【以下ネタバレ含む】
普段から「私を含め、オタクって気持ち悪いよな」と思ってる一オタクからすれば、昨今もてはやされる同化効果モリモリ映画へのアンチテーゼとも言える「ドラゴンクエスト ユアストーリー」は最高にキました。
(※1ここでの「異化効果」とは、観客の心地良い世界観や当たり前と思っていた日常を揺さぶり、新しい価値観や反省を促すものと定義付けます。 )
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この映画のオチは、「実はこの世界は虚構で、早く大人になれと突きつけてくるラスボスを倒す」というもの。
買い切りのアート作品ならともかく、エンタメ映画でこの手法使うと商業的には失敗するのかもしれないけど私は嫌いじゃない。
そもそも私は腐女子のくせにオタク同族嫌悪が激しくかつ 「いい年して夢から覚めないオタク、本当に気持ち悪い。現実見ろよ」的なこと言われて 憤慨すより「仰る通りです」となるタイプ。
なのでドラクエ5映画はマゾ心が刺激されてアリだし、オタクの悲鳴ウケるってかんじ。
おまえらが後生大事にしてるそれ、所詮ただのゲームだよ?うん、たしかに……。
「もしかして一部の製作陣は、未だに嫁がどうこう言ってるファンたちにうんざりしてたんじゃないか?だからこのストーリーにゴーサイン出したんじゃ?」とすら思った。
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でもオタク気質持ちには同化効果がある作品の方が受けやすい。だからこそのオタク。
あれは「本当に現実にポケモンがいるようだった」と思わせる出来で、製作陣もポケモンマニアが多いらしく、観客の精神と映画をリンクさせるものだった。
「この世界の片隅に」もそう。
あれは主人公を身近に感じられるような、日常的で素朴で被害者としての側面は同化効果としてこれでもかと描写されてるのに
原作にあった異化効果部分(「暴力で従えとったいう事か。じゃけえ暴力に屈するいう事かね。それがこの国の正体かね」)は、改変され超ふんわりになってる。
「庶民は自分たちが悪いという罪の意識も責任感もないまま、簡単に戦争に転がってしまうことがありうることを、いまの時代に伝えなくてはいけないと思ったのです。」(※2)
という意図からすれば、前半の同化効果は後半の異化効果のためにあると言っても差し支えない表現だろうに、ここ変えちゃダメじゃんね……。
逆にドラクエ映画は「ゲームの世界観に没入していた観客の精神を引きちぎる物」なので、ポケモンのようにドラクエの世界観に心地よく没入できることを期待していた層にとってはそりゃあもう辛い、阿鼻叫喚。
こういう異化効果アリのメタ視点持った作品って他にあるのかな?
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BGMが別作品のじゃんとか、SFCのゲームだろとか、ヘンリーの話し方とか、ビアンカの性格とか、そもそも話の配分がおかしいとかそういう面ではイマイチだけど、オチ自体はあれで良いと思う。
だってたしかに、現実の友達や、恋人や、家族や、子供ではなく、二次元や三次元のキャラクターに時間を割くなんて、やっぱり成人したまともな大人のやることじゃないですよ。
そりゃゲームより電源切って外に遊びに行くなり勉強した方が”正しい”よ。
そこ突きつけられてギャーギャー騒いだり、自省できないオタクってヤバい。
良薬口に苦しというか、映画で現実見たくない人には本当に辛い作品でしょうね。
ただ、新規だったりまだ十代の若いドラクエファンの子がこの映画で胸を痛めているのは辛いし、はやすぎるし残酷だと思う。
古参の大人ファン向けですね。ハマりたての人に見せちゃダメです。
と、数ヶ月おきに同人イベントにサークル参加してヒーヒー言いながら本出してる私は思いました。
私たちは、はやくゲームの電源切ってスマホを置いて、もっと現実大事にしような!
【参照】
※2
https://blog.goo.ne.jp/yossyo2/e/4e01d56cd19f6209e6ed6bf11fc6fddc
おたく、気持ち悪いな