2024年9月。日本は未曾有の政治的危機に直面していた。自民党総裁選を控え、二人の候補者が激しい対立を繰り広げていた。一人は保守的な政策で知られる高市早苗、もう一人は改革を訴える石破茂。どちらが勝利しても、日本は深刻な分裂に直面し、国の未来は不透明なものとなる。
そんな中、一人の男が静かに日本の運命を憂いていた。彼の名は小泉進次郎。かつての総理大臣である小泉純一郎の息子であり、表向きは政治家として知られていたが、その裏では天才的な科学者としても活動していた。進次郎は、この国を救うには、今の日本の構造そのものを変えるしかないと悟った。そして、そのために開発したのが、時間を遡って自らの人生をやり直し、歴史の分岐点を変える「タイムリープ装置」だった。
進次郎は決意を固め、タイムリープ装置を起動した。目的は、19XX年、まだ日本が現在のような政治的混迷に陥る前の時代に戻り、運命を修正すること。しかし、装置が稼働したその瞬間、予期せぬ事態が発生した。装置から発せられた謎の電磁波が進次郎に降り注ぎ、彼の知的能力を著しく低下させてしまった。
進次郎は19XX年に無事到着したものの、自らの思考力が著しく鈍化していることに気づいた。かつての天才的な発想力や分析力は失われ、まるで関東学院大学レベルの知能にまで退化してしまっていたのだ。頭の中は霧がかかったように鈍重で、計画を遂行するための戦略すら思いつかない。彼はこれからどうすればいいのか、自分でも分からなくなっていた。
それでも、進次郎は諦めなかった。知的能力が低下していても、持ち前のポジティブさと行動力で、何とか日本の未来を変えるための手がかりを探す決意をする。だが、彼が変えようとする未来は、予想をはるかに超える混沌とした運命へと突き進んでいく――。
第1章: 関東学院の知恵
進次郎は、まず手近な問題から取り掛かることにした。関東学院大学レベルにまで退化したとはいえ、彼にはまだ何かができるはずだと信じていた。
進次郎は、19XX年の見知らぬ街をさまよいながら、自分が何をすべきかを考えていた。だが、かつての天才的な頭脳はもはや頼りにならず、以前なら瞬時に答えを見つけ出せた複雑な問題も、今は霧がかったようにぼんやりとしていた。
「くそ…これじゃ何もできない…」
焦燥感が募るが、彼はふと、ある考えを思いつく。
「今の自分にできることは何だろう?…そうだ、まずは情報を集めないと!」
進次郎は知能が低下していても行動する力だけは残っていることを思い出し、少なくとも日本の現状とこの時代の政治的背景を再確認することに決めた。まずは当時の新聞や雑誌を手に入れるため、近くの本屋へと向かった。
本屋に入り、彼は棚に並んだ雑誌や新聞を手に取る。時代を変えられるはずの自分が、このままでは過去をただ歩く存在になってしまうかもしれない。だが、そんな不安を振り払うように、記事に目を通していくと、ふと見覚えのある名前が目に入った。
進次郎は父、小泉純一郎がかつて若手議員として初めて脚光を浴びた時期の記事を目にした。彼の時代を変える計画は、ここから始めるのが最も有効だと直感した。
「そうだ、まずは父さんに会おう。彼が信頼を寄せる人々に協力を求めれば、何とかなるかもしれない…」
しかし、進次郎はすぐに気づく。このままの知能では、父に信頼されるような議論もできないし、ましてや未来から来たことを説明することすらできない。今の彼には、自分の立場や知識の限界を超える何かが必要だった。
第2章: 逆転の発想
進次郎は悩んだ。どうすれば自分の知能を取り戻すことができるのか。それとも、この「関東学院大学レベル」の知能のまま、状況を打開する方法を見つけなければならないのか。
だが、進次郎には一つの強みが残っていた。それは、かつての彼が学んだ「ポピュリズム」の手法だった。どんなに知識がなくても、人々の心を動かすことができれば、変革は可能だ。父もまた、庶民の心を掴んで政治家としての道を切り開いてきた。進次郎は、今の自分にもその才能が少しは残っていることを信じ、まずは周囲の人々を味方につけることを考えた。
「自分一人で全てを解決しようとするから行き詰まるんだ。そうじゃない、みんなで日本を変えるんだ!」
関東学院大学時代の友人たちとの思い出を思い返しながら、進次郎は改めて決意を固めた。彼の力だけでは日本を救えなくとも、周囲を巻き込んでいけば、いずれ未来を変える手がかりが見つかるかもしれない。
第3章: 新たな仲間
その時、彼の目の前に現れたのは、かつての父の盟友であり、進次郎自身も尊敬していた人物、亀井静香だった。亀井は当時、改革派の代表的な存在であり、進次郎が今の状況で最も信頼できる存在の一人だった。
進次郎は亀井に接触し、少しずつ自分の目的を伝えようと試みたが、やはりまともな説明ができなかった。そこで、亀井に向かってこう言った。
「俺は…未来から来た。日本が破滅する運命を、何とか変えなければならないんだ。」
当然、亀井は信じない。しかし、進次郎の真剣さと焦りに満ちた目を見て、彼はその話を完全には否定しなかった。
「お前が何を言っているのか、正直よくわからん。だが、日本の未来を憂う気持ちは同じだ。何か手伝えることがあるなら、言ってみろ。」
こうして、進次郎は亀井の協力を得て、少しずつ過去の政治状況を変えていくための行動を始めた。だが、彼の知能が低下している以上、すべては計画通りに進むわけではない。新たな仲間を得たことで道が開けるかのように思えたが、思わぬ困難が次々と襲いかかる。
日本の運命を変えるため、進次郎はどこまでやれるのか。知的なハンディキャップを抱えながらも、彼は必死に未来を切り開こうと奮闘する。しかし、その過程で彼はさらなる驚愕の事実に直面することになる――。