2020-12-08

二次創作に関する法律

二次創作著作権違反なのか?

違反ではない。舞台設定やキャラクター日本では著作権保護対象にならないので、他人創作物の続編やサイドストリー著作者許可なく描くのは許されるというのが学会の通説。つまりコミケで売ってるようなものは絵が一致しなければBL改変とかでも多くは著作権法上許されている。ここには著作者意見関係ない。

ちなみに、海外だと様子が違って、例えばアメリカだと、有名小説の「類似または同一の考え方、性質および人格付与し、詳細にわたりオリジナル再現した」続編小説著作権侵害となる可能性がある。

二次創作は完全に合法なのか?

グレー。厳密には違法可能性はあるが、今流通しているものは今のところ問題ない。

社会一般によく知られたキャラを使う場合不正競争防止法2条1項2号にある著名なキャラパブリックイメージ保護する規定にひっかかる可能性がある。たとえば、竹をくわえた少女の絵を表紙に使って宣伝するのは、「鬼滅の刃」の顧客誘引力で自らの物品の注目を高めようとしているとみなせて、原理的にはアウトの可能性がある。わいせつ画像などキャライメージを崩すような創作を広く発表するのもアウトかもしれない。

不競法の対象事業者なので、文化祭文芸サークルが配布したとかならおそらく大丈夫事業者定義ははっきり示されていないが、税法の定義を借用すると、法人化しているかとかではなく、反復継続して行っているかポイントになるかもしれない。年に二回のコミケに出すのはどうか、というと、具体的な事情を鑑みて個別裁判所判断、ということになる。判例ガイドラインもないので詳細は不明

不競法は、あくま民事の話で刑法ではないので、著作者問題にすると決めた時に初めて問題となる。いきなり警察が来たり逮捕されたりする可能性はゼロ民事では裁判の前にまずは当事者間の話し合いなので、権利から何かを言われた時に初めて対応しても遅くないかもしれない。もちろん、作者が二次創作許可している場合問題ない。

ちなみに、「社会一般によく知られた」っていうのは「ポパイ」とか「シャネル」とかが想定されているかなりハードルが高い条件で、企業側でそのキャラパブリックイメージ確立保護のためにそれなりの投資を長年しつづけていることが必要。「マリオカートレベルでも地裁高裁認定が分かれている。グッズ展開があまりなされていないようなマイナージャンルPixivに絵やマンガを公開したりするのは、ほぼ間違いなく合法

無料配布でなく販売した場合は罪が重くなるのか?

そもそも「罪」ではない。前科もつかない。ただ、不競法の損害賠償請求における基準額は、該当商品売上高基準にされることがあるので、販売することで損害賠償額が上がる可能性がある。利益ではなく売り上げ基準なので、印刷費と交通費考慮したら赤字、とかはあまり関係ない。(情状の考慮の際に参考にはされる)

注:法律の最終解釈権は裁判所のみが持つの判断増田判断と相違する可能性があります

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