武蔵野美術大学が8月24日から対面授業を再開したそうですね。
私は視覚伝達デザイン学科の様子を断片的に耳にしただけですが、普段はこんな時期にやらないオリエンテーションをわざわざ実施したそうですね。マスクの着用やアルコールでの手指消毒は呼び掛けたそうですが、検温はしてないでしょうね。オリエンでは学生を一箇所に集めて、先生方で一本のマイクを使いまわして、「マスクを外したらこんな顔でーす」とか、やってみせたそうですね。
一応12号館地下展示室で実施して、学生たちに距離をとらせたり気を遣う先生もいらっしゃったようですが、学生が密集しても誰も何も言わなかったそうですね。学生たちは黙っていたのでしょうけど。
学科ごとの実習科目は対面で、教養科目は全部オンライン授業だそうですね。そういう方針だとすれば、大学という環境だからこそ発生する複雑な導線や関係者の多様さは従来ほどではなく、感染症に対する危険度は下がっているのかもしれません。
そこまでして行われるキャンパスライフが本当に通学に値するのか、当然お考えになったのでしょうね。
実物が目の前にあるとやっぱり違いますよね。実際に人と会うのと、オンラインでやりとりするのは違いますよね。小学校も中学校も高校も会社も始まってるのに大学だけ始まらなくて、行ってもいないのに高い学費もぜんぜん減らなくて、不安で寂しくて苦しかったんですよね。パソコンも無理して買って、よくわからないツールを1人で習得していくのはすごく心細いですよね。学生が来ないからってお金がいらなくなるわけじゃないのに、学費を返せと言われて困りますよね。毎月100時間残業してしまって、残業をやめろと言われても教授からも非常勤講師からも教務課からも学生からも次々に連絡が来てやることは山積みですよね。お気持ちは察するに余りあります。
大学側はゴールデンウィークも丸ごと潰して対策の検討、学生への連絡、オンラインツールのレクチャー、おすすめのパソコン調査をして、さらに普段の業務もこなしていたと聞きました。おすすめのMacbook情報をまとめている間に新しいMacbookが出てしまいましたね。後期の対面授業開始に向けても、助教の方が酷暑のなか朝から晩まで設備を確認して、手洗い洗剤をせっせと取り付けたそうですが、それらの設備代は助教が立て替えて、教務課は立て替え横領がないか厳しく審査して経理に回しているのでしょうね。
本題ではありませんが、手弁当や長時間労働、徹夜や泊まり込みを美談にして低賃金や無償で卒業生を働かせ、ムサビはムサビ教育の価値を自ら貶めているように見えます。教授のセクハラも野放しですよね。武蔵野美術大学の卒業生であることを恥ずかしく思う時があります。
症状がある学生は助教に連絡するように伝えているそうですが、無症状だけど濃厚接触者と判断されて大学に行けなくなる学生が出た場合、その人は対面で行われている実習科目を受ける機会を得られるのでしょうか。
学生や教職員のご家族に感染して、その方々の生活に不都合が生じたり、後遺症が残ったり、最悪の事態に陥ってしまったとしたらどのように対応するのでしょうか。
ご高齢の先生方もいらっしゃいますが、実際に感染したら重症化リスクが高いことをご自身で認識されているのでしょうか。
非常勤の先生方もほとんどが対面授業のために出勤されるそうですね。武蔵野美術大学鷹の台キャンパスに出勤されて、その後別の学校で教鞭を取られる先生もいらっしゃるのではないでしょうか。対面授業とオンラインのそれはかなり異質で、それぞれに対応するとなるとかなりのご負担ではないかと思います。ムサビは他学のためにオンライン授業を行う先生の場所は提供してくれるのでしょうか。
そんなこと当然お考えになって、慎重に検討されて、それでも対面授業を実施するという判断をなさったのですね。
交友会のメールも読んでいます。書かれていた「学びを止めない」というスローガンも記憶しております。ほんの小額ですが、支援金もお送りしました。支援が必要な学生の手に少しでも早く渡ることを願っております。
思うのは、半沢直樹みたいな陰謀うごめく権力の世界って実際には世の中にはほぼなくて、なんとなく声のでかい人の発言や、雰囲気や成り行きで最悪なことになっていくんだなということです。教育って本当に大切ですよね。