2022-02-19

クセになる「おっさんビジネス用語」どれだけ使ってる?エイヤ・全員


クセになる「おっさんビジネス用語」どれだけ使ってる?エイヤ全員野球・よしなに…写真イメージです Photo:PIXTA

最近、「#おっさんビジネス用語」というハッシュタグが一部で盛り上がりを見せている。まとめサイトを見ると「あるある」と思わせる言葉が並ぶ。あなた普段、どのぐらい使っているだろうか。(フリーライター 鎌田和歌

言葉年代がわかる!?「おっさんビジネス用語」とは

「よしなに」「一丁目一番地」「全員野球で」……死語ではないが、ある年代以上が好んで使う傾向がある言葉はたしかにある。

 これに気づいた人たちが盛り上げたのが、「#おっさんビジネス用語」のハッシュタグツイッター2月初旬からこのタグをつけた投稿が始まり、あれよあれよという間にあまたの言葉が寄せられた。

 念のため断っておくと、最近何かと糾弾されがちな「おっさん」ではあるが、このタグおっさん批判というよりも、おじさんたち自身がやや自嘲(じちょう)気味に、ほのか交流を楽しむために作り上げている感が強い。

 中には「#おっさんビジネス用語」に前時代感を覚えたり、こういった言葉を使いながら強引にことを進めるビジネスパーソンに反発を感じたりしている人もいるのかもしれないが、全体的にはほのぼのとしたネタタグであるようだ。

 よく、一昔前の業界人が使った言葉として「けつカッチン」「てっぺん」「シースー」などが話題になったが、これとはまた違う文化が「#おっさんビジネス用語」にはある。

 また、ここ10年ほどでよく聞くようになった「アグリー」「クロージング」「サマっといて」「シュリンク」といったカタカナビジネス用語とも、違う光景が広がっている。

エイヤ、イッテコイ、勢いを感じる「おっさんビジネス用語

エイヤ

用例)「エイヤで作っております、どうぞよしなにお願いいたします」「エイヤ見積もりを出しました」

意味データ合理性にのっとって緻密(ちみつ)に計算されたものではなく、業界内での経験や勘、その場の勢いに乗って生み出されたもの、あるいはその様子。

●イッテコイ

用例)「今日のところはイッテコイですね」「セール利益が出ても人件費で結局イッテコイだよ」

意味)もともとは相場が上がった後に、すぐ元に戻ったことを示す金融業界の言葉利益が出たものの、その後の動きで利益がなくなった、しか最初と比べて損失が出ているわけでもないさま。

 筆者の個人的感覚で恐縮だが、20代の頃に聞いて「エイヤ」はすぐに理解できたのだが、「イッテコイ」はしばらく意味がなじまなかった。どうしても「どこかへ行ってこい」をイメージしてしまい、同じ意味であれば「プラマイゼロ」や「トントン」の方がスッと入りやすい。

 とはいえ、「エイヤ」も「イッテコイ」も、エネルギーほとしりというか、躍動めいたものを感じさせる言葉だ。使えば使うだけ威勢よく仕事をしている感じが出て、それだけに好まれているのかもしれない(ちなみに、「とはいえ」も「#おっさんビジネス用語タグにまとめられていた)。

ガッチャンコ

用例)「その議題もガッチャンコで今日やっちゃおう」「書類、前のと合わせてガッチャンコしといてくれる?」

意味)合わせて、まとめて、というような意味ホチキスを止める擬音からきたともいわれる。

 こちらも同じく、言うだけで仕事がはかどっているような気がする、勢いがある言葉だ。しかしペーパーレスの世となるにつれ、若者からは遠のいているのかもしれない。意味以上に何か言った気になる

一丁目一番地

用例)「それぞれが担当するプロジェクトで、何が一丁目一番地なのか見極めろ」

意味)最優先課題

 どことなく押しが強い言葉という印象があるのは、もともと政治でよく使われる言葉からだろうか。

●よしなに

用例)「決起会はこれでお開きとなりますが、どうぞ以降よしなにお願いいたします」「おおむねこれでOKなので、よしなにやっておいて」

意味よろしく、ちょうどいいように、などの意味

「じゃあ、それでよろしく」などと同じ意味なのだが、「よしなに」を使うと急に大人世界雰囲気が漂うから不思議であるビジネス用語の中には「含みを持たせ、何か特別なことを言ったような気になる言葉」が多いが、「よしなに」はその筆頭格ではないだろうか。とはいえ、一度使い始めると代えが利かないほど便利だ。

なるはや

用例)「先方が待ってるからなるはやでお願い」

意味)「なるべく早く」の略語

 一時期は、「なるはやで」の代わりに「ASAPas soon as possible)」を使う人も多かった。最近はあまり聞かない気がするのだが、その理由個人裁量による「なるはや」よりも、具体的に「10分で」「午後までに」などと時間を切った方が、お互いのストレスが少ないという共有知が生まれたからではないだろうか。

#おっさんメディア用語もあるのでは

 ここまで複数用語をまとめてみて、「#おっさんビジネス用語」とは、景気付けに好まれそうな言葉が多く、また、その場のノリを共有するために一役買う言葉なのではないかと感じた。そしてやはり、何か言った気になるので便利であり、一度使うとクセになる口なじみの良さもある。

 ところで、メディア記事の中にも、これがあると「年齢が上の記者が書いているのかな」と感じる用語がいくつかある。たとえば、「すわ一大事」「伏魔殿」「(女性芸能人に対して)〜〜クン」などである

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