はてなキーワード: 幕張駅とは
色々考えていて、やっぱりこの件は
という案件だと思うのです。
若干今更感はありますが、思うところを書きました。
例えばスーパーの出入り口から段差をなくすとか、日々の生活に密着した施策はどんどん推進していった方がいいと思います。
ただ、「一応お客さんの出入りもできるようになっている」程度の裏口にまでそれを要求するのは正当なのか?とは思ってしまうわけです。
翻って今回の件ですが、SNSやメディア等で色々議論はあるものの、個人的に腑に落ちないのは「なぜ熱海駅ではだめだったのか」ということです。
駅員に「熱海駅まででもいいですか?」と聞かれて断ったということは分かっていますが、その前段階、旅行の計画を立てている時に、伊是名さんは「熱海駅ではなく来宮駅を選んだ」はずなのです。
旅行を計画する時、特に目的地がある場合は、普通そこのホームページを見たり周辺の観光案内を調べたりしますよね。
伊是名さんも当然調べたと思います。
調べるのはとても簡単で、来宮神社のホームページにもありますし、来宮神社を紹介する観光系サイトや個人ブログを見てもいいと思います。
そしてそのほとんどに来宮駅と熱海駅からのアクセスが書いてあるので、調べていて熱海駅からのルートに触れなかったとは考えられないのです。
つまり伊是名さんは「熱海駅ではなく来宮駅を選んだ」ということです。
もし熱海駅からのルートを知らなかったのであれば、来宮神社だから来宮駅だと思ったということなんでしょうか。
それは幕張メッセに行くのに調べないで幕張駅を使うような愚行なので、初めて行く場所でそんなことはしないと思います。
(初めだったのかは分かりませんが、そうでなかったら余計問題なのでおいておきます。)
来宮神社まで、来宮駅からは400m、熱海駅からは1.6kmです。
ではなぜ、伊是名さんは熱海駅ではなく来宮駅を選んだのでしょうか。
単純に近いから。
ただ、伊是名さんにとっては単純な距離よりも重要な要素がありますよね。
熱海駅は市の名前が付いているくらいですから利用客も多く、バリアフリー設備も充実しています。
駅の利用は問題ないでしょうし、車椅子でも利用可能なバス・タクシーの手配もしやすいはずです。
一方で来宮駅は、少なくとも伊是名さんにとっては「調べても分からなかった」レベルです。
そして、熱海駅から来宮神社に行くことを考えたら、熱海駅からの交通手段を調べますよね?
そうすれば今回のトラブルは起こらなかったんです。
(万一熱海駅が大きな駅だと知らなかったとしても、来宮駅を調べて熱海駅を調べないのは理屈に合いません。)
そのため、今回の件は「避けられたトラブル」と言うよりも、「ドラブルの起こりそうな方を選んだ」という印象が拭えないわけです。
ところで、来宮駅と来宮神社は徒歩5分程度と言われていますが、実は難所があります。
来宮駅の駅舎は線路の南側にあり、来宮神社は北側にあるんですね。
そのため最短ルートを通るには来宮暗渠という短いトンネルを通るのですが、そこの歩道が細く、ガードレールもあるため車椅子では通れないのではないかというほど狭いのです。
伊是名さんはブログで特に触れていませんでしたが、果たして歩道を通れたのでしょうか、それとも車に待ってもらって車道を通ったのでしょうか…。
最短ルートを通らない場合は、1.5kmほどアップダウンが激しく歩道が狭い道を歩くことになります。
時速2kmで45分かかるわけですから、結構な負担になるはずです。
伊是名さんは旅行先の条件として「移動距離が少ない」をあげていましたが、これは少ない範囲なのでしょうか。
来宮駅-来宮神社間のルートは知っていれば迷う道理がないのですが、トンネルにある小さい看板を見逃して通り過ぎてしまうと熱海駅に行ってしまいます(途中でおかしいと気付くかもしれませんが)。
一方、熱海駅からだとバス・タクシーで神社の目の前まで連れて行ってくれます。
数百円でも節約したいとか、迷うのも旅の醍醐味だという人であればともかく、そうでなければ健常者でも熱海駅から行った方が間違いがありません。
健常者であればスマホで地図を見ながら行けばいい、というのもあるんですが、車椅子利用者は「道はあるけど通れない」という事態に出くわした経験が少なからずあると思うんですよね。
電車なら駅員に相談すればいいですが、旅先の道路でそうなった場合のリスクは考慮するものではないのかなと思います。
「障がい者が気にせず外出できるのが理想だ」というのはその通りですが、現実のリスクを無視するのは違うと思うのです。
また真偽不明ですが、伊是名さんは来宮駅で降りた後、西にある熱海梅園に行ってから来宮神社に行ったと説明している人を見ました。
こちらの説であれば来宮暗渠を通っていないのは理解できるんですが、するとなおのこと、熱海駅から行かなかったのが不思議なんですよね。
対して熱海駅からバス・タクシーを使うと、熱海梅園の目の前まで連れて行ってくれます。
車椅子での移動を減らしたいのであればバス・タクシーを使うのが合理的です。
そもそも、最短ルートで直接来宮神社に行かないのであれば最寄り駅というメリットがなくなるため、来宮駅で降りる必要がないんですよね。
紛糾しているのは、結局これだと思います。
伊是名さんの言いたいことは「バリアフリーをもっと浸透させてほしい」で、それ自体は正当だと思います。
ただ、どう考えてもやり方はまずかった。
旅の計画段階で「合理的」な判断をしていれば起こらなかった問題なんですから、そこをフックにしてしまうと主張そのものが疑問視されてしまいます。
だから、今起こっている事は「誰が言おうが正しいことは正しいのだ」と「言ってることは正しいがお前が言うな」の戦いなんですよね。
熱海市の市議会では駅のエレベーター設置の議論が何年も続いており、その結果4つある無人駅のうち2つにエレベーターが設置されたそうですが、今回の論争、本当に必要でしたか?
要するに、熱海駅からバスを使えば来宮神社前ないし熱海梅園前まで行けるという「スロープ」があり、それは見えていたんです。
しかしバリアフリーの対応状況が分からない来宮駅という「階段」を伊是名さんは望んだ。
それがバリアフリー推進のためにあえてやったことなら、私は「言ってることは正しいがお前が言うな」と言います。
もし素で準備不足の旅行だったのなら、社会常識を身に付けて下さいと言います。
社会課題を世に問う目的であれは問題行動も有りだという考え方の先にあるのは、アメリカのBLM運動で起こった商店打ちこわしと略奪ですよ。