【追記2】
わかるのは、意外とAGは身近にたくさんいるということだろう。
【追記】
俺はまだまだヒヨッコであり、裏返せばここで得られるものはあるということらしい。期待しているぞ、ふんどし。
なので、この言葉をあえて送ろう
数年前にちょっとだけ流行って、それからポケモンGoのリリース時にうっかり類似品として紹介されたあのゲームだ。 勘違いしないでほしいのは、このゲームは人によってはとてつもなく退屈でつまらないゲームだ。全世界の中でこのゲームとの相性が良いのはほんの一握りだと言っていい。俺が今こうやって話せるのは、本当に運が良かったとしか思えない。
俺はiOS組だから新参気分だったが、既に2年以上も活動しているのだから古参なのは明白だ。いろんなゲームを体験してきたが、本当に同じものを2年も続けるというのはかなり珍しい。途中で何度も挫折しかかったが、自分のペースを守ってここまでやってこれた。
Ingressについて他の人がどう感じているかはわからない。ただ俺はこのアプリをゲームとはあまり思っていない。なぜならIngressで与えられているのは環境でしかないからだ。あるのは青と緑という陣営、それと各種のアイテムのみ。レベルアップで強くなれるわけでも(*1)、課金で強力なアイテムをゲットできるわけでもない。(*2)Ingressはひたすらに現実世界を拡張して遊ぶための手段でしかない。そこで何をするかは現実に存在するものを基準に考えているのだ。
例えば、東京のど真ん中に巨大な三角形を作ろうとする。1辺は20kmとしよう。
これはIngressをただのオープンワールドのゲームと考えればなんということはない。3つの点をただ結べばいいだけのことだからだ。
東京には何万ものポータルが存在し、大量の人間が行き交い、道路工事や立ち入り禁止区域が存在し、交通事故等が発生している。オレたちはそういうときは完全にIngressというゲームを離れている。いかに東京という難所を攻略するために動けば良いのか、どういう人選がいいのか、内部資料の共有はどうすれば良いのか。たかが20kmのラインを3本つくるだけのことに、良い年した大人が夜中まで話し合っている。
3点を結ぶのが糸電話でも鉄道網でも同じことだ。偶然にも同じゲームを共有して熱中している大人たちがいたから、たまたまIngressという手段になっただけだ。
青と緑に別れて敵対しているが、その理由を明確に理解している人間はかなり少数派だ。ストーリーをちゃんと追っているのは一部のデコーダーや翻訳業や同人作家くらいなものなのだ。
Ingressのストーリーは、クエストの味付け程度でしかない。いやIngressには明確なクエストもないのだった。
とにかくIngressでは目的はプレイヤーがすべて作るしか無いのだ。
他のゲームのようにコレクション要素は限りなく少なく、レベルアップによる恩恵はほぼ0。殆どの人間は開始早々に意味がわからず消してしまうし、運良くレベルアップしても8付近で脱落する。与えられた環境を元に自分がどうしたいのかが明白でないとこのゲームはただの罰と同じだ。
与えられるコンテンツをただひたすらに消化するだけだったゲームの価値観は大きく崩れた。金でもゲームの腕でもなく、ひたすら自分の足を使って切り開くこのゲームからは、想像以上に色んなものをもらい、奪われてきた。
Ingressが位置ゲーたらしめるのはそのスケール感だ。そのスケール感を初めて体験したのが、Darsanaでの作戦だ。あれが俺のIngressの転換期といっていい。ただのスマホゲームの中だけの話が日本全体の話になるというのだから、Ingressは本当に狂っている。
Ingressは1人でもできる
何万人もの人数を動員できるイベントは数多くある。沢山の人間が集まるイベントは地方都市を活気づける。
だけどIngressでは、ただのプレイヤーが個々に活動するだけで日本全体に文字通り干渉してしまうほどの動きができてしまう。ただのマイナーゲームの中での話だ。だけどそれは確かに地図上に明白に残された。地図には残らないが確かな記録と記憶として残った。
俺がこのゲームを続けてこれたのは、殆どが周りのおかげだと思っている。1人ならばとっくに辞めていた。 オフ会に参加したのはこのゲームが最初だ。人と実際に出会う率が高いゲームならではといっていい。だからなのか、結婚をしたり本当に友人になることも多い。それほどIngressの人間関係は濃い。殆どが30代以上で歳も近く、ある程度の知識と経験が高い層が集まっているのも他には見られない傾向だ。ときに若い人がいるが、彼らの有能さは肌で感じる。Ingressは本当にリッチなユーザーばかりだ。他のスマホゲーでこんな人選はまずないだろう。
だけど今はそれが重荷になっている。人間関係が徐々に硬直化しているのがわかるのだ。コミュニティ内部での自浄作用が強力な反面、外部からの参入が中々進まない。結果としてこの2年ほどでのアクティブなユーザーは固定化されている。
今年2017年。
自分はまだこのゲームにいたいと思う。だけど人間関係の不具合はどうしようもない。
もうIngressが返り咲くことは少ないだろう。ならばせめてこれをきっかけに多くの人がその存在をちょっとでも心に留めておいてほしいと願う。
君たちに期待する
2.得られるのは消耗品と考えていい