はてなキーワード: 人名用漢字とは
2021年度赤ちゃんの名前ランキングが出た。赤ちゃん本舗とたまひよでは若干順位が異なっている箇所があったけど、まあ大体は同じ並びだった。
たまひよによれば、男の子の名前一位が「蓮」、二位が「陽翔」。女の子の一位が「紬」と「陽葵」。
最近は「翔」と「陽」という漢字を名前に使うのが流行っているらしい。
ランキングを見ていてギョッとしたのは「暖」と「咲茉」。
こういう名前って、まあ色々考えて付けたんだろうが、子供に名前の訂正人生を歩ませる事を押し付けてる罪悪感ってないものなのかね。
私も常用外の漢字が入ってる(といっても、人名用漢字)し、よく読み間違いされる。けど、その漢字を知ってる人なら難なく読めるし、当て字ではないからあんまり気にしてない。
キラキラネームをつける親とそれを擁護する人って、人の名前なんだからどうだっていいだろ! 文句言うな! って感じの人が多いけれど、
「他人に自身の事を呼んでもらう」ために必要なのが名前であって、他人だからこそどうだってよくない事だと思うんだよな。
夫に相談したら、名前は移り変わってくものなんだから、とか、昔の人からしたらお前の名前もキラキラネームだよ、とか言われたけど、どう見てもそうは読めないけど…っていう当て字を名前に使うのは気が引けるというか。
将来大きくなった子供に「キラキラネームなんかつけやがって!」とか言われたら嫌だしな。
ていうか私も、はげてて太ってて脂ぎってるオジサンがキラキラネームで名乗ってきたりしたら笑っちゃいそうだし。
あと将来子供が就活で面接するってなった時に「変な名前だね」とか言われたら嫌だし、それでちょっとでもマイナスな見方されたら嫌だし、普通の名前つけてあげたいよ〜〜夫に名前考えてなんて言うんじゃなかったよ……
しかも陽翔って名前、読み方18個くらいあるんだって。そういう名前はもはや名前じゃないよ〜かっこよさとかじゃなくて分かりやすさ重視しようよ〜
これは確実。
「和」は昭和の元号のイメージだし、人名用漢字として使い尽くされた感。
「太」の代わりに「汰」を使うような、俗称エアロパーツ名が流行りらしい。
「令」なら「冷」とか「玲」?
「令」のままのほうが新鮮味があるだろう。
どう読ませるか?
「よし」と読ませる実在の方がいるらしいが、これも同様に響きが古臭い。
そのまま「れい」と読ませるか、1字取って「れ」と読ませるパターンが多いと予想。
例を考えてみる。
「令音」…ビートルズのメンバーっぽく「れのん」と読ませるか、
百獣の王っぽく「れおん」と読ませるか。
これが一番流行りそう。
「令新」…「れにい」と読ませる。クラヴィッツっぽい。
スラングで欠陥品とかの意味があるが、最近の親は気にしなさそう。
「令主水」…「れいもんど」。
個人的には「読めるかどうか」「当て字かどうか」「新語(最近出来た言葉)かどうか」
「悪い意味がないか」「年をとっても似合うかどうか」あたりがDQNネームの判断基準で、
たとえば実在するかはともかく「光宙(ぴかちゅう)」だったら「読めない」「当て字」「新語」「おっさんには似合わない」でアウト。
「騎士(ないと)」だと「当て字」「おっさんには似合わない」でアウトだが光宙よりはマシという感じ。
悪い言葉でもないし(動物の名前は悪いとか文句つけてる人はいるけど)、
年をとっても印象に変わりはない、で基本的にはセーフ。
少なくとも「明らかにDQNネーム」という感じではない。
(念のため書いておくが「珍しくない」とは思っていない)
玻南ちゃんダメ?…名前受理されず、最高裁へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091101-OYT1T01018.htm
http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20091103/1257210744
ブクマで盛り上がっていたので気になって調べてみたら、知らなかったことが色々と。ブクマでも一部書いたのですが、せっかくなのでこちらに書いておくことに。個人的には色々思うところはあり、id:good2ndさんの言いたいことも分かるものの、「ルールはルールだから教」という切り口では火に油を注ぐところもあると思ったので、事実関係を中心に(…と思っていたら、最後にぐだぐだ書いてしまった)。
子の名前に使用することのできるルールとして出発点になるのが戸籍法第50条で、これは以下の通り。
第五十条 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
○2 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
この規定をうけて、使用できる漢字が限定的に列挙されているとのはご存じの通り。これを読むと、それ以外の漢字は人名に用いることは不可能であるように思われるし、実務上もそれ以外の漢字を用いても受理されません。したがって、このルールが例外のないルールのように読めるのですが、それがそうでもないらしい。
今回の事件は、最近多様な名前がつけられるようになってきて生じてきた問題なのかとおもいきや、以前からこの手の問題はあったということが分かります。ちらっと調べた限りでリーディングケースっぽかったのは、東京家裁昭和48年11月30日審判(家庭裁判月報26巻5号102頁)で、「悠」という命名が問題となった事件(なお、悠の字はのちに人名用漢字に追加、現在では常用漢字)。
若干長めに引用しますが、この審判では「家庭裁判所の判断によって表外漢字を名前に使うことが認められる余地がある」との判断を行い、結論としては悠の字の使用を認めています。
そもそも当用漢字表なるものは、これを定めた昭和二一年内閣告示三二号が、その「まえがき」に示すように、「今日の国民生活の上で、漢字の制限があまり無理がなく行なわれることをめやすとして選んだもの」であつて、現代国語を平易に書きあらわすための基準を示すものであり、人名用漢字別表も同様の趣旨で当用漢字表に追加されたものである。もとより戸籍法五〇条によつて委任された同法施行規則六〇条が、子の名に用いるべき漢字を当用漢字および人名用漢字に制限したのは、わが国の国語政策に即応した妥当な処置であつて、戸籍事務担当者の裁量によつては表外漢字を子の名に用いた出生届の受理を認めないものとする実務の取扱いも正当である。しかしながら当用漢字表制定の趣旨は前示のとおりであり、表外漢字を一切使用禁止とするような強力なものではないし、戸籍法五〇条の趣旨も、同法が戸籍事件について市町村長の処分につき家庭裁判所に不服の申立をすることを認めていることからみて、個々の場合に、家庭裁判所の判断により、表外漢字を子の名に用いた出生届の受理をも、実情に即して認容する余地を残したものと解するのが相当である。現に、実務においては襲名等による名の変更許可の場合は、表外漢字の使用が認められる取扱いである(昭和二四年一一月一五日民事甲第二六六六号回答)。
そして、より最近では「琉」の字が問題となった、那覇家裁平成9年11月18日審判(家庭裁判月報50巻3号46頁)があり、ここでも上記の判断が踏襲され、
という判断の下に、琉の字の使用を認める判断がされています(なお、琉の字も現在では人名に用いることができる)。
というわけで、子の名に用いることのできる漢字のルールは、基本的には戸籍法第50条のルールでなのですが、それ以外の漢字を用いる余地が全くないわけではない。家庭裁判所の判断で認められる場合もあり、それで認められた例もある。そして、今回の件では、家庭裁判所で認められなかったので、高裁、最高裁の判断を求めた、という話です。ようするに「使える漢字が限定列挙されているので、例外など認められる余地がなさそうに見えるが、必ずしもそうではない」というのが一点目。
ブコメで問題視する人が多かったのは、親のエゴで無戸籍という重大な不利益を来していることをどう考えるのか?という点。id:good2ndさんはそりゃ親のせいではないだろう、というご意見。この点は、子の命名権を、どのように法的に構成するか(親の権利と考えるか、子の権利を代理しているものと考えるか)など、いろいろあると思うものの、以上の家裁の審判例をみていて気づいたこととして、<いずれの事件でも出生届自体は提出されている>という点は、事実としてあるようです。
「悠」の字に関する事件では、
申立人は、やむなく「名未定」として出生届出をしたが、「悠」という字は、「悠遠」、「悠長」、「悠然」、「悠々自適」等、日常的な単語に多く用いられ、読み方も一般的なものであつて、人名にこの文字を用いることは、生活能率および個人の幸福に何ら支障はない筈であり、同区長の不受理処分は不当である。
という記載が判断中にあり、また「琉」の字に関する事件でも、名前未定として出生届が提出され、戸籍の記載がなされた旨の記述があります。さらに、氏名欄の名の部分を空欄として住民票が作成されていたものの、海外渡航の必要が生じて旅券の申請をしたところ、受理されないという事態が生じていたことが、問題となった理由の一つであったらしい。
実務上も、子の名の欄は空白でも受理するという取り扱いであることは、各自治体の戸籍担当のウェブサイトなどでも確認できます。一般的には、子の名前をまだ考え中であるという場合が多いのでしょう。今回の件では、どういう経緯で無戸籍のままになってしまったかは短い新聞記事からは分からないのですが(「しようこ」のような事例もあるので、現場は想像つきません)、法的に争っている間に、一方的に不利益を被ることを避ける方法は、一応ある模様。
事実関係を中心に、と書いたものの最後に少しだけ。id:good2ndさんの矛先は「子が無戸籍状態になってしまっているのを「親の我侭のせい」というその発想」に向かっていますが、より広く言えば「なんかめんどくさい親!」という感覚の意見に向けられたものなのでしょう。
id:Gakkuri-Kanabun_09 裁判・制度変更等様々なコストとかけてまで変える価値は無いと考える人間が結構いるんだろ。お上ではなく我々の社会が譲歩するという意識があるのかも。クラス会で変な提案する奴うざいみたいな?
的な。
そもそも名前に用いることのできる字が制限されているのは、名前は社会で用いるものである点に由来する(戸籍実務においては、一般人には想像つかないほど色々めんどくさいことがあるのは承知しています)ということのようですが、他方で名前というものは(漢字は表意文字なので、その表記も含めて)、個人のアイデンティティの中核的な構成要素の一つであるということも言えるように思います。
ブクマでもありましたが、そう考えると、
という考え方は当然あり得ると思いますし、(書いていたら当初の想定より遙かに長くなってしまったので引用しませんが)「琉」の字に関する事件では、憲法上の問題としていくつかの主張が整然となされています(憲法上の主張はすべて退けられ、「琉」の字の問題として認容されましたが)。
私自身にはこの件について思い入れがあるわけではなく、子の名前はおよそ何も考えることなく、用いることのできる範囲から選んで名前をつけてしまうと思うのですが、
id:hit-and-run なんでここまでして「玻」にこだわるか他人には理解できない。でも他人には理解できないからってそれを求める自由がないなんてことがあるか!
というコメントが批判するように、「制限を緩和すると自分や社会に問題が生じるから」というのではなく、既存の枠組みに対して自分には価値のないことを主張すること自体を門前払いの対象とするようなコメントが多かったことには、驚き、若干の危惧を覚えました。「悠」や「琉」が認容されるに至った判断で考慮されていた事情をみると、今回の「玻」は微妙なところな感じもしますし、制度論としては、ただちに、「自由に名前をつけるという人格的利益は重要だから制限をすべて撤廃しよう!」という話にはならないと思いますが、そうした考慮とは次元がかなり違うようでしたので。
また、
id:buyobuyo No!といってくれるこういう人がいなければ悪法や悪慣習や悪環境がそのままになるのがこの国なんだよ。こういう人の努力にフリーライドしているくせに、こういう人を叩く奴は…
という指摘のように、声を上げることはみんなのためになっている、という点もあるのだと思います。こういう人がいなければそのままになるのは、この国に限ったことではなく、そういう風にできているのではないかと。特に名前に「悠」の字がついている人などは、そのあたりのことをどう考えるでしょうか。
少しでもマシになるという意味で、選択的夫婦別姓には賛成だけれども、
名前を巡る問題に関してはあまりにも小さな一歩だなと思う。
問題は次の2つのようなもの。
現行制度では、親と結婚相手によって、名前が決められてしまう。
親や結婚相手と同一の苗字が強制されることは、プライバシーの問題にもつながる。
「名前 苗字」や、「名前 ミドルネーム 苗字」や、「苗字1 苗字2 名前」といったものは認められていない。
選択的夫婦別姓になっても、結婚の際に、二人の苗字を残す(苗字1 苗字2 名前)ということはできない。
先週無事に娘が生まれた。
日曜日に社務所へ行き、書面をもらって書き込む。
あたりを書いた。
実は名前の候補を3つ用意していて、書いたら、「子がつく人ですか?」と聞かれる。そうですと答えると、書き込まれた。
書いた名前の鑑定だけでなく、7、8個、名前の提案をしてくれるとのこと。
出来上がりは翌日。聞きにくいが費用についても尋ね、目安を教えてもらう。
翌月曜日は普通に仕事し、結果は母(本人から見たら祖母)に受け取ってもらい、帰宅してから結果を見る。ついでに月曜は妻の退院日で、本人も合わせた家族みんなで、どれにするか見ていくことにした。
実は名前の候補のうちの一つは妻(本人から見たら母)の一押しで、数か月前からそれにしたいと言っていて、病室でも呼びかけていたくらいなので、俺(本人から見たら父)はそれでいいかなと思っていた。
しかし鑑定の結果、その名前は強すぎて、将来、周囲を顧みずにバリバリ働くことになるらしい。ということで断念。
結果を一つ一つ、じっくり見る。細筆の手書きで8個並んでいて、右の4個は、候補に書いたのと同じ読み、左の4個はそうではないが神社からの提案らしい。候補の残り2つも、選外だ。
リクエスト通りすべて「子」がつき、字数は2文字か3文字。さらに、どれも総画数は15となっている。妻はこういうのに気付くのが早い。
その中の、一つの名前に、家族の皆が関心を持ったが、普段使わない字が入っているので、Yahoo!の辞書で調べてみると、なかなかいい意味のようだ。人名用漢字だし。まあ神社はそのあたり抜かりないかな。