2021-11-15

アメリカ社会コネアファーマティブアクション

https://twitter.com/Hiroshi99857672/status/1459431881527545860

このツイートについて。

アメリカMBA取っておきながら、アファーマティブアクションに対する理解がその程度なのか…何のためにアメリカ留学したのか。

米国コネ社会というのは間違いない。

大学入試

アメリカ大学入試は、コネ社会と非常に親和性の高いシステムになっている。日本でいうところのAO入試が、全体の入試の枠の一部ではなく、すべての枠で対象となっていると考えると想像やすい。AO入試自体アメリカ入試制度の輸入なので。

アメリカ入試制度では、SATまたはACTと呼ばれる、日本でいうところの共通テスト(旧共通一次、センター試験)が存在する。ただし、SAT/ACT共通テストより簡単数学に至っては日本高校受験レベルで、しか電卓持ち込み可能なのでまじでアメリカ教育水準心配になるのだが、飛び級制度があるので問題ないらしい。

しかもこの試験日本のように年一度ではなく、年に何回も受けられる。年に何回も試験を受けられるとどうなるかというと、年に何回も試験を受けられる経済的基盤がある家庭が有利になる。

名大学に応募するような連中はSATACTで満点を取っていることが前提。とすると、どうやって合否をつけるかというと、

高校の成績、内申点

小論文

学校の推薦状

面談

・親の学歴大学への寄付

などが判断材料になる。トップ大学国立大学日本と異なり、アメリカトップ大学は全部私立なのでよりこの傾向が強い。単に試験の成績が良いだけでは足りず、スポーツ課外活動などで優秀な成績を上げていることが重要になる。そして、それらスポーツや、学校では教えてくれない課外活動に十分な時間を割けるのは、当然ながら裕福でコネのある家庭に限られる。

就職

アメリカでは、日本と違って、新卒だろうが中途だろうが即戦力を求める傾向が強い。でも新卒即戦力になるわけないじゃん。ではどうするかというと、新卒インターンで戦力を付けてから、そこで認められればそのまま就職する。しか恐ろしいことにこのインターンは多くの場合、無給である。裕福な家庭であればインターン中の生活費を出してくれるだろうが、貧しければバイトしながらインターンという二重苦に悩まされることになる。また、日本以上に学歴重視の傾向があり、特定学位を持っていないと応募時点ではじかれるとかざらであるさらにいうとジョブ雇用なのでうんぬん…長くなりそうなので書かないが、要は日本と比べて貧富の差就職により大きく影響を与える社会となっている。

アファーマティブアクション

この問題を、性別人種観点から是正しようというのがアファーマティブアクションアメリカ人種比率に比べて、男性白人が多くの要職を握っているのはおかしいか是正しろ、という仕組み。学校の生徒の比率黒人は何割、白人は何割、アジア人は何割、女性は何割、という風にあらかじめ枠を作っておくことで、学校男性白人しかいないというような問題を強引に解決する。もちろん学校だけではなく企業にも採用されていて、管理職男性白人しかいない、というようなことを是正するようになっている。

アファーマティブアクションにもいろいろな批判はある。例えば、アジア人の方が平均的な学業成績が上なのに、アファーマティブアクションによりアジア人枠が少ないか大学に落ちた、というようなむしろ結果として白人優遇になっている問題もある。男性白人に対する逆差別だ、というのもその通り。また、フランスのように、人種にかかわる統計を取ることすら禁止し、人種問題存在せず、肌の色にかかわらず全員がフランス国民だ、というような真逆のやり方も存在するが、このやりかたは明らかに失敗しているのでここでは取り上げない。

ツイート問題について

"過剰なアファーマティブアクションのせいで、成果とはかけ離れた登用や昇進だらけ"

アファーマティブアクションの考え方を全く理解していないと言わざるを得ない。

現代アメリカ社会では、男性白人による"成果とはかけ離れた登用や昇進だらけ"となっている。

無能人間男性である白人であるというだけで要職についてしまっている。

・家庭環境問題によって、女性や非白人は金やコネというゲタを履かせてもらえないことで、人気の大学、人気の職業につくチャンスを損ねている。

・ほっといても現状は変わらないので、強引に枠を作って社会是正しよう。

という考えなので、むしろアファーマティブアクションにより、不当に評価されなかった人たちが評価されるようになり、成果に沿った登用や昇進が行われるようになった、と考えるのが正しい。

もちろん"過剰なアファーマティブアクションのせいで、成果とはかけ離れた登用や昇進だらけ"になる可能性はある。しかし、ツイートしてる方の職業である弁護士業界において、アメリカでは男性白人比較的多いのは歴然たる事実であり、従ってアファーマティブアクションが過剰どころか全く足りていない業界筆頭であるので、現状認識ガバガバすぎるのではないかと言わざるを得ない。正直言って、友達アメリカ人をダシに、適当アファーマティブアクションを雑に非難したいだけに見える。

  • じゃあコネがあるかどうかの問題で弱者属性あんま関係ねえじゃん むしろコネのある女や黒人最強すぎ

  • ・現代のアメリカ社会では、男性や白人による"成果とはかけ離れた登用や昇進だらけ"となっている。 ・無能な人間が男性である、白人であるというだけで要職についてしまっている...

    • 暗黙の前提として、白人とそれ以外の人種、男性と女性の間でで能力差がない →でも政治家とか弁護士とか有名大卒は白人男性が多い →能力差がないなら、白人男性は金とコネで職を奪...

      • 暗黙の前提として、白人とそれ以外の人種、男性と女性の間でで能力差がない →でも政治家とか弁護士とか有名大卒は白人男性が多い →能力差がないなら、白人男性は金とコネで職...

  • 人種で判断する理由になってなくね。 一番の問題は「いくら能力があっても家が太くないと不利になる設計」でしょ。それを改善するのめんどくせーから、人種っていうのでごまかして...

  • ちょっと論理がおかしい 前段は、有能になる基盤や成果を上げるチャンスの不平等が存在する(なので成果や、その時点での能力で選抜すると特定のグループばかりが有利になる)。 だ...

  • 無能ほどいい訳が饒舌。

  • >不当に評価されなかった人たちが評価されるようになり、成果に沿った登用や昇進が行われるようになった、と考えるのが正しい。 そういうデータでもあるの?

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