録画しといたやつをさっき見終わったので感想
女性の再就職の難しさ、男性の育児参加の少なさをあげているが、これって女性だけの問題だろうか?
再就職が厳しいのは男性だって同じだし、男性が育児参加なんてしようもんなら(制度が整ってる大企業、公務員は別として)昇進はまず望めない。
キャリアの入り口が新卒と中途しかなく、履歴書の空白をまるで刑務所に服役していたかのような目で見る企業の採用方式が問題であって、育児参加の少なさも、「有給でやってくれ」という会社の姿勢が問題なんじゃないだろうか?(子供の育児を理由に有給が取れればマシなくらいか)
次にオランダを例に挙げて週4日働くパートタイムの管理職を紹介した。
これにより1時間単位の賃金、また社会保障の権利をフルタイムとパートタイムの待遇を同じにして自由な働き方を可能にした。
その結果、経営者のコストが増えるが(人材に集中投資できなくなる、社会保障費の増大など)、質の高い労働を求めるようになり、短い時間でも効率の良い労働が出来るようになった。
日本においては正社員の労働時間が長すぎるがホワイトカラーの生産効率はいいとは言えないのでまず、法律によって労働時間を制限して、経営者に企業努力を求める必要がある。という指摘があった。
実際に日本の会社で、9時から3時までの6時間労働をしている会社を紹介していた。
その会社は1時間は業務の効率化や会議の廃止で短縮し、あとの1時間は昼休みを無くして8時間を6時間に短縮した。(労働時間が6時間を越えなければ昼休みを取らせる義務はないらしい)
これによってこの会社で働く女子社員は子供を持つことを現実的に考えられるようになったという。
よく言われている「ワークシェアリング」ってやつだ。
日本ではパートは一生パートだがオランダでは子供が小さいうちは夫婦二人ともパート。子供が大きくなったらフルタイムに切り替えっていう働き方が出来るらしい。イトーヨーカドーがそれっぽいこと始めたけど日本だとパートには社会保障つかないからダメか・・・
「日本には過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない」という言葉通り、正社員は毎日夜遅くまで労働、レールから外れた人は一生非正規という極端な構造になっている。
労基がもっとまともに機能すれば幾分かマシになるが、法律による強制とそれを執行する権力、その両方が揃わないとなかなかオランダのような働き方は難しいだろう。
韓国では国を挙げて女性の管理職登用を進めていて、徹底的なトップダウンで女性管理職の割合を10%から16%に引き上げた。
LGは女性幹部の提案により、社内に保育所をつくり、社内の女性が子供を預けられるようにした。
その結果、子供を理由に退社する人は減ったという。
また、男性とは違うリーダーシップを発揮する彼女が、組織を活性化しているという。
日本においては女性が管理職になることをよしとしない男性、一方で、目指すべき管理職像が見えない女性。という問題が壁となっている。
女性を管理職にして目標以上の売り上げを達成した工場を紹介した。(具体的にどうやって達成したのかは不明)
さっきまでワークシェアとか女性の働き方は自由であるべきという内容だったのが一転、バリバリのフルタイムで働く女性が紹介されたからだ。
オフィス街に保育所を作って、1時間いくらで子供預かりますっていうサービスが出来そう。
韓国の例でも日本の例でも、具体的に何がどう変わったのか。もうすこし取材して欲しかった。
この内容だと、「女性を管理職にしたらいろいろ捗る。原因は不明」以上の何物でもない。
管理職については時間的にも短かったのでIMFの希望で取り扱っただけなのかも。
全体の感想として「女性が日本を救う?」というタイトルじゃなくて、「雇用の流動化」や「オランダのワークシェアリング」といったタイトルの方がふさわしいと思った。
日本において女性が社会参加できないのは日本の雇用制度全体に問題があるからだ。
まあ若年層の意識は「共働きは当然」という方向に向かってるし、収入が少ない非正規雇用者が増えるので今後はダブルインカムが主流になっていくことだろう。
これがダブルインカムウィズキッズになるかダブルインカムノーキッズになるかはこれから政府がどんな対策を取るかで決まると思う。
パートって働く側にとって見てもすごく良い制度だと思うけど、いまのままでは使用側の力が強すぎるし、中間搾取の問題もあるし、社会保障が薄いという問題もある。
この点も一企業が解決できることではないので(企業は利益を重要視するため)結局政府に頼るしかない。
ラガルド専務理事は「女性が働けば税収も増えるし、家計の収入も増えるから消費も増える」といっていたけど依然として日本政府は専業主婦に甘い税制だし、(年金とか所得税の扶養控除とか)消費することに税金をかけて消費を抑える方向に向かってるけどねえ・・・