正確に言うと部活動もその一つではあるけど、それだけではない。
多すぎる授業時数のおかげで、8時から16時まで休憩なしでほぼ立ちっぱなしなんてザラ。(プラス部活動で、事務仕事や授業準備を始められるのが20時位からなんてのも中学教員あるある)
それでも仕事が回らないから結局土日も出勤して事務仕事、授業準備を行うことになる。しかもそれは部活動の指導ではないから無給だ。まあ部活で出勤しても四時間以上やってやっと3,000円程度(八時間やっても一緒)なのだが…
これらの仕事は、仕事の効率化をはかるとか、努力して早く終わらせるとかそういうレベルを越えている。
そして、一番問題なのがそれらの仕事をやることは当たり前であると考える管理職。平の教員の意見を聞く振りだけして、結局なにも聞いてくれない管理職。「仕事がなければ早く帰ってください」といいながら仕事が無くならない現状に目をつぶる管理職。「子どもたちのために」という言葉をかざし教員のやりがいにつけこみ、各学校の過剰労働を許す教育委員会、教育事務所。教員の数を減らそうとする教育委員会、教育事務所。(事実私の学校も生徒数が増えたにも関わらず二人減った)
人間は、「自分の力でなんとかなる」と思えることは頑張れる。だけど、今の現状は自分の力でなんとかならないことが多すぎて絶望しか感じない。教員は、色んなことが上手くいかないとき、それは自分が悪いから、と考える人が多い。努力して、努力して、努力して、そして潰れてしまう。そうしてダウンしてしまう人を何人も見てきた。そういうことから私は、これは違うんじゃないか?と思うようになってきた。
そして管理職への失望感。平の教員が自分達でコントロールできない仕事量を調節するのが管理職だと思う。それを上手くやってくれればなんとかやっていける。
でもそうではないと…地獄だ。うちの学校の教員はみんな口をそろえて言う。「なんで今年はこんなにキツイんだ?」「なんで今年はこんなに生徒指導が大変なんだ?」
。間違いなく自分の力でどうにもできない仕事(量及び質)に忙殺されているから、そしてそのせいで一番大切な「子どもに向き合うこと」ができていないからだ。余裕を持った心で生徒に接することができなくなっているからだ。
このあとは更なる地獄が待っている。学級崩壊だ。学級経営が上手くいかなくなる教員が絶対に出てくる。そうなるともう…地獄すら生ぬるい。
私は今、体調を崩して入院している。休んでしまって本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。同僚は笑顔で「気にしないでゆっくり休め」と言ってくれている。みんなが大変なことがわかるだけに本当に申し訳ない。
だがその一方で、やっと休めたと安堵している自分もいる。
今は真剣に転職も考えている。それとも校種が変わればこんなに辛い思いもしなくてすむのか…?
入院する前は、痴漢でもして逮捕されてやろうかとも思っていた。どうにでもなれって思った。初めて不祥事を起こす教員の気持ちがわかった。もちろん許されないことだと言うことはわかっている。だけど、地獄から抜け出すためなら、そんな倫理観なんて糞の役にも立たない、と考えてしまうことがわかった。
中学校の教員はブラックだ。その本質は「自分の力でどうにかならない仕事が多すぎるから」。自治体や管理職の力量によってその黒さの純度はさらに上がる。
夢も希望も感じられない教員が、子どもたちに何を教えられるのだろうか。
今年度はまだ6ヶ月もある。体がダウンするか、心がダウンするか…どっちが先になるかな…
追記
コメントで「その過剰な労働の9割が思い込みから発生しているもの」と書かれていた方がいたので、他の教員の名誉のために反論したい。
教員の仕事は簡単に言うと「勉強を教えること」ですが、「学校内で行われることの責任を持つこと」というのもあります。だから給食時間や昼休みだって一緒について様子を見る。学校で行われる行事に関係する提出書類も作る。そして集計とかもする。それらの仕事の9割が思い込みなら、残りの1割は何が残るんでしょう?笑
授業だけやってればいいなんてそれこそ思い込みもいいとこです。
もちろん授業に集中したい。そのための準備もしっかりやりたい。でもその準備ができるのは、職務規定で決められてる労働時刻(8時~16時30分)を過ぎてからなんですよね。(もちろんその間休憩なんてあってないようなもの)。部活がなかったとしてもです。事実うちの学校も部活無しの日とか作ってますけど、その日ですら退勤時刻が夜9時、10時になるなんてザラです。
ではその他の事務仕事や研修を断れるかといったら、断れるものと断れないものがある。(こないだも休んでるときに研修には行けと言われたし、病室で仕事できる?とか聞かれたし笑)
そもそも、このエントリーを書いたきっかけは、自分がやらなくてもいい仕事を切って切って、切りまくってもそれでもどうにもならない現状に嫌気が差したから。さらに言うと、管理職がそういう平の教員の頑張りを評価してくれない、辛い現状を考えてくれていないように思ったからです。
同情してくれとは言いませんが、中学校の教員の現状をわかって欲しい。(管理職に向けても含め)そんな思いで書きました。
追記2
多くのコメントありがとうございます。
このエントリが少しでも人の目に触れることが願いです。
今の教員は指導要領に反することをやっているから苦しくなっているわけではありません。
自分でコントロールできない仕事…そもそもの週当たりの授業時数(多すぎて休憩無し)。委員会から出される研修依頼(断れない)。宿泊校外学習の細案作成(旅行会社が作ってくれ…)。教育事務所の訪問に伴う指導案作成、過剰な環境整備(どうせダメ出しをくらう)。保護者からの言い掛りともとれるクレーム(まずは聞く、そして時間と精神が削られる)。急なカリキュラム変更によって引き起こされる授業時数の増大、その一方なぜか起こる単位時間の不足(そもそも無理なカリキュラム)。などなど…
これらが次から次へと押し寄せて来るために平の教員の体力と精神はどんどん削られていきます。
逆に本当にやりたい仕事(現在切っている仕事)…学級通信を出して子どもを誉める、やる気を引き出すこと。学級の様子を子どもとおしゃべりしながら人間関係を把握すること。授業準備をしっかりして、授業の質を高めること。部活動の子ども達への指導。などなど…は全然できていません。上の仕事に追われているため。
現場の先生方からも異論はあるとは思いますが、私の周りはこんな感じでみんな疲れています。