はてなキーワード: 原口あきまさとは
僕はもう10年以上、作った曲をネットで公開し続けている、オタク的創作界隈の人間です。
全くの無名ですが、自分の持っている蚊かハエかぐらいのコミュニケーション能力をフルに発揮し、新しい曲をアップした際にはTwitterなどで宣伝をしつつ、活動しています。
で、今回はTwitterを眺めていると時々流れてくる、乱暴に言うと「もっと私の作品をいいね、RTしてよ!」って漫画、あれを見た時に僕が思うことを書きたくなったので、書きます。
「いいね、RTしてほしいならプレゼンをがんばったらいいのに」
です。
ちょっと申し訳なさげに「自分、こんなに深く物を考えながら創作してます、良かったら…」って感じの漫画、僕は読むとなんだか恥ずかしい気持ちになるので、意識的に避けてます。
もちろんそうじゃないものもある、と理解はしていますが、ここは一度ズバッと言わせてください。
結局あれ、知らない人に突然「お金ください」って言ってるのと似ていると同じでは。
自分には他の人とは違う才能がある、と思っていたクチの人間です。
いや全員がそうじゃないのはわかってますが、ただ他の学生に対するライバル意識、対抗心が少なからずあると思います。
あいつより俺のが上手いとか、なんであんなのが評価されて私のは全然なんだ、とか。
実例は僕です。
で、そういう僕みたいな人間がよくやることが「作品は語らずとも理解されるだろう」というスタンス。
説明をしなくても、見れば僕の考えが、作品の意図か汲み取れるはずだ。
ってやつです。
そんなイキりを周囲に振り撒きながら生活していた僕ですが、ある日先輩(二十代で企業して現在は億を超える広告案件をこなす仕事バリバリな人)に言われました。
「アーティストとしてのかっこよさに憧れて自分の作品についての説明をしない人、説明した方が良いよって言っても『自分はそういうスタンスだから』って納得しない人って多いんだけど、これ「作品」を「仕事」に置き換えたら、すぐにピンと来るはずなんだよね」
と。
では、置き換えるとどうなるか。
生活するにも、やりがいを感じるための手段としても、間違いなくお金は大切ですね。
会社に予算をおろしてもらう、あるいはスポンサーなど企業についてもらわないといけません。
その時、企画会議で「プロジェクトを立ち上げました。お金が必要なのでください」と単刀直入に言うのか?という話です。
プロジェクトを立ち上げ、それを進行させるための資金を集めるならまず、プレゼンしないといけませんよね。
これはどういう意図のある企画で、こういうデータから採算がこれぐらい、こんな利益があり、将来的にはあんなことが出来る。
しっかりと市場リサーチし、的確な資料を準備しないと、出資者は納得も信用もしてくれません。
やっぱり企画書がちゃんとしている、信用できるものにお金を出したくなります。
「やりたいからお金ください」なんてシンプルな文言、見たことないです。
先輩の言葉に、その時の僕は「僕も昔からそう思っていました」ばりのリアクションを取りましたが、内心ズタのボロのグシャでした。
ということで「作品」を「仕事」に置き換えると、作品を説明する必要性についてピンと来るはずです。そういうものを超越しまくった才能がない限り、押さえておきたいスキルかなと思います。
作品を作ること、とくにネットでの創作活動は、無料であふれています。日々Twitterに、無料で見れるすてきな作品が延々と流れてきますね。
その作り手側が、お金の代替えとして求めるもの、つまり欲求を目に見えて満たしてくれるもの、それがいいねやRTです。
詰まるところ、最初に書いた「もっと私の作品をいいね、RTしてよ!」って漫画が僕には、資料も何も用意していない、お金だけくださいって言ってるプレゼンに見えてしまうのです。
ただ「欲しい」を叫ぶだけで終わってないですか。
作品を説明するのもそうですし、例えばまず人と仲良くなってから自分の作ったものを見てもらう、というアプローチの仕方など、方法はたくさんあると思います。
本当はネタを見て笑ってもらうのが目的であっても、まず顔を売るためにYouTubeを始めるお笑い芸人、とか。など。
とにかく、いいね欲しい!RTして!と言う前にやれること、あるのでは。
ある種そういうプレゼンとも受け取れますし、そういうの良くないからやめようと言う気はありません。
でも僕はやっぱり、見ていて背中がぞわぞわするんです。
ここまでキツめに言った気がしますが、僕としては色々なプレゼン方法を、楽しみながら試すのが理想かと。
今のやり方じゃダメなんだ…と思い詰めず、今度はこれ、次はあれ、とフットワークを軽く出来ればやる気元気勇気に繋がるはずです。
僕ですか?
無名でいいです。