2016-07-18

都道府県知事病識のない精神疾患発症した場合についての思考実験個人用メモ

 都道府県知事が、自らの病識のない精神疾患発症し、不適切が疑われる専決処分等を頻発するようになったらどうなるかという架空の想定につき思考実験をしてみる。

 なお、あくまメモなので、根拠条文等は記さない。後述の指定に従って使ってみようかな、という人は、自力でしらべるように。つかこ記事自体間違ってるかもよ?

 ではまず、前提として、病識のない精神疾患治療にあたっては、当該患者人権に対する制限は最小限度にとどめられなければならないことは言うまでもないであろう。「四の五の言わせず座敷牢へぶちこめ」的な乱暴な意見には、筆者は断固反対する。

 しかし、都道府県知事の職責は重大、かつ職権も非常に強いことから専門医および一般人殆どがその発症を疑うような状況下であれば、既に地方行政は混迷著しい状態におかれているであろう。かかる事態においては、当該患者から知事の職責を剥奪することもやむを得まい。本人の精神衛生においても恐らく負荷軽減の必要があるケースが多いのではないか

 さて、この場合、まず、「都道府県知事事故がある場合」として、副知事等がその職務代理することが考えられる。(副知事存在しない場合も考えられるので、「等」としておく。)

 だが、その「事故」の認定は誰がするのであろうか?

 疾患であるのだから、その認定医師専門医)によるべきであろう。

 ところが、患者本人が同意しなければ、そもそも専門医の診断を受けることはできない。

 例外的に、自傷他害のおそれがある場合不適切公権力行使を間接的な「他害」と呼びうるかについては不知)であれば措置診察が可能であり、その結果措置入院必要ならそうすることになるであろうが、自傷他害のおそれがない場合には措置診察に付するわけにもいくまい。

 あるいは、他の疾病に罹患入院治療必要としているにもかかわらず、本人が(精神疾患に由来する愁訴を前提として)診察は受けるが入院を拒むといった場合においては、精神保健指定医の同席による医療保護入院可能であろう(さすがに家族等も同意するであろうし)。入院は「事故あるとき」であろうから精神疾患であると否とにかかわらず、副知事等が議会と一体になって粛々と不信任手続を進めればよい。

 ただし、あくま医療保護入院必要な期間に限られるから、当該他の疾病によっては時間との戦いになる。

 しかし、そうした特殊事態でもなければ、本人の同意を経ずして確定診断名を出す(しかも、本人の同意くその診断結果を公表しなければならない!守秘義務!)というのはほぼ絶望である

 「成年被後見人の申立ではどうか」…残念ではあるが、それでどのような結果が出ようが、直接に知事の職位に影響はない。わが国では成年被後見人であるか否かに関わらず被選挙権が認められている以上、公職選挙法に基づく自動的な失職はないし、形式的には後見人権限財産に関することに限定されているはずであるもっとも、判断能力を欠く常況にあると家裁が認めた人物の名において下される行政処分に対しては、不利益を被る側から当然山のように異議申立てがなされることとなろうが、これとても知事の失職には足りない。

 結局、地方自治法の本則に立ち戻って、リコール議会による不信任決議、とならざるを得ないであろう。

 では、リコールだが、こちらは地域事情もあるためなんとも言えない。

 鳥取県東京都では集めるべき署名の数に差がありすぎるし、署名有効確認のための事務手続に至ってはもうなんというか。

 とくれば、議会による不信任だが、この場合患者たる知事が黙っているだろうか?仮に地方公共団体吏員が、「対抗する方法はないものか」と問われたら、職務に忠実に「議会解散という方法があります」と言わざるを得まい。ということで、議会は刺し違える覚悟で不信任を突きつける格好になる。

 ところが、議会解散に伴う選挙からといって、解散前と同一人物が再選されるとは限らない。その辺はフツーの地方議員選挙である。とくれば、前回薄氷を踏んだような議員は、正直いって議会解散には及び腰にならざるを得ないだろう。その中であえて知事首に鈴をつける議員(団)がいるか?という話であろう。

 …結局、住民圧力に耐えかねた議会が不信任を突きつける(それもそうとう及び腰で)しかない気がするが、その間に失われるヒト・モノ・カネ・労働力行政への信頼たるや…

考えたくない。

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