2024-03-06

ぬいペニも好きでペニを出したいわけではない

※長い前置きです※

同僚にかれこれ20年以上一緒に仕事をしているアラフォー独身女子がいる。

事務職員ということ以外の詳細は伏せるが、これだけ長く一緒に仕事をしていても恋愛に関する話題を一度として聞いた試しがなかった。

ルッキズムの話をしたいわけではないのだが、お世辞にも見た目に気を使っているとは言えず、先天的容姿についても恵まれているわけではない。

個人的な好みを抜きにして、この女性は異性にモテそうにないなと8割の人が思い浮かびそうな見た目と思ってくれれば良い。

彼女の特徴は、そうした第一印象恋愛候補になりづらい以外に、会話の一言目が下手という特徴がある。

基本的枕詞を使わないで、さら疑問形式で会話を始めてくるのだ。

例えば「〇〇の請求書の件ってどうなっていますか?」という感じだ。

ところが、聞かれている側としてみれば、この〇〇について、自分担当でもなければ手伝っているわけでもなく、場合によってはその時が初耳だったりすることさえもある。

それなのに、さも「あなた責任ですよね?」みたいな聞かれ方をするので、大抵の人間は会話の一言目で気分を害する。

それでもはじめのうちは耳を傾けていたのだが、彼女にしてみれば自分責任のない問題なので自分では解決しようとしないし、そのくせ相手対応を求めてくるので途中からまるで相手を責めているように聞こえてきてしまうのだ。

相手にしてみても当然責任はないので、そんなもの押し付けられれば最初はよかれと聞いていても、途中から苛立ち始めてしまいには怒り始めてしまうなんてことが彼女の周りでは当たり前に起こっていた。

これの難しいところは、本人にしてみれば悪気がないので、仮に冷たい反応が返ってきた場合相手が悪いという認識になってしまうところだ。

「私は真面目に仕事の話をしているだけなのに、相手勝手に怒り出して困る」

それが彼女認識なのだが、その結果、彼女は社内で孤立する存在になってしまった。

自分もそんな彼女に対して辟易して早々に距離を置いた一人だったのだが、この度の社内人事によって結構仕事量を彼女連携する必要が出てきてしまった。

入社して20年も経てば自分もいい大人でもあるので多少のことは受け流せるようになった。

感情を殺して彼女が何を求めているのか、多少時間をかけて傾聴をしてみるとそれまで見えなかったことが見えるようになった。

有り体な言い方をすると、彼女に不足していたのはいわゆる「Iメッセージ」で、「私が」が欠けていたのでいつまで経っても相手にはまるで自分が責められているかのように感じられていたというだけだった。

それがわかってしまえばしめたもので、「それについてあなたはどう思いますか」「それについて私がやるべきことはなんですか」「それによって予測できる生じるであろう問題点はなんですか」といった内容を聞き返すことで、彼女自信が何を求めているのかを紐解くことができるようになった。

こちらとしては結構仕事量を連携するためにまずは彼女とのコミュニケーションスムーズにすることが第一目標でもあったので、真面目に取り組まざるを得ない問題というだけであった。

そうなれば自然コミュニケーションの回数は増え、時間も増えていった。

いつものように、彼女から不機嫌そうな疑問が投げつけられる。

それに対して感情フラットにして、彼女の言わんとする事を傾聴しながら紐解いていく。

そんな事を繰り返しているうちに、ふと気がついた事があった。

※前置きここまで※

彼女の中でこんがらがっていた問題が紐解けた瞬間に、瞳がキラキラに輝くことに気づいてしまった。

大げさに言えば、推しの子のアイのように瞳がキラキラに輝やいて表情がぱーっと柔らかくなるのだが、それがエグいくらいにかわいいのだ。

先述の通りお世辞にもルッキズムには恵まれていない、そんな彼女がふと見せるそうした表情がどれほどかわいいのか、わかってもらうことは難しいかもしれない。

でも、事実自分にはそれがどこかのアイドルなんかよりもよっぽどかわいく見えてしまった。

理解してもらえるかわからないが、この表情は中毒性がある。

毎回確実に得られるわけでもなく、引き出そうとして引き出せるものではない。

こういうとき決まって思い出す鳩の実験があるのだが、押せば必ず餌が出るボタンはそのうち飽きて押さなくなるが、たまにしか餌が出ないと狂ったようにボタンを押しまくるというのだ。

まさにギャンブル中毒者のように。

それからというもの彼女の瞳がキラキラするのが見たくて、理由を作っては話しかけてしま自分を止められなくなってしまった。

今の自分にとって一番の楽しみといってもいいくらいで、まさか自分がこんな気持になるだなんて思ってもいなかった。

しかし、そうして彼女の瞳がキラキラと輝く瞬間、同時に自分は間違いなくペニが出そうになっているのを抑え込んでいる自覚もあった。

もちろん物理的に出したいわけではなく、彼女を抱きたいという性欲が湧き出てくるという意味でだ。

ぬいぐるみという自覚で接していたつもりも当然ないのだが、彼女に対して性欲を自覚するとは思ってもいなかったことなので戸惑っているというのが素直なところでもある。

ただ、このとき少なくとも”ぬいペニ”という言葉が、呪縛のように自分の罪悪感を刺激したことは確かだった。

ここでもし仮に、自分のペニが飛び出てしまうのは不意をつく彼女キラキラの瞳が原因だと彼女のことを非難し始めたら、それがどれほどおかしいことかは考えるまでもないことだ。

それならば、それと同じように、欲情する男が決まって悪いとされることも間違いなのではないだろうか。

男性の性欲は長くの間”暴力性”として扱われてきた。少なくとも自分はそう理解してきた。

から、責めるべきは相手ではなく自分の性欲であると、自分はそうやって言い聞かされてきた。

でも、今の時代においてはそれももう間違いだというべきであろう。

形は違えども子孫繁栄のための性欲はお互いに存在して、それに伴う生理現象から目を背けることはできないのだから

そう考えれば、ぬいペニという言葉男性一方的暴力性を押し付け差別的言葉しかない。

言葉の響きで濁されているだけで、それがどれだけ低俗暴力であるかは考えればわかることだ。

目の前にいるのはぬいぐるみでもなんでもなく、一人一人の人間なのだから

自分がこれ以上進むべきか決断できないことにぬいペニは関係いかもしれないけど、彼女から「ぬいペニだった」とがっかりされるかもしれない恐怖はやっぱり否定できない。

ぬいペニという言葉を使うことは否定はしないけど、使う以上は自分差別主義であるという自覚は持ってほしいと思う。

正直、ぬいペニがカジュアルに使われていることには恨みたい気持ちしかない。

そういう目的を持って使っている人は仕方ないけど、知らぬ間に差別主義に加担していた人は間違いに気づいてくれると嬉しいです。

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