はてなキーワード: 他人扱いとは
認知症が進行すると記憶障害のため、印象に残った思い出は粘り強く残るものの、今の自分を家族の一員だと認識できなくなっていく。
ここから、過去の思い出こそが人間を形作るものだと思えてならないこと、現在も確かに家族ではあるがいつまでも昔のままの家族でいられるなど思い上がりに過ぎないこと、いずれ症状は悪化し患者には他人扱いされて悪意に近い感情に直面する可能性があることが学べている。
こうした残酷に思える経過に狼狽えていても何も変わらない。残酷な事実自体に意味を見いだすことではなく、如何に受容し幸せをその前提のもと見出すかが乗り越えるべき課題だと感じている。
まあ一旦の答えはある。有り体ではあるが、過去は過去として大切にすると同時に現状でも残していける思い出を絶え間ない努力を以て作り続けることの他為す術がないのではないか、そう思っている。
・自分が読んだのは15年ほど前だが、劇画なので作品は当然何十年も前
・おそらく『シグルイ』ブームで、「南條範夫原作」か、それに類する「残酷時代劇もの」として復刊されていた
・作者名は覚えていないが、復刊されているので有名な作者なはず(平田弘史・とみ新蔵クラスだったかもしれない)
とある貧しい夫婦がいて、女房の方が山賊に連れ去られてしまう。
純朴な夫はその道中で山賊に襲われたり、騙されたりと、いくつもの酷い目に遭う。
ボロボロになりながら、もう会えないかもしれない女房を何年も探し続ける姿に、行く先々の人から呆れられる。
途中で知り合った浪人に
「いろんな山賊たちに犯された女房を何故そこまで必死に追うのか?もう昔のままでは無いかも知れないぞ」と聞かれ、
「獣の肉を食べたからと言って、人間が獣に堕ちる訳ではない。山賊に犯されたからと言って、女房自体が変わることはない」
と返すセリフが凄く印象に残っている。
数年後、夫はついに女房を見つけるが、女房は良家の侍に救われて再婚していた。
今の生活を捨てたくない女房から他人扱いされ、夫は、狼藉ものとして切り捨てられてしまうのだった。
という話だったと思います。
作品をご存知の方がいたら教えてください。