はてなキーワード: イッツ・ア・スモールワールドとは
IT系ってのは本質的に少人数でめちゃくちゃ稼ぐことができる(可能性がある)業態なわけです。GAFAなんてのがあれだけ話題になった背景には少人数高利益(=生産性が高い)で世界の富を集めることができたことがあります。
ここからは一般論になりますが、あるところに少人数で莫大な売上を上げた企業があるとします。当然ながら、少人数なんで人件費も(個々に大きく払ったとしても相対的には)小額であり、利益は莫大なものになります。この利益は放置すれば利益そのまんまなわけで、ドカーンと課税されてしまいます。
ですから経営の常識的に考えればこの利益は投資に回すべきです。と言ってもIT系は生産業じゃないんで工場作るってことにはあんまりなりません(多角化とか言ってそっちに行く企業もあるかもしれませんが)。当然、IT系のチームをもう一個(利益によってはもう10個でも20個でも)作るってことになります。数年前までのソシャゲで見られてたゲームタイトル乱立の背景は、これです。
最初の大儲けしたチームってのは、往々にして偶然利益を手に入れました。この偶然っていうのは有能なプロデューサー+有望なアイデア+有能なマネージャー+有能な技術スタッフというのがゾロ目で高い合計値になったというものです。
でもあったりまえの話ですが、そんなのかなり難易度高いです。続く10チーム(あるいは20チームだかもっとだか)にはそんな幸運はそうそうないので、結局は最初の大儲けは後続する平凡チームの人件費として分配されて終わります。
大儲けしたチームからすれば自分らが作った利益を使い込まれて怒り心頭&独立騒ぎにもなるわけですが、これは視点を変えてみれば、はてなで大人気の再分配なので、凡人視点では素晴らしい出来事です。
銀行のシステム改修などもそうですが、銀行のATM手数料の儲けが、JAVAできるという嘘設定で派遣された派遣PGに再分配されるヌクモリあふれるイッツ・ア・スモールワールドなわけです。そもそもの話、ドラえもんのもしもボックスで「IT従事者のいない世界」をリクエストしたら日本の失業者人口はびっくり数字になってしまうので、そういう意味でもこの構造は民に優しいということができます。
冷酷なまでに賢いNetflixさんなんかは、株主の利益を考えて「無能なやつはオフィスに入れない」戦略で高い利益率を維持しようとしていますが、本邦日本では「美味しいご飯はみんなで食べようよ(分配しないと農民一揆だぞ)」思想によって平和が保たれているのです。
折に触れて思い出す納得のいかなかったこと。
小学二年の時、平和についてのポスターを描きましょうという授業があった。
俺は幼稚園の頃から、自由に絵を描く時間にみんながウルトラマンや飛行機やケーキやドレスやなんやら楽しそうにお絵かきをしている中、自分はなにを描くべきなのか、なにを描いても自分にふさわしくない上手に描くこともできないと混乱し、しかしそれを説明する言葉も持たず途方に暮れ先生を困らせるような子供だった(最終的には先生が機転を利かせ、色紙を丸や三角や星などの形に切って紙に貼るように誘導してもらった。あの出来事はとても素晴らしかったと思う。具体的なカタチが思い浮かばなくとも表現はできる)。今でもそうだが子供の頃から、周りの目を気にしたり小さなことにこだわるやつだった。
そんな子供だったが、しかし平和というテーマについては具体的なイメージが俺の中にはあった。とても子供らしいというか陳腐なもので、今思うと多分そのイメージはイッツ・ア・スモールワールドが基になっているものだが、こんなものだった。中央に地球がある。その周りを白や黒や肌色で塗られた子供たちが手をつないで囲んでいる。みんな地球の一員です、仲良くしましょう、ということだ。わかりやすい。しかしその中に、イッツ・ア・スモールワールドとは別のファクターを基にした子供を二人描いた。下半身を共有し、上半身が二叉に分かれた子供。ベトちゃんドクちゃんを思い、彼らをそれとわかるように描いた。その時の担任のO先生が特別理不尽な人だったという記憶はない。しかし、その時描いた彼らは否定されてしまった。こんな人間はいません。マジメに授業を受けましょう。これは書き直さないといけませんよ。
俺もストーリーこそが魅力だと思っていたよ。
歩いて一周出来るような地球と、主人公パーティのほか全てのNPCを含めても現実世界の小さな村くらいの人間しかいない世界人口。
当時の最先端の技術で作れた世界が、あの程度だったことは逆に幸運だった。
かつて暴走族の抗争漫画が一世を風靡したのと根っこは似てるのかもと思うんだ。
政治も戦争も愛も友情も、全てが自分の近くで完結するあの感覚。
そういう感じ。
あの小さな世界だからこそ、たかだか20~30時間のプレイ時間に、世のあらゆるテーマを詰め込むことが出来た。
だからねRPGの衰退は当然と言うか、あのRPGが全盛期は奇跡だったんだ。
と、思う。
異論は認める。