ぶっちゃけレズ風俗そのものが主題じゃないから、男でも読める。
つらい思いしている人間のタイプに相対的な評価(実はそれは相対的ではなく、結局自分が勝手につくった理想の絶対的な人間像)にたどり付けなくて苦しんでるパターンがある。
自分もそうで、田舎の一人親に迷惑かけたくない、自分と同じ学歴の人間は結構いい生活してる、幸いにもレベルの高い創作している仲の良い人間が多くて、それに辿りつけない自分。
誰もそれを強要したわけではないんだけど、自分がそうなれない、あるいはそうならなくてもいいのにどんどん自分が自分に対してかけてるプレッシャーが強くなって、どんな場面でも「この人生はクソだ、何も生み出してないし、これからもよくならない」という否定をかけてくる「内の自分」がどんどん強くなっていく。
これをつきつめていくと結局のところ承認欲求になる。
作ったものをほめられたい。大学も留年しなかった。不況だったのに就職浪人しなかった。変に休まず正社員でちゃんと労働してる(それなりに会社でも評価されてる。ただ給料はそれに対して増えないからただただ生きるのがつらい)。
でも誰もほめてくれない。自分が自分だけのために頑張るのはもうしんどくなってきた。
そんな時にこれを読めた。
作者の永田さんの場合はアレができない、コレができないというドロップアウトタイプのできごとがたくさんあったみたいだけど、自分の場合実家から出て一人暮らししてるから働かないと即死んでしまうからギリギリなんとかやってるわけで、なにかあるとすぐ自律神経ボロボロになって顔が赤みづいてむくむし、肌荒れも治らなかったりして、勝手にすごいシンパシー感じてしまった。
永田さんも書いてたけど人一倍寒さに弱い時期もあるあるすぎて本当に死ぬかと思った。寒い時期はずっと身体かこわばって全身筋肉痛が抜けなかった。
ただ僕と永田さんの一番の違いは自分の思考や経験プロセスを克明に振り返ってアウトプットしたところだ。
高校の頃いろいろあって「自分のことは自分でなんとかしなきゃダメだ。誰かに相談したって結局誰かが代行してくれるわけじゃないし、相談された方だって迷惑だ」みたいな意識がこびりついてしまって、それ以来自分の気持ちに対して向き合って周りに表現することが本当に苦手になってしまった。日記とか絶対書けない。自分が自分のためだけに読む文章とか絶対に書けない。(日記をつける行為そのものを否定してるわけではないぞ)
ただ自分はそういう相談されるのは大好きで、それは間違いなく「あ、この人は自分のことを信用してくれてるんだな」って思いたいから。個人への所属意識を少しでも持ちたいんたと思う。
永田さんのその辺の心象は知らないけど、ダメな自分を客観視して、ましてそれを漫画にするというのはいろいろと考えるところがあったと思う。
それでもこうしてとても興味深い漫画を世に出して、こういうのが読みたかった人の手に届いたことは本当に素晴らしいことだと思う。
作中、具体的に本当それ!!!って共感したところがいくつかある。
・「とりあえず抱きしめられたい」
整体で人に触られると安らぐというのも本当に理解できるところで、なんなら美容室での軽いマッサージですらその効果があるくらい。
ただこの歳になるとこういうイベントマジで普段の生活にないですからね。
なにをやってもダメ(=自分の高すぎる理想に追いつかない)から、どんどん自分の評価が下がる。
ただこれによるマイナス効果というのは、逆に言えば身の回りをしっかりすればプラスになるという裏付けでもあって、最近は体重減らして既成品の服がピッタリ合うくらいの体型になるとかした。(ただそれにも金がかかるのでそれが厳しい)
永田さんはレズ風俗という手段をとって、レズ風俗に行くために自分磨きという投資に成功してる。
とにかく閉塞感まみれだった自分の生き方の一例が示されているみたいで、もちろん男だからレズ風俗は頼めないんだけど、ははあ、こういう気持ちはこうやって良くなることあるのかと思うと、読後感のすっきり感が半端なかった。
じゃあ普通に風俗行けば?というのはまたそれはちょっと違うけど、万一そういう機会があったら永田さんと似たような気持ちになってしまうと思う。ただそれはそれでバブみみたいな感じがしてキモいな~という感じがしてそれもそれでどうなんだろうという気持ちある。
性欲的な快楽じゃなくて精神的な快楽を得るための合法的な方法ってなんかないの?教えてはてなブックマーカーたち。
読み終わって「とにかくみんなもっと認めてくれ!!!!!!!!!!」という気持ちのアウトプットがすごいすんなり出せるようになった気がするので、今こうして殴り書きしてる。
あーーーーーーーーーーーーーーーーみんなもっと認めてくれーーーーーーーーーーーーーーーーーほめてくれーーーーーーーーーーー