては自分弁護士を立てる人もいるみたいですね。また状況に関してはかなり細かく色々聞かれますので冤罪を作るのは少し難易度が高いんじゃないかと思います

最後に、痴漢に困っているけど捕まえる勇気がないという方へ

被害者ということで犯人が自供してからはかなり色々な人から配慮を受けますが、ある程度心の傷も負います。ただ犯人は捕まらなければ再犯を犯す可能性が高いので、他の被害者を作らない気持ちで捕まえてもいいんじゃ無いかなと思います。怖ければ無理しないで。

あと痴漢してる人は捕まって全て失う可能性があるから、今後絶対に辞めるように。

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